大きな熊が来る前に、おやすみ。 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 121
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101314815

感想・レビュー・書評

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  • ・・・これは本当に恋愛小説なの!?


    「暴力」を受けて育った人は
    大人になっても同じような暴力に晒されやすい。
    自分からそういう環境を選び、作ってしまうから。
    知らず知らずの間に 自らで選び取ってしまうから。

    「他の人にはそんなことしないのに
    キミにはしてしまう」

    腕を振り上げる側もまた、そうできる相手を
    無意識のうちに探し当てようとする。

    それはまるで、互いに魅かれあう
    恋人同士のようだ。

    己には抗えない大きな力に吸い込まれ、
    抜け出たはずの元の場所まで
    いとも簡単に戻ってしまう。。。

    表題作は、私にとって、
    恋愛小説の名を借りた恐怖小説だ。
    大きな熊が来るまで、ねむる?
    大きな熊が来るなら、逃げなきゃいけない!
    眠っても、熊は見逃してはくれないんだよ。

  • 酒井駒子さんの表紙が素敵。

    孤独で繊細で不器用な人がたくさん…
    でも島本さんの作品は親近感あって、好きです。

    自分に近いのは『大きな熊が来る前に、おやすみ。』
    息苦しい。でも私の気持ちを代弁してくれているから好き。
    この二人に大きな熊が訪れませんように…。


    『クロコダイルの午睡』は身分違いの恋というか…
    なんというーか…無神経、無意識に人を傷つけられる気持ちって
    痛いよね、ヒリヒリして心が千切れそうになりました。
    (昔、好きだった先輩を思い出してしまった…照)
    どう頑張っても無理だと。
    努力や想いだけでどうにもならない恋っていうのも恋だよね。
    切ないしつらい。


    『猫と君のとなり』でホッと癒されて、読み終えたので
    よかった。〆がこの作品でよかった。泣いちゃったよ。


    「食べる」が隠されたキーワードかな…と思いました。
    どのご飯シーンも温かい雰囲気で好きです。

  • 三つ目の話が好き。つめたい空気が足元にあたるような感じ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      酒井駒子の絵が好き、でも男の私には居心地の悪い世界でした。
      酒井駒子の絵が好き、でも男の私には居心地の悪い世界でした。
      2012/09/05
  • すごく美しい文章を書く人だと思うんだけど、短編で充分だよなと思う。甘さがなくて傷口にガンガン塩塗りこんでくる系恋愛小説だから(ナラタージュを読んだ時は途中で何回も長ぇ‥てなった)。
    共に何かを新しく作るためじゃなくて、自分に欠けている何かを埋めるためにしか恋をできない人ははたくさんいる。ベースには自己評価の低さとか肥大化した自意識とか、根底の部分で他人を信じられない事とかがあるのかもしれないけど、不安定で未来に希望を持てない恋はそれ自体に麻薬のような中毒性もあるのだろうと思う。傷口が治りきる前に何度も貼り替えてしまう絆創膏みたいだ。絆創膏を貼らないほうが治りが早い。でも傷は痛いから貼らずにはいられない。絆創膏だけを見て、痛みや傷口に無頓着になる。そして、見えない場所で傷口は膿んで広がっていく。
    辛い恋は自傷行為と同じで、緩やかな自殺願望なのかもしれない。

  • おいしいものを一緒においしく食べてくれるひとは素敵だ。
    だがこの3編の小説に出てくる男性たちは単に「いいひと」とは言えない面も持ち合わせているようだ。

    彼らと向き合う主人公たちの葛藤した思い。彼女らは被害者で、そしてときには加害者でもある。
    その中で解説の松永美穂さんが言われているように「荻原くんのやさしさ」に救われる。

    どれも重たい背景を抱えているストーリーなのだけれど、似た思いを抱えたことが誰しもきっとある。そう感じる短編集です。

  • ちゃんと島本理生さん読むのは初めてです!3編の短編入り。前から読みたいと思っていたら仲良しのお気に入りさんが送ってくれました!3編共、動物の名前が題名に入っています。恋愛小説ですが甘々ではなくて、それぞれ辛い過去を抱えていたりします。島本さんの文章は無駄が無く、なのに心理描写は丁寧に描かれています。重くなりがちな題材もとても読みやすいです。私は最後の「猫と君のとなり」が特にお気に入りです♪荻野くんが何だか可愛くて素敵でした(*^_^*)とても良かったです♪島本理生さん色々積んでるので読んでいきます♡

  • どうしてこの人はこんなにも。

  • 自分が持っている幸せについて、あらためて考えさせられました。

  • くまと父親。
    ねこと彼氏。

    くらいおはなしと恋愛。

  • 短篇3作収録。

    恋愛小説というよりも、その裏の孤独や葛藤などに焦点を当てた作品。
    私は、表題作が1番好きです。
    優しくて残酷。

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著者プロフィール

島本 理生(しまもと りお)
1983年東京都板橋区生まれ。都立新宿山吹高等学校に在学中の2001年に「シルエット」で、第44回群像新人文学賞の優秀作を受賞し、デビュー。06年立教大学文学部日本文学科中退。小学生のころから小説を書き始め、1998年15歳で「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第128回芥川賞候補、第25回野間文芸新人賞受賞(同賞史上最年少受賞)。2004年『生まれる森』が第130回芥川賞候補。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補。同作品は2005年『この恋愛小説がすごい! 2006年版』第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」第1位、本屋大賞第6位。2006年『大きな熊が来る前に、おやすみ。』が第135回芥川賞候補。2007年『Birthday』第33回川端康成文学賞候補。2011年『アンダスタンド・メイビー』第145回直木賞候補。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞受賞、『夏の裁断』で第153回芥川賞候補。『ファーストラヴ』で2回目の直木賞ノミネート、受賞に至る。

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