マリアージュ・マリアージュ (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2015年10月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784101313337

作品紹介・あらすじ

キスをして抱きしめられ、初めて普通の状態になれたあの頃。今の私は年下の彼に、昔の自分を重ねてしまう(「試着室」)。私の性を抑圧し続けてきた、私に対して1ミリも動かなくなった彼の性器に、今、私は復讐をした(「ポラロイド」)。他の男と寝て、気づく。私はただ唯一夫と愛し合いたかった(「献身」)。幸福も不幸も与え、男と女を変え得る愛と結婚の、後先を巡る六つの短篇。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

愛と性、結婚や離婚といった男女の関係を深く掘り下げた短篇集は、どの物語も不安定さや儚さを感じさせます。日常の中に潜む本音や複雑な感情が描かれ、時には残酷でありながらも、読者に安心感を与える力があります...

感想・レビュー・書評

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  • あなたは、『結婚』をどのように捉えているでしょうか?

    日本の『結婚』件数は長らく減少傾向にあるようです。2023年の件数は47万4,717組と、年間70万組前後で推移していた半世紀前と比べると大きく減少しています。

    このレビューを読んでくださっている方にも『結婚』を経験された方がいらっしゃると思います。『結婚』された方には、これまでの日々の中で実に多くの事ごとが記憶にあると思います。『結婚』、『出産』、『子育て』、そして『不倫』…と『結婚』に続く未来には実にさまざまな事ごとが起こる余地があります。そして、それら含めて私たちの人生の一部でもあります。

    さてここに、フランス語で『結婚』を意味する『マリアージュ』という言葉を二つ重ねて書名にした物語があります。『結婚』の先にさまざまな思いを抱く人たちを見るこの作品。男性、女性それぞれの視点から『結婚』後の日々を見るこの作品。そしてそれは、六組のカップルたちの日常に『結婚』を前後して巻き起こる事ごとを淡々と描く物語です。
    
