暗渠の宿 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 796
レビュー : 128
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101312811

感想・レビュー・書評

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  • 太宰治を彷彿とさせるこの手の私小説作家は、もう出てこないのかと思っていたので、本当に感動!主人公の行動と心情にはなかなか共感し難いが、死ではなく生に向かうたくましさに魅力を感じる。一気に読了。

  • 安くて不味くて強い酒。
    でもそこにあるとついつい手に取ってしまうような
    中毒性のある西村賢太の私小説。
    二日酔いもさめやらず
    「小銭をかぞえる」をいう迎え酒を飲んでいます。

  • 男の寂しさ

  • ……はあ。

  • どこまでが本当にあったことでどこからが作者の作り物なのかは分からないが、それが私小説の面白さなのだとすれば、これはかなり面白いんじゃないだろうか。

  • 図書館で借出。

    西村賢太はクセになる。
    よくわかった。

    相も変わらず(作者本人だから仕方ないが)のクズっぷりにしてやられるのだ。
    作中の「私」の台詞だけが擬古調の文体で、それでもって自分のことを棚に上げたキレ方をするあたりに思わず笑ってしまう。
    そして相手を恫喝した後、
    「ひょっとしたらこの親父はどこかその筋方面のかたではないかしら、と逆に怯えを感じ始めていた」
    という小心。
    笑っちゃうだろう、これは。

    デビュー作「けがれなき酒のへど」は、終盤に西村が「没後弟子」を自称する作家、藤澤清造の研究ノートのような調子になって唐突さ・生硬さを感じさせる。
    ただ、彼の藤澤清造への傾倒ぶりを知れば知るほど、西村賢太・藤澤清造という2人の私小説家に興味が湧いてくる。
    その日暮らしのような生活の中で大量の蔵書コレクションをつくり、それと共に住まいを移すというのは、尋常のことじゃない。

    それにしても、やっぱりタイトルのセンスがいい。
    「私」が恋人と一緒に住みはじめたマンションは「暗渠の宿」なんだよ。見えてはいないけど、地面の下、暗い地中を流れているわけだ。

  • ダメ人間だ。
    日常の行動なり、思考なりは完全にクズのそれで、人間としての成熟度が著しく低く、そこらのチンピラと変わらない。
    だけれども藤澤清造に関することには義理がたく、その行いは真摯で高潔だ。
    そのアンバランスさがなんとも不思議な深みを与えている。
    文章も現代とは思えぬ文体で、目まぐるしく清潔な現代の話のはずなのだが、なぜか古き時代の大らかさと猥雑さを感じる。
    奇妙な魅力のある小説。

  • 書いてある事のほとんどは2chにスレ立てされてるような内容だし
    やってる事はダメ人間、ダメ男の典型なんだけど
    なぜか藤澤清造に関しては真摯に向き合ってるのが不思議

    ただ、藤澤清造を知らないこちらとしてはその長ったらしい説明に辟易

  • 人生いろいろで、正解の生き方なんてないんだなと感じた。


    この人の本が魅力的なのは、読んでいて人柄がまっすぐ伝わってくるからだと思う。書いてある事が正直だからこそ、「いやいや、おかしいだろ・・」とは思いつつも、心のどこかでは共感してしまう。


    人の日記を勝手に読んでいるようなドキドキを感じられる本。私小説ってみんなこんな感じなんだろうか。

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著者プロフィール

1967(昭和42)年7月12日、東京都江戸川区生まれ。中卒。新潮文庫版『根津権現裏』『藤澤清造短篇集』角川文庫版『田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら他』を編集、校訂、解題。著書に『どうで死ぬ身の一踊り』『暗渠の宿』『二度はゆけぬ町の地図』『小銭をかぞえる』『随筆集 一私小説書きの弁』『人もいない春』『寒灯・腐泥の果実』『西村賢太対話集』『一私小説書きの日乗』(既刊六冊)『棺に跨がる』『形影相弔・歪んだ忌日』『けがれなき酒のへど 西村賢太自薦短篇集』『薄明鬼語 西村賢太対談集』『随筆集 一私小説書きの独語』『やまいだれの歌』『下手に居丈高』『無銭横町』『夢魔去りぬ』『風来鬼語 西村賢太対談集3』『蠕動で渉れ、汚泥の川を』『芝公園六角堂跡』『夜更けの川に落葉は流れて』『藤澤清造追影』などがある。

「2019年 『狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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