鉄路2万7千キロ 世界の「超」長距離列車を乗りつぶす (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.43
  • (7)
  • (17)
  • (24)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 164
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101315553

作品紹介・あらすじ

こんな酔狂な旅があるだろうか? 日本で夜行列車が廃止される中、世界で何日も走り続ける長距離列車を片っ端から走破してみよう! と旅立ったものの、風呂なしの日々に思いがけないアクシデント続発。インド亜大陸縦断鉄道から、チベット行き中国最長列車、極寒の大地を走るシベリア鉄道、カナダとアメリカ横断鉄道の連続制覇まで、JR全路線より長距離をのべ19車中泊で疾走した鉄道紀行。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 安旅、バックパッカー旅の旅行記でお馴染みの下川さんの著書。
    世界を何泊もかけて走る電車(しかも一番安い席)に乗る体験記です。
    インド、ロシア、中国、カナダ、アメリカの長距離列車の体験記を書いているが、だんだん食事が不味くなってくるのが意外。
    壮絶度はインドがやはり群を抜いて一位。
    快適さなどなく、本当に辛そうなのになんだかんだで楽しそうに見えるのは今までそういう旅をたくさんしてるのを知ってるからだろうか。
    自分では絶対に体験しないことなので読んでいていつも面白い。
    しかし達成感も感じられなくなってしまうくらいになってしまってるのは下川さんが歳をとったんだなと感じられ、少し切ない。

  • インド、中国、ロシア、アメリカの長距離鉄道にひたすら乗り続ける旅行記。
    どの路線も過酷。特にインドが恐ろしい。

  • 「裏国境~」「ユーラシア大陸~」の長距離列車の本を読んだのでこちらも。
    こちらは世界の各国の長距離列車に始発駅から終点駅まで一番安い席で乗るという。
    無茶も良いところな一冊。
    インドの列車が過酷すぎて強烈だった。
    カナダやアメリカは貨物を運ぶための線路になり、観光列車化している長距離客車はなんとか運行しているけれど風前の灯火なあたりが日本と状況が似ている。
    けれどアメリカの場合は貧富の問題や健康問題(肥満のため飛行機のシートに座れない人がいる)という側面もあり状況に違いがあるところが興味深い。

  • ふむ

  • 宮脇氏以外の鉄道紀行文が読みたくて本書を購入。著者が元祖バックパッカーだったということは管見にして知らず。世界には日本では想像できない長距離列車があった。インドの乗車率は酷い。一つの寝台に2人を寝せるだけではなく、通路にも隙間なく人が寝ている。取材ではなく苦行だ。中国は、服務員の厳しい管理に悩まされるが、チベットへ近づく時の星空列車は体験してみたい。ロシア・シベリア鉄道が、本書の中では鉄道旅を満喫できていた感じだ。カナダ、アメリカは、本書を読むと座席車での旅は厳しいのが分かる。還暦を過ぎた著者、スゴイ!

  • ・元祖バックパッカーの著者だからか、インドの章が一番生き生きとしてるように感じた。車内の密度や香辛料の香りが伝わってきた。ビザ代を払うための両替でビザがないから両替できない堂々巡りがおかしかった。
    ・インドやロシアといった輸送手段としての鉄道の方が食べ物が美味しそう。ロシアの松ヤニ風味ガムを食べてみたい。一方、展望席のあるカナダ、アメリカの食事はなかなか辛そう。
    ・飛行機と車の国アメリカだが、肥満で鉄道を使うしかない人も一定数いる。
    ・リクライニングでなく、二席分使って“腰を伸ばしたい”著者のこだわりに笑った。
    ・途中に挟まれる写真が抜群に良い。阿部カメラマンお疲れ様でした。 

  • 2020.08.02 カンタービレ読書会で紹介を受ける
    http://naokis.doorblog.jp/archives/cantabilebooks_travel.html

  • 超長距離列車の安価なクラスの旅。旅行記というより、各国の現実を肌で感じた記録。チベットの監視付き観光、シベリア鉄道に乗っている内に感じてしまったやるせなさ、ベラルーシの罰金、アメリカの肥満問題…
    超長距離列車の旅にしては、文章量が少ない? 長〜い時間を列車の中で過ごす退屈感は感じなかった。体験にかけた時間と釣り合うのか?と思ったが、元は「新潮45」でネット配信だったとのこと。そっちだともっとゆっくり時間が過ぎる感じを持てたのだろうか。
    「シベリア鉄道に乗ってみたい」と思ってたけど、自分には無理そう。シャワーなくて自力で食料調達して…とか、行動力が求められる。

  • 面白かった。著者の文章は下手だとか不平不満ばかりだというレビューもあったが、そんなことはなく、旅の雰囲気を十分に伝えてくれる。たしかに、いくらバックパッカーの元祖と言われたとしても、還暦の身で超長距離列車の貧乏旅行というのはきついだろうし、場合によってはグチも出るだろうが、旅行作家の意地なのか、これが生業と割り切っているのか、見るべきものをしっかり見て読者に伝えてくれている。
    今回は、インド、ロシア、中国、カナダ、米国の5つの代表的長距離列車に乗っているが、前半3つがやはり面白い。北米でも、その地ならではの事情が見えるのだが、何となく観光列車のような感じで、その点、アジア・ユーラシアのものはもっと生活感がある。特に、食べ物が、その土地ならではの感じがする。
    下川作品を読むのがこれが初めてだったが、ほかの著作も読んでみたくなった。

  • 著者は、長年格安の予算で世界を旅する旅行作家。今回は世界での上位ランクの長距離列車に乗り、各国の鉄道事情の違いを体験する。取り上げた国は、インド、中国、ロシア、カナダ、アメリカ。長距離列車と言えば、ロシアのシベリア鉄道位しか思い浮かばなかったが、世界には色々な長距離列車があるらしい。インドの生活路線から北米の豪華列車まで国によって鉄道事情は様々だが、著者の旅は格安の予算のため、一般席、一般寝台の厳しい旅となる。とにかく持て余す時間(退屈)と居心地の悪さ(混雑や相席)食料の調達、風呂に入れない辛さ等は、どの長距離列車も共通している。鉄道旅には、多くの制約があることを覚悟する必要がありそうだ。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1954年(昭和29)長野県生まれ。ノンフィクション、旅行作家。慶応義塾大学卒業後、新聞社勤務を経てフリーに。『12万円で世界を歩く』(朝日新聞社)でデビューし、以後、アジアを主なフィールドにバックパッカースタイルで旅を続け、次々と著作を発表している。『週末ちょっとディープな台湾旅』『週末ちょっとディープなタイ旅』(朝日新聞出版)、『旅がグンと楽になる7つの極意』(産業編集センター)、『沖縄の離島 路線バスの旅』(双葉社)など著書多数。

「2023年 『旅する桃源郷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

下川裕治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×