暗渠の宿 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 128
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101312811

感想・レビュー・書評

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  • 生々しいにも程がある。

    苦役列車を読んで気になって本作を読んだが凄まじい。

    暗渠の宿で同棲を始めた女性との関係のその後が知りたい。

  • 苦役列車、暗渠の宿、どうで死ぬ身の一踊り、の中で一番印象に残った二篇が収録された一冊。

    「けがれなき酒のへど」で主人公の切実な欲求と純粋さに心温まった…のも束の間、表題作「暗渠の宿」で、安易に心温まった自分を嘲笑されているかのような気分に。主人公が、自らの劣等感から生まれる不安や苛立ちを相手への不信に転化してしまう内面の描写は、読み続けるのが苦しくなるほどリアルだった。

    そして、読んでいて苦しくなればなるほど、結局人間そんなものなんだよ、誇りたかきクズだよなーと鼻で笑う作者や読者が目に浮かぶ。
    もしかしたら、この本、真面目に苦しみながら読んだりせず、お酒の肴にして笑いながら読んだほうが良かったのかも、、そして、この主人公(作者)に、全く共感できず嫌悪できる女子たちが、いわゆる勝ち組なのかも、、と勝手に思った。ので、面白かった、と大声で言うのはやめておきたい。

  • 決めた。この人の作品をあびるほど読んでやろう。

    「だから飲みたくなかったんだよ。本当に最低な奴だよな、おめえは自分で性格破産者とか破綻者とかぬかしていい気になってるけどよ、そんなの褒められることじゃねえんだよ。(以下、背筋が凍るので後略)」

    『暗渠の宿』に繰り返し出てくる「私は、この女はもっと私に従順であるべきだと思う。」が、なんていうかもう。ああ。

  • デビュー作「けがれなき酒のへど」と表題作の2遍を収めた短編私小説集。

    どちらも私小説というより、シモネタ満載の自虐ブログだ。読んでいると、風俗好きの人ってこういう生活を送ってるのかと、社会見学をしているような気がする。

  • みみっちいわー。だけども共感してしまう所がある・・ ディティールが妙に詳しいので似たようなことがふと心によぎった感触がある。内面の暗い部分を見せつけられるなあと。つきあってる異性の過去に、主人公と似たような妄想を抱いたことがちょっとはあったからだ。他人ごとじゃないわ。まあ暴力は趣味じゃないが。

  • 先天的にも後天的にも一人の女を得るに足る、人格、容姿、財力、学歴、趣味教養が、いずれも無惨なまでに不備。加えて瞬間湯沸かし器的短気。故に一人の女からも愛されることなく虚しい買淫に耽る日々。どうにかして女を得なければと焦るあまり遊女に入れあげる。結果は言うまでもなく、はなから見えている。ありきたりのストーリにのめりこまされる。隙のないセンテンス。秀逸なレトリック、メタファー。主人公に見出す自分自身に抗いがたく引き寄せられてしまう。とりわけ「けがれなき酒のへど」には完膚なきまでに打ちのめされた。完敗。

  • わざと難しい言葉や表現を選んで書いているように思えてしまい、
    好きにはなれなかった。
    自分のコンプレックスをあからさまにした内容にもあまり好感は持てなかった。
    好みの分かれる作品かな、

  • 過去の作家に傾倒する碌でなしの、貧困の暮らし

  • 一話目はとても面白かったです。心のどこかにきっと同じ部分があるのでしょう。けっこう笑えました。
    もう少しレトロな感じがしていたのですが内容や文体にも意外性がありました。

  • 2007年、第29回野間文芸新人賞受賞

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著者プロフィール

1967年7月、東京都江戸川区生まれ。中卒。
2007年『暗渠の宿』で野間文芸新人賞を、2011年「苦役列車」で芥川賞受賞。刊行準備中の『藤澤清造全集』を個人編輯。文庫版『根津権現裏』『藤澤清造短篇集』を監修。
著書に『どうで死ぬ身の一踊り』『二度はゆけぬ町の地図』『小銭をかぞえる』『廃疾かかえて』『随筆集 一私小説書きの弁』『人もいない春』『寒灯・腐泥の果実』『西村賢太対話集』『小説にすがりつきたい夜もある』『一私小説書きの日乗』『東京者がたり』『棺に跨がる』『無銭横町』『形影相弔・歪んだ忌日』『蠕動で渉れ、汚泥の川を』『芝公園六角堂跡』などがる。

「2018年 『夢魔去りぬ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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