夜中にジャムを煮る (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 563
レビュー : 54
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101316550

作品紹介・あらすじ

土鍋でつややかに炊きあがったご飯のありがたみ、かき混ぜる両手が決め手の韓国料理の味わい。夜のしじまに、甘やかに漂う出来たてのジャムの香り…。つくるよろこびと食べるよろこび、どちらも大切にできる場所。それが台所。そこでは、いつだって新しい発見と笑顔が満ちている。食材と調理道具への愛情を細やかに描き、私たちの日々の暮らしを潤す、台所をめぐる17のエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 平松さんの文章は、いつもお腹が空く。
    丁寧に出汁を取ったりお茶を淹れたい気持ちにもなるし
    パパッと作るさりげない美味しさにも気づくことが出来る。

    食のエッセイなのに「今日は何も食べたくない」の章タイトル。
    それまで猛烈な食への探究心が綴られていたから、平松さんもそういう日があるのねと感じた。
    食べたくない気持ち、料理したくない気持ち。
    手間をかけても美味しいご飯が食べたい気持ち。
    その時の自分の気持ちを感じ取って、受け止める。
    それが、大人になることなんだなぁと思った。

  •  「食」にまつわるさまざまを語ったエッセイ集。読んでいる文字の裏側から、元気のいい「おばちゃん」の声が聞こえてくる気がする(あくまでも、私には、だが)。
     苦手だったモノたちを新しいやり方で捉えられるようになり、だんだん、あるいは大いなる尊敬をもって好きになれる。その過程の端々を感じてじぃん、とした。多大な苦労もおありだったと察するが、ときにしみじみさせ、ときにくすりと笑わせてくださる文体は、たしかに元気と勇気を与えてくれるものだと思う。
     巻末にはエッセイに登場した料理の作り方やお店の連絡先まで書いてあって、頭が下がる。実に、あっけらかんとカッコいい「おばちゃん」像を保たせてくれる楽しい読みものなのである。

  • 平松洋子さんの文庫本は電車の中で読むのにちょうどよく、読んでいて楽で、ちょっとした情報が入れられていて、けれど、読み終わったあとは内容をほぼ忘れてしまう。
    ずっとそう感じていました
    この本の「今日は何も食べたくない」を読むまでは
    娘の一言「おかあさん冷めちゃうよ、はやく食べてきて」の一文に泣かされました。
    食べることは切ない
    そう感じて…
    この感覚、前にもあったぞ?と
    辺見庸の「もの食う人々」を読み終わった時に感じた感覚だと思い出しました。

  • “食べたいときがあるのとおなじように、にんげん食べたくないときがある。食べなくてはちからは出ないが、食べたくないのはちからを出したくないときだ。”(p.229)


    “ようするに、ひとりで食べるということに、ことさらな意味を持たせるほうが面倒なのだ。いちいち一食ずつ楽しむ態勢に持っていくというのも、うっとうしい。空腹だけはさらりと避けておく、そのための知恵を繰り出すわけです。”(p.244)

  • 言葉の感触がとても好きで悶える一方で、平松さんの文章はもっと短めのエッセイの方が好きだということがわかった。

  • 久々に平松洋子を手に取ってみた。安定の内容。読み続けるとワンパターンで食傷してしまいがちだが、食のエッセイを読みたくなったら、平松洋子とか小泉武夫先生が間違いがなくていい(ショージ君は別格)。

    今回良かったのは「一人ご飯」と「食べたくない時のやり過ごし方」。グルメとは逆方向だが、きっと多くの人が直面するの食の課題。ここをこういう風に切り込んでくる平松さん、やっぱいいなぁ、と思った次第。

  • 自分はここ最近の平松氏のエッセイが好きなのかも...と思いましたが後半にやっぱりぐっときました。

  • 食に関するエッセー。
    お風呂の中で毎日1章ずつ読みました。
    旅行をとおして地域でその土地の食について観察して研究するだけじゃなくて、日々の生活に取り入れているところから食に対するこだわりがよーく感じられる。
    普通お家で七輪とか蒸し器とか、めんどくさくて使えないもん。
    でもジャムを煮る点については真似したい!と思った。

  • まさに「丁寧な暮らし」。
    こだわりに満ちた、けれど飾らない粋な食の風景…なのだけど、正直ちょっとクドいかな。描かれているそれは確かに憧れる素敵な生活ではあるのだけど「結局、自由業だからできるんですよね」って考えがどうしてもチラついてしまう。
    勤め人な私の生活にはレンチン調理とか麺つゆとかサ○ウのご飯とか、そういうものを完全に遮断することはやはりできない訳で。もう少し隙というか多少の抜け感があるほうが食エッセイとしては好きだな、現実的で。

  • 丁寧にご飯を作って食べようと思った

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著者プロフィール

平松洋子(ひらまつ・ようこ)
エッセイスト。東京女子大学文理学部社会学科卒業。食文化や文芸を中心に執筆活動を行う。『買えない味』で第16回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、『野蛮な読書』で第28回講談社エッセイ賞を受賞。著書に『夜中にジャムを煮る』『焼き餃子と名画座』『味なメニュー』『食べる私』『あじフライを有楽町で』『日本のすごい味』など多数。書評、文庫解説なども多く手がけ、本に関する著作としては『本の花』『洋子さんの本棚』(小川洋子氏との共著)などがある。


「2019年 『忘れない味 「食べる」をめぐる27篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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