    『ショッピングはいい。ショッピングをしている間、私は色んな事を忘れていられる』と思うのは主人公の永山奈津(ながやま なつ)。そんな奈津は『彼は無機質な、張り付いたような微笑みを浮かべていた』と『初めて一緒にショッピングに行った時』のことを思い出します。『これいいね?これは?こっちもいいね、あっちは?』と、『次から次へと着替えては感想を聞く私に』、『張り付いた笑顔でどの服にも「うん」と頷』く彼。『うん、って何、いい?似合う?と聞くとまた「うん」と頷く』彼。そんな二人を見て、『彼、可愛いですね』と『いつも接客してくれる芳永さんが、ヒップの仮留めをしながら私を見上げ、いたずらっぽい顔で言』います。それを聞いて『歳は六つ違うけれど、二十一と二十七という、一番年齢差が目立たないグレーゾーンだと自分では思っている』ものの、『彼が年下だという事は、端から見ても分かるのだろうかと、複雑な気持ちになる』奈津。『私は彼と一緒にいる時、いつもどこかで超えられない年齢の壁を感じていた』という奈津は、『男が年下というだけで、何故このたった六つの差が、こうも影を落としてしまうのだろう』と思います。そして、最後まで『張り付いた笑顔を崩さずまた「うん」と頷』くだけだった彼と『帰りのタクシーに乗り込んだ途端』、『びっくりした』と一言彼が呟きます。『女の人って、すごいなあって、今日は久しぶりに実感したなあ』、『やっぱりそれって、ストレスの解消みたいな感じなの?』と訊かれ、『ストレス発散より、エネルギー補充、みたいな感じじゃないかなあ…あと一ヶ月は元気に生きていけるって気力が湧いてきたもん』と奈津は答えます。それに『すごいなあ』と言われ、『ケイタは、そういうのないの?何か、これをやると生きる気力が湧くみたいな』と訊く奈津に、『うーん、何だろう』、『俺は、ナツと仲良くしてると生きる気力が湧くよ』と答えるケイタ。それに『私もケイタと一緒にいると生きる気力湧くけど…ショッピングの方は何ていうかもっと野生的っていうか、弱肉強食的な気持ちになって、ライオンの雄叫びみたいな感じかな』と奈津が答えると、『ふうん』と頷いたケイタは、奈津の手を握ると『何か、少し痛々しいような気がして』と呟きます。『何の話か分からず、首をかしげ』る奈津は、『目の前にあるチラシのホルダーから「痩せたくない人は見ないでください」という見出しが見えて、えげつないキャッチコピーだなと鼻で笑いかけた瞬間、痛々しいという言葉が自分に向けられているのだと気がつ』きます。『痛々しい、かあ』と言う奈津に、『ナツ、今日すごく楽しそうだったけど、何か、何となく』と返すケイタ。『でも、本とか、フィギュアとか、鉄道模型とかさあ、そういうの集めてる人よりずっと健康的じゃない?』と言う奈津に、『でもさ、ああいう買い物って、お金がかかる割に無駄に不毛な気がしない?』と返すケイタ。そんなケイタの『瞳が純粋な疑問符を掲げているのに気づい』た奈津は、『「ショッピングは女の性」とか「それが女の生きる道」みたいな適当な返しをしづらくな』ります。『そういう事考えないで』と『小さな声で言った』奈津に『向き合い、一瞬きょとんとしたような顔で』見つめるケイタは、『タクシーが信号待ちで停車した途端』奈津にキスします。『本当に彼が好きだ』と『思った途端、悲しくなる』奈津は、『彼と一緒にいると、時々唐突に悲しくな』ります。『彼が男である事や、今二十一歳である事や、今バックギャモンにはまっている事や、そういう全てを含めた彼の存在自体が本当に自然で』『すごく羨ましかった』という奈津。そんな奈津のケイタとのそれからの日々が描かれていきます…という最初の短編〈試着室〉。えっ!というまさかの展開に驚かされもする好編でした。

    “キスをして抱きしめられ、初めて普通の状態になれたあの頃。今の私は年下の彼に、昔の自分を重ねてしまう(「試着室」)。私の性を抑圧し続けてきた、私に対して1ミリも動かなくなった彼の性器に、今、私は復讐をした(「ポラロイド」)。他の男と寝て、気づく。私はただ唯一夫と愛し合いたかった(「献身」)。幸福も不幸も与え、男と女を変え得る愛と結婚の、後先を巡る六つの短篇”と、内容紹介にうたわれるこの作品。どこか不気味な雰囲気感漂う表紙が独特な雰囲気感を醸し出しています。

    六つの短編が収録されたこの作品は、何かしら一組の男女間の関係性が描かれていきます。表紙の印象に引っ張られるところもある気がしないではないですが、六つの物語はいずれも不穏な空気感に包まれています。そんな中で異色に感じたのが四編目の〈仮装〉です。まずはこの短編について触れてみたいと思います。『十日。十日経った』、『いつまでこんな生活が続くのだろう』と、始まった沈鬱な雰囲気感に包まれた物語は次の一行で読者の頭の中に?を一気に浮かび上がらせます。

     『パパー。おばけきたよー』

    『NHKの教育テレビに、お化けの出てくる番組がある。十日前までそんな事知りもしなかった』という主人公の永田が登場するこの短編は『まだ二歳』という娘の都子(みやこ)を残して妻の『夏子が出て行って十日』という中に『夏子が帰って来ない限り、俺は一人で都子の世話をしなければならない』という状況に置かれた夫の永田が主人公を務めます。『終わりが見えないその過酷な育児に、どうしようもなく落ち込み、鬱になる事も何度もあった』という永田。物語はそこに今まで妻に任せっきりだった育児に奮闘する永田の姿が描かれていきます。

