看守眼 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1644
レビュー : 146
  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101316727

作品紹介・あらすじ

刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。自叙伝執筆を請け負ったライター。家裁調停委員を務める主婦。県警ホームページを管理する警部。地方紙整理部に身を置く元記者。県知事の知恵袋を自任する秘書。あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 久々に読んだが面白い。★5

  • 横山秀夫の短編集。
    留置所管理係として定年を迎える警察官、自叙伝執筆を請け負ったライター、家裁調停委員を務める主婦、県警ホームページを管理する警部、地方紙整理部に身を置く元記者、県知事の知恵袋を自任する秘書・・・様々な職業を通して描く、日常の謎的なライトミステリです。
    警察小説じゃなくても‥読ませます(^_^;)

  • *刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。自叙伝執筆を請け負ったライター。家裁調停委員を務める主婦。県警ホームページを管理する警部。地方紙整理部に身を置く元記者。県知事の知恵袋を自任する秘書。あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集*

    ごくごく普通の人の、誰にでもある昏い深部を炙り出すのが本当にお上手。同じ事柄でも、見る側面を変えればこうなるんだ!と唸るばかり。誰にでもある側面ゆえに、そのやるせなさや諦観までも共感できてしまうので、読後感は少々寂しいですが。

  • 日常に潜むミステリーや心理的なサスペンスを扱った短編集。
    どの作品も「謎」をうまく盛り込みながら、文章で読者を引き込んでいく。日常のちょっとした言動の中に謎への糸口があったり、人間の深読みから心理的に追い込まれたり、思
    いも寄らない過去の言動で現在が脅かされてしまう、など…
    さすが横山秀夫だと感嘆してしまうプロット構成と文章の巧さで、どの作品も一気に読んでしまうたくなる。

  • 警察、新聞記者などが主人公の短編集。大仰すぎない仕掛けがいい。

  • 元警察の留置管理係、フリーライター、家裁調停委員、県警のホームページ作成者、地方新聞の元記者だった整理部員、知事秘書たちの業務からちょっとした事件を主人公の洞察、気づきを主題にした。読みやすくおもしろい。2018.7.18

  • 短編ミステリー6作
    横山さんの短編は、短編なのに人間の奥深いところまでをえぐる描写で、その奥深いところのさまざまな心理、感情を描き出すところがすごい!
    また主人公も警察関連だけでなく、いわば平凡な人たちがメインで、その暮らしの中から奥深い感情があぶりだされてきます。

    収められている物語は
     看守眼
     自伝
     口癖
     午前五時の侵入者
     静かな家
     秘書課の男
    の6編です

    ・看守眼
    刑事になれなかった看守の物語
    短編ながらストーリがすばらしい
    主婦とその不倫相手の男からなる事件の真相を看守の眼から明らかにします。
    主婦の失踪に対して、不倫相手の男が殺害容疑で逮捕されるも証拠不十分で、不起訴。
    釈放されたその現場で、怒った夫が、復讐するために不倫相手の男を殺害しようと襲い掛かるが、逆に返り討ちにあってしまい、殺されてしまった事件。
    その不倫相手の男の拘留期間中の行動を見ていた看守が、この事件の真相を探るというストーリです。
    最後に明らかになる真相もすごいですが、さらにそれに続く女の強かさも深い。

    ・自伝
    自叙伝の執筆を請け負ったライターの物語
    自伝を独白する大企業の会長は「30年近く前に愛する女を手にかけた」と自白。
    その言葉の真意は?そしてライターの生い立ちと合わせて、ライターが出した答え。
    そして悲哀..

    ・口癖
    家裁調停委員を務める主婦の物語
    離婚調停にきた女は、高校時代の娘の同級生。高校時代に娘が不登校になった原因と思われる女。その女の離婚への内情を察し、優越感に浸っていたところから急転直下の展開に。
    「それしきのこと」が口癖から暴かれる娘の過去..
    悲しく、苦い話でした

    ・午前五時の侵入者
    県警のホームページを管理する警部の物語。
    午前五時に県警のホームページが何者かに改ざん。担当の警部はその隠蔽を画策して、対応に追われる。そして、ページを改ざんした犯人に突き止めるという展開。

    ・静かな家
    地方紙の整理部に身をおく元記者の物語
    個展の終了日を過ぎて掲載してしまったその個展の案内記事をめぐって、巻き込まれた殺人事件のアリバイ。
    さらに、自分の失態を隠すべくとってしまった行動が傷つけてしまった女性などなど。
    サラリーマンの悲哀が感じられてしまう物語

    ・秘書課の男
    県知事の秘書の物語
    県知事が自分に対して冷たくなったと感じ始めた主人公。
    自分自身の問題行動を県知事に知らしめたのは誰か?
    若手のスタッフなのか?
    疑心暗鬼になりながら、明らかになった、真実は..
    男の嫉妬、そして女の嫉妬がキーとなる物語ですが、最後は逆にさわやかになりました。
    ありがとうは赦しを請う言葉


    っとどれもこれもとてもよい物語でした。
    やっぱり横山秀夫は短編ながらもすごい
    お勧め!

  • 横山秀夫、やっぱり好きです。「教場」のような雰囲気を持ちつつ、それよりも世界が練りこまれていて、洗練されたミステリーに感じる。決して押し付けがましくもなく、慎ましく、それなのにダイナミックな結末が用意されたショートショート。すごく謙虚な人なんだろうなあ。謙虚って大切だ。謙虚に生きねば。

  • 好きです!

  • もしかすると日本人にだけ分かる感覚なのかも、この作家の描く組織への愛憎交えた帰属意識は。
    何故そこにとどまる?って発想ばかりなんだけれども、現実感をもって差し迫ってくる横山節はこの短編集にも確かに存在しております。まぁ若干筋立てが粗いのかな?って気がしますが、意外にこの作家、ストーリーの構成は?ってなところがありますから。というより、この作家の真価はそこには無いということです。

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著者プロフィール

横山 秀夫(よこやま ひでお)
1957年東京都生まれ。国際商科大学(現・東京国際大学)卒業。1979年に上毛新聞に記者として勤務。『ルパンの消息』でサントリーミステリー大賞佳作を受賞したのをきっかけに退社。以後フリーランスライターとして活動。1998年「陰の季節」で第5回松本清張賞を受賞し小説家デビュー。2000年『動機』で第53回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。2002年『半落ち』が「このミステリーがすごい!」1位となり、第128回直木賞候補作となるが、そこで起きた様々な論議から、直木賞決別宣言を出すに至る。『半落ち』は2004年に映画化されて高い評価を得ている。その後、2004年『クライマーズ・ハイ』で第1回本屋大賞第2位、映画化されヒット。2013年刊行の『64(ロクヨン)』で第10回本屋大賞第2位、「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」各1位を勝ち取り、大ヒットとなった。

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