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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784101312866
作品紹介・あらすじ
初めて恋人との正月を迎える貫多。だが些細な行き違いから険悪な雰囲気になり、大晦日の夜ついに爆発する。二人の新生活に垂れ込める暗雲の行方は――『寒灯』。いくら邪険に扱っていようと、秋恵への気持ちは微塵も変わっていなかった。しかし暴言や暴力は続き、ついに彼女は去ってゆく。そのあとに残されたものは――『腐泥の果実』。他二篇を収録する私小説集、待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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私小説だから登場人物も変わらなく、飾りもない。そんな雰囲気が好きで、変わらない事を期待して読み、そして期待通りの空気感を味わえる。そう、期待通り作者は劣悪な性格で卑しく感情的。しかし可愛げがあり、どこか共感できる。だが大抵は、おいおいそこまで言うなよ、という感覚だ。
しかし、この私小説、どこまで実態を再現しているのだろう。作られたキャラだったら嫌だなと思いながらも、私小説を書くからには、主観的に自らの人生を切り抜くに、ここだ、というポイントがあるものではないだろうか。そう考えると、私小説には偽りは無くとも、編集があり、そら勿論、読み手を意識したカットや選別作業があるはずである。そうなればやはり、読み手に対して、こう見られたいという気持ちが働くものだ。この点が、私小説の限界ではないだろうか。というよりも、それも含めて、味わえば良いのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでられないけど、読んでしまう。読みたくなる。
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貫多ひどい奴。。折角のプレゼントのペン皿使えよなー。捨てるとは思わなかった。
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相変わらず
最低野郎です。 -
西村賢太の私小説『陰雲晴れぬ』、『肩先に花の香りを残す人』、『寒灯』、『腐泥の果実』の四篇収録。
四篇に分かれているが、初めて恋人と呼べる存在となった秋恵との同居生活・暮らしを、時系列に並べたような作品。
西村さんの作品を読むのはこの本で4冊目となったわけで、登場人物・主人公のキャラクターはもう、十分に承知してしまった(苦笑)。ゆえ、どのような挙措をとるのかも、自然と予想できるようになっているわけだが、それでも、喧嘩のときの貫多の暴言の激烈さは凄まじくて、慣れることができない(苦笑、再び)。
「てめえは何を生意気に、このぼくに対して説諭をしてやがるんだ!」(『陰雲晴れぬ』から)
「返事をしろい、蓄膿女!」(『肩先に花の香りを残す人』から)
「すべては主人たる、このぼくの流儀に従ってもらうからな。それがイヤなら本当に出ていけ!」(『寒灯』から)
どれだけ口論しているんだと思うくらいに喧嘩のシーンが登場する。それも、まずほとんどが貫多の我侭に端を発するもので、喧嘩の理由となる原因も、料理の味付けであったり、衣類についた匂いであったりと、正直、恋人である秋恵に同情してしまう。よくもまあ、こんな人と一緒に生活できるものだなあと。あ、同情というよりも感心か?
貫多は、先の暴言の類のとおり、どうしようもない男なのだが、一方で妙に女々しいところもある。自分の誕生日プレゼントに手紙がついていないなどと駄々をこねたり、年末年始に故郷へ帰省しようとする秋恵に薄情だといったり。もう、本当に子供、「お子ちゃま」なのである。
言動のギャップの激しさ。これは読者にとってはおもしろくて仕方ないのだが、秋恵は翻弄されっぱなしで辛度くなかったのかと、喧嘩の度に同情してしまう。うん、これはまぎれもなく同情。
何にせよ、こんな私生活があるものなのだなあと、ゲンナリしてしまう。けれども、こんな私小説を書く(出版する)西村さんには恐れ入ってしまう。 -
その了見が慊いよ。大きに、慊いよ
のところは笑ろたなぁ。 -
4編入り。今回は秋恵と同居し始めの頃の割と軽めに読める(暴力がないから。暴言は相変わらずだけど)ものばかり。
貫太の屁理屈暴言は相変わらずだけど、今回は一貫していじけててちょっと可愛らしい感じ。
こんな男と2年も交際していた秋恵さんのモデルはいったいどんな人だろうと読むたびに思う。そのこんな男というイメージだって小説化されたものの中のイメージだけど。
他作品だけど「汚れた膣穴」とか言われちゃってさ。
練習台の悠美江なんかと違ってがっつり恋人だったわけだからなぁ。 -
2025/10/24購入
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ひどい男の話
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読者にはお馴染みの「貫多と秋恵」の短編集といえよう。棘々しい題名と古典的で折目正しい文章、ユーモラスで軽快な展開は相変わらずだ。どの作品も、貫多の惚気→些細な不満→癇癪という王道の流れで締め括られる。著者は貫多を徹底的に偏屈者として卑下し、しかし作中では行為の正当性を主張することで、事象の滑稽さを際立たせ不思議と暗い雰囲気はない。純文学風の文体にカタカナ言葉がさらっと入り込んでくるあたり著者の実力を伺わせる。
とはいえ私小説家であることは理解しつつも毎度同じ「秋恵」話に些か食傷気味なのは否めないか。 -
完全に貫多中毒。また読みます。
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安定のクオリティ。だいたいオチは一緒だけどそれがいいんだよな。
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おもろい。笑った。
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芥川賞受賞作『苦役列車』と同じ主人公貫多の、待望の恋人・秋恵との同棲生活を描いた短編集。
随筆『小銭かぞえ』にあった女との生活と重なる ことから、恐らく同一のモデルであろう。
解説にもあっが、貫多の魅力とは自身の「根」を把握していることであろう。
病的にまで短気で粘着質、プライドが高く坊ちゃんだという供述は、読み手であるこちらまでもドキリとさせられるのではなかろうか。
自身をそこまで自虐的に揶揄できる西村賢太氏には脱帽である。 -
きっと誰にでもある、「北町貫多」的要素。
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