     ・『朝六時に都子に起こされ、夜は七時にお迎えに行かなければならないため、必然的に朝早く出勤するスタイルになった』。

     ・『もちろん夜飲みに行く事も出来ない。今、生活の全てが都子に支配されている』。

    自分の子供の育児をするのに『全てが都子に支配されている』という表現はどうかとは思いますが、それは今まで永田が何もして来なかったことの証とも言えます。では、保育園のお迎えの様子を見てみましょう。

     都子: 『ねえねえママは?』
     永田: 『今日はいないよ』
     都子: 『ママいない、ママいない』
      (泣いて嘆く都子)
     永田: 『都子。行くよ』
      (やだっ、と手をはたかれる永田)
     永田: 『いい加減にしなさい。帰ってご飯を食べよう』
     都子: 『ママがいい』
      (肩を震わせながらそう言い、そう言った次の瞬間爆発したようにぎゃんぎゃん泣きわめき始めた)

    保育園のお迎えあるあるとも言えそうな光景です。『えび反りになってうぎゃーと叫び、ママママママママと都子は叫び続けた』という都子を見る光景には、あららという以外に読者はどうしようもありません。そんな日々の中で永田にこんな思いが込み上げます。

     『俺は土日にちょっと遊ぶ、以外の育児をしていなかった…もっと育児を手伝うべきだったんだろうか』。

    物語では、どんな状況下に陥ろうとも妻の夏子がいない以上、一人で切り抜けていく他ない永田の姿が描かれていきます。それは、永田が主人公となる物語ということもあって彼に対する同情の念も浮かびます。そんな中、苦難の中に育児を続ける永田に一つの感情が湧き上がります。

     『俺の子供なんだ。これまで頭では認識していたはずなのに、初めて実感が湧いた』。

    そんな永田の育児を描く物語が至る結末には、一筋縄では終わらせない金原さんならではの物語が描かれています。六つの短編の中で私が一番気に入ったのがこの短編です。金原ひとみさんには、「マザーズ」という『育児』に焦点を当てた傑作が存在しますが、男性視点から描かれるこの短編との比較も面白そうに思いました。

    冒頭の短編は上記でご紹介済みなので、次は、残りの四つの短編を順に見てみましょう。

     ・〈青山〉: 『岡野さん、今自分に見惚れていませんでした?』とバイト先である『WIRE』の『作り付けの鏡の前で呆然と突っ立っている』ところを同僚の山名に見られたのは主人公の岡野。そんなところに『ねえ岡野くん』と『カウンターにいる店長に呼ばれ』た岡野は、『毎シーズンうちの服をチェックしてくれる顧客で』、『ジャケットをデザインしたCDがミリオンセラー』をとったという中村が来ることを告げます。そして、そんな中村の特集がテレビで組まれ、その取材が今日あると続ける店長。『それで、中村さんが店内で店員と話してるところを撮りたいらしいんだけどさあ、その時岡野くんが出てくれない?』と言う店長…。

     ・〈ポラロイド〉: 『アラビアータは?』、『俺が作るよ』と『イタリアンレストランでバイトをしていた』というキョウがキッチンに向かう中、『今日は、行くんだよね?』と訊くのは主人公のカナ。『行こうと思ってる』と『鍋を見下ろす形で』答えるキョウに『行きたくないの?』と訊くと『うん。まあ』と『一瞬黙り込』むキョウ。料理が出来上がり『だらだらと昼食を食べ終え』る中『真理がさ、来週アメリカに行くんだ』と『唐突に、彼の口から女の名前が出た事に、ぎょっと』するカナは『あ、妹さん、だっけ』と返します。『アメリカ戻る前に、会うの?』と訊くと『分かんないな。あいつさ、俺の事バカにしてるんだよ』と語るキョウは…。

