看守眼 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.50
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本棚登録 : 2208
感想 : 177
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101316727

作品紹介・あらすじ

刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。自叙伝執筆を請け負ったライター。家裁調停委員を務める主婦。県警ホームページを管理する警部。地方紙整理部に身を置く元記者。県知事の知恵袋を自任する秘書。あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 今回のは、警察関係者以外も主人公にしてる短編集!
    まぁ、いつもの如く、警察関係者の時も刑事とかメインどころやない人が主人公。

    タイトルにもある看守さんは、確かに、加害者を長時間看るという意味では、そうだし、相手の気持ちも刑事さんより分かるかも?

    それぞれ、インパクトのあるのではないけど、主人公の心の機微を上手く表現してる感じ。

    誰でもありそうな事で、自分ならどうするやろ?と考えながら…まぁ、職業的にはあんまりないんやけど、シュチュエーションがね。
    感情移入しながら、面白く読めた〜!

  • 6作品収録の短編集
    この作品では警察関係者じゃない人が主人公の
    話が多かったですが
    いずれの話も楽しめました
    でもやっぱ警察小説の方がいいかも
    この作品もよかったですよ

  • 200年代の短編小説なのに、なぜか1980年代の香りがする…

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    横山秀夫さんの小説というと、警察もののイメージが強かったのですが、こちらは警察も・裁判絡みのお話は表題作「看守眼」と「口癖」「午前五時の侵入者」の3編でした。
    どのお話もミステリーではありますが、表題作「看守眼」は、読後感が今ひとつでした。ある事件を定年間近の留置管理者・近藤が追うお話ですが、ラストで真相が語られ、近藤が犯人とどういうやりとりをするのかは書かれないまま、お話が終わります。
    近藤の行く末は読者の手に委ねられたわけですが、わたしにはそれが中途半端は終わり方に感じられてしまい、近藤の人生も中途半端な印象をもってしまいました。

    「自伝」と「口癖」は、この始まりがそういうラストになるの?!とびっくりし、短い中での予想外の展開にやられたーと思いました。
    最後の「秘書課の男」は、どちらかといえばミステリーというよりも、人情を感じる短編映画のような趣でした。

    どのお話もタイトルが内容としっかり呼応していて、「だからこのタイトルなんだ」と納得できました。
    濃厚な煙草の煙のなかに入り込んでしまったような、そんな短編集でした。

  • 短編6。

    どの話も身近な出来事ではないかもしれないけれど、誰もが落ち入りやすいような心境が書かれている。

    だから…

    この主人公はこう考えたんだ。こんな行動をとったんだ。と、それぞれの主人公を妙に身近に感じた。

  • 5年ぶりぐらいに横山秀夫の短編集を読んだ。流石だ。横山秀夫の短編に駄作は存在しない。唸るほどの傑作はなかったが、全て何かを残す佳作ばかりだった。

    今回は警察小説ではない。表題作は、警察の部内報担当の女性と看守が出たのみ。あとは、フリーのライター、家裁調査官、県警情報管理課、新聞社の整理部、県知事秘書という表舞台に立たない人間ばかりにスポットを当てている。組織の中で居場所を探し、保身を考え、それでも仕事にどこかで誇りを持っている。そんな人物を描く事がまっこと上手い。
    2013年3月3日読了

  • 横山氏は「半落ち」や「クライマーズ ハイ」、「臨場」など映画化やドラマ化されている物の原作者です。

    この本は6編からなる短編集です。
    ミステリーですが、最後の最後までドキドキする展開のものばかりでした。
    特に一番最後の「秘書課の男」が深みがあり面白いと思いました。

    何作か横山氏の作品を読みましたが、なんとなく横山氏の作風が分かってきたように思いました。
    これからも横山ミステリーを読んでいくつもりです

  • 3.7
    横山秀夫の本はドラマを見るようにさぁーっと読んでしまう。
    先が読めない推理小説であって、人情小説のようでもあるから面白い。

  • 短編だし、くどくどと描写されているわけでもないのに、何故かあっという間に登場人物が自分の目の前で動き出す。
    著者のそういうところが凄い。
    「人」を描くのが本当に上手い。
    (本書は私の感覚では「サスペンス」でも「お仕事小説」でもない)

  •  表題作「看守眼」を含む6編収録の短編集。
     県知事の秘書、地方新聞の整理部にいる元記者、県警のHPを管理する警部など、様々な職種の人が経験する「なぜ?」を切り取ったミステリー。
     身近なところに疑問が転がっているのだなと思うし、それが時に自分自身を謎で追い詰めていく元凶でもあるのだなと思えてしまう。一旦疑いだすと、なかなかその疑いを晴らすことができないのも人間くささである。そのあたりが非常に印象に残る作品集である。

  • 横山秀夫ファンとしてはイマイチだったかも。
    第3の時効とか動機と比べちゃうと、インパクトに欠ける話が多かった気がする。
    ただ表題作の看守眼はめっちゃ良かった。
    普通に面白かったけど、この作者の短編集ってだけでハードルが上がってたので☆3にします。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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