     ・〈婚前〉: 『そう言えば、死因って分かったの?』と主人公の麗子が訊くと『ああ、脳梗塞だったみたい…特に病気に苦しむ事もなく、突然ぽっくり…ばあちゃんらしくて、変な話安心したよ』と答えるのは泰斗。『結婚に先駆けて、彼のマンションに荷物を運び込み、二人での新生活に向けて支度を始めていた時、突然舞い込んだ訃報』により広島へと向かう二人。『親父が再婚するまでの間、親戚んとこたらい回しにされて、最後に行き着いたのがばあちゃんとこだったんだ』と話す泰斗。そんな話を訊く中に麗子は『彼の育ての母親が苦手だ』と思い出します。『彼女が私の不妊体質を知ったら、ただではすまないだろう』と思う麗子。

     ・〈献身〉: 『打合せも兼ねて近々お会い出来ませんか』と男からの連絡を受け『ホテルのラウンジ』へとやってきたのは主人公の峰山。『何か、緊張しますね』と言うと『別に、詮索するつもりはないですから。そんな、警戒しないでくださいよ』と答える男は、『お互いに円滑に、誰にも言わないでおきましょうね、っていうあれなんです』と続けます。『でも、垣本さんが不倫してるっていう話は、多分垣本さんが思っている以上に有名です』と語る峰山に、『あんな形で知り合いに見つかったのは初めて』と笑う垣本。『誰にも言わないでもらいたいんです』と言う峰山に『峰山さんが不倫してると知ったら、皆驚くでしょうね』と言う垣本は…。

    〈試着室〉、〈仮装〉含めた六つの短編に関連性はなく、それぞれ独立した短編です。フランス語で『結婚』を意味する書名の「マリアージュ」を二つ重ねて書名にしたこの作品では、さまざまなシチュエーションを前提にした男と女の関係性が描かれていきます。そして、〈青山〉と〈仮装〉のみ男性主人公の物語、他の四つの短編では女性が主人公となるこの作品は『結婚』ということからイメージされるほどには結婚前夜が描かれるというわけではありません。とは言え、”見知らぬ者同士が出会い、結婚し、生活を共にする”中で巻き起こる事ごとが描かれていることに違いはありません。

     “どうにかなるだろう。そう、結婚は楽観主義者でないとできないものだ。結果として、どうにかなることも多いだろう。けれど、同じくらい、どうにかならないことも多いのだ”

    〈解説〉の窪美澄さんがおっしゃる通り、結婚にまつわる事ごとは一筋縄にはいきません。このレビューを読んでくださっている方々の中にも、そんな説明にうんうんと頷く方も多々いらっしゃると思います。また、生活を共にする中で心持ちが少しずつ変化していくことを実感するのも『結婚』なのだと思います。そんな変化を表すかのごとくそれぞれの短編は、後半にさまざまな落とし穴が用意されてもいます。思った以上にサラッとした読後感が待つこの作品。そこには、結婚や愛に対する理想と現実のギャップ、そして人間関係の複雑さを鋭く描き出す物語が描かれていました。

     “マリアージュの成功と失敗。どちらに転ぶか、それは誰にもわからない”。

    『結婚』の行く末がどのようになるかはもちろん分かりません。傷つき、傷つけられ…それこそが『結婚』=「マリアージュ」。この作品にはそんな「マリアージュ」に前後する六つの物語が収録されていました。〈仮装〉の物語に、育児のリアルを見るこの作品。結末に見るプチ・どんでん返しが予想外な感情を喚起もするこの作品。

    金原ひとみさんとしては珍しく、大人しめに描かれていく物語に、窪美澄さんの〈解説〉が絶妙にマッチする、そんな作品でした。

  • 愛と性、結婚と離婚など男女の関係について考えさせられる内容だった。

    本書の6つの短編はどれもどことなく不安定で儚さが感じられる。ちょっとしたきっかけで全てがガラガラと崩れてしまいそうなギリギリのバランスで保たれている。
    もっと現実は違うという気持ちとこんな感じでいつも不安定なのかもしれないと自分の気持ちも複雑であることを改めて思う。
    『献身』にあった「今私は自分が、自分自身に固く拘束されていて、でも途方もなく自由だと感じる」のフレーズにはなぜか非常に納得できるものがあった。

    本書の中では『仮装』が一番好きな話だった。子供を愛する気持ちと子育ての苦労から解放されたい気持ちとのバランス、そしてどっちも大事でどっちかに偏ったら何かを失う複雑な状況が悲しかった。

    本書では、男女関係における生きにくさに強く共感できるからこそ、もっと割り切れて楽な世の中だったらいいのにと感じずにはいられなかった。

  • 結婚、出産、育児、不妊、離婚、不倫‥‥婚姻に対する冷静な視点

  • 金原ひとみさんの小説は定期的に読みたくなる。何故か?
    そこには嘘の無い、日常の本音があるからだ。そして、それは時に残酷で、酷く汚い。ただ、何故か安心する。
    それは自分の日常が幸せである一方での
    冒険の渇望、生の中にある、タナトス、破滅への憧れであるのか?
    安定と真逆の不安定に身を委ね、読ませてくれる数少ない作家である。
    タイトルのマリアージュとはフランス語で結婚を意味するが転じて別の2つのものが
    調和している状態の組み合わせのことであるが、我々人間は我儘な生き物である。
    アンビバレンスな感情の中、完全な調和は困難である。…
    が、そうでないと信じたい。

  • 今作も完璧にキレキレでした。
    すべて結婚に絡んだ男女関係の事情で、
    お得意の金原ワールド全開。どの物語も読み進めるうちに人間の二面性が露呈する展開になっていて、とてもスリリング。ひとみ嬢の小説を読み続けていて自覚している事だけど、ひとみ嬢の小説に出て来る登場人物の視点は、私が他人を見る視点とリンクする事が多く、無意識の感覚を言語化され追体験するような快感がある。

    「口ごもりもせずはっきりとした口調でそういった瞬間、何がかは分からないけれど、彼はおかしい人なんだと私は思った。私の思い込みかもしれない。彼が魅力的に見えて、だから彼が神秘的に見えただけかもしれない。でも彼の事を初めて激しく、疑った瞬間だった」(ポラロイド)

    人間の二面性を信じているからこそ、些細な表情の変化や口調や目線からその人がまったく別の何者かに見えてしまう事がよくある。そして、そういう二面性は多かれ少なかれ誰しも持ち合わせている。
    これまで割と、個人の中で追及していく世界観が多かったような気がするけど、マリアージュマリアージュでは完全に二者間に発展している。
    追及の手を緩めることは一切なく、個人から他者へ見事に移行されていく世界観。
    小説も作者と共に変化成長していて、同じ年代を生きる私にとってはなんともいえない感慨深く、幸せな体験をさせてくれる作家なのだった。

    ところで「仮装」。
    これだけは唯一異質な作品だと思った。
    かなりパンチの効いた作品であることは間違いないし
    登場人物への突き放し感も凄いものがあって。
    ただ、まれにワンオペで子育てしている身としては、
    凄まじい復讐の物語に思えました。笑
    ワンオペで苦しんでいる人はこの短編を読むと
    夫に優しくなれるような気がする。笑
    少なくとも、私はそうだ。。。笑

    新作も出たことだし、心おきなく次は「持たざる者」を読もうと思う。

  • 不倫や浮気の話が多かった。結婚、ってね。

  • 金原ひとみの作品は好きでよく読むけれど、短編集はあまり読んで来なかった。
    サクサク読めて一日足らずで読んでしまった。

    試着室、が1番好きだった。

    どれもどこか不穏で自分の醜さも人の醜さも直視しなければならないような作品たちだと思った。

  • 素直な作品だった。
    どんな立場でもずっと一人なのに、一人で生きていられる人間でありたいと思う混沌について考えた。

  • 仮装が一番揺らいだ。
    自分の中にあるマッチョイズムを認識させられた。

    ずっと薄ら苦しいです。

  • 破滅的な含みのある大人の恋愛を描いた作品群
    これの前に読んだ作品が僕たちは大人になれなかっただったこともあり金原氏の筆力に圧倒された。やはり小説の文章はこれくらいの深度がないと物足りない。

    気に入った作品としては「仮想」が特に好みだった。
    突然家を去った妻と残された2歳の娘。子育てなど手にも負えないがやらなくてはならない苛立ち。
    男親と女親の思考的な差異やできる振る舞いとできない振る舞い、性差の引き起こすメンタリティが金原氏のエッジの効いた文体で流れるように描かれていく。
    後半の喪失感とそれまでに構築された男親像も構成として見応えがあり、金原文学らしい居心地の悪さを感じることができ面白かった。 

    金原氏の小説を読むと性別による思考差や恋愛感情による影響力をいつも意識させられる。
    登場人物の感情が躊躇なく素直に描かれており、その素直すぎるさまが金原氏の小説を引き立てているのだろうと思った。

  • 「青山」が一番好き。 

    だいたいの物語、好きではなかった。
    登場人物も、ストーリーも。
    それでも、評価は高めなのは、文体が好きだった。

    金原ひとみさんが好きになった。
    素直な文章。それによって、想像しやすい=面白くなる。
    絶妙な感情をストレートに書いてある。 好き。

  • 「仮装」が良かった

  • 不倫は男女で考え方が全く違うものなのか。。

    「アタラクシア」の前にこんな作品があったなんて
    こちらを先に読んでおけば良かったかも。。

  • 結婚のしんどい部分を取り上げてる短編集って感じ。
    全くの他人同士が家族になることの難しさを思わせる。
    これを見ちゃうと尚更結婚なんていいと思えないなぁ。

  • ”男とは一体何なのだろう。そして女とは一体何なのだろう。私にとって男とは、気分によって着たり着なかったりする、服のようなものなのだろうか。裸でいるのが恥ずかしいから着ているだけなのだろうか。そしてその服は、かっこ良かったり可愛かったりすればいいという、それだけのものなのだろうか。そんなはずはない、私は全身を焦がして愛している。強烈に愛している。でもその愛の行方が分からない。自分が、身をたぎる愛が、どこへ向かっているのか分からない。”

  • いろんな人の価値観があって、受け入れることの難しさを感じています。

  • ただ好きな人と幸せになりたかっただけなのに、
    何で幸せになれないんだろう。
    兄と妹の関係は不安定で結果的にはカナとキョウを近づけたきっかけにはなったが、永遠には続かない脆い関係でしかない。わかりあえないからこそ惹かれあうのに、そして憎しみ合ってしまう。
    そして想像よりもはるかに簡単に壊れてしまう。

  • いろんなカップルが短編として描かれているけれど、「小説のような」展開の人々ばかり。ハッピーエンドばかりを求めているわけではないけれど、幸せになれそうに思える話が少ないというか。

  • 初金原ひとみ作品。

    どれも主人公の内面を強いタッチで書いているため大変見応えがあって面白かった。

    個人的には「仮装」と「婚前」が好き。

  • 結婚を踏まえた人間関係を題材にした作品。どれも気持ちを持て余した人たちが出てくる。考えさせれる興味深い作品群だった。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2003年に『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞しデビュー。翌年同作で芥川賞を受賞。10年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、12年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、20年『アタラクシア』で渡辺淳一文学賞、21年『アンソーシャル ディスタンス』で谷崎潤一郎賞、22年『ミーツ・ザ・ワールド』で柴田錬三郎賞を受賞。他の著書に『AMEBIC』、『オートフィクション』、『fishy』、『パリの砂漠、東京の蜃気楼』、『デクリネゾン』、『腹を空かせた勇者ども』、『ナチュラルボーンチキン』『YABUNONAKA -ヤブノナカ-』など。

「2025年 『マザーアウトロウ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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