看守眼 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2208
感想 : 177
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101316727

感想・レビュー・書評

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  • これぞ短編集、という感じで1つのアイデアをきちんと綺麗なストーリーにしている。なかなか日の当たらない職業の人にスポットを当てて、そこから話が膨らむので、新鮮な気持ちになり、非常に贅沢な1冊だった。
    横山さん原作のドラマや映画しか知らなかったが、本も読んでいこう。

  • 定年間近ながら長年勤めてきた看守の犯罪者を視る眼で真の犯人を追う「看守眼」(流れは定年間近の人たちの警察社内報の記事依頼から来ているが)他、6編の短編小説集。横山秀夫は短編でもプロットを練っており非常に楽しめる。どれも面白かった。最後の「秘書課の男」は上司に嫌われる気持ちが誰にでも経験あるのでは(その元を作った犯人はやはり最後にあっと言わせるけど)。

  • 「看守眼」
    「自伝」
    「口癖」
    「午前五時の侵入者」
    「静かな家」
    「秘書課の男」

    六編収録。
    「看守眼」以外は読んで嫌な気持ちになった。
    欲とか妬みとか人間の醜さをまざまざと見せつけられる内容ばかり。
    「自伝」の只野や「口癖」のゆき江、「静かな家」の高梨などその気持ちが理解できる故に腹立たしかった。

  • 今回も作者への期待を裏切らない深い内容です。短編なのにそれぞれ様々な要素を包含しており味わい深いです。
    サラリーマンが持つ矜持の作品が多い。
    2作目の「自伝」が思わぬバッドエンドだったのでその後の作品は最後まではらはらしながら読め、結果的に心地よい読了感に繋がる。自分の社会生活と被るような作品もあり心揺さぶられる。起承転結が鮮やかで作品世界にのめり込めた。
    好みは「秘書課の男」「静かな家」あたりかな。「看守眼」の乾いたオチも好きです。

  • 登場人物たちの強い思い、心の揺れが短編と思えないくらいじっくり伝わってくる。文体の心地よさもあり、大満足です。

  • 2019/11/17

  • ミステリ短編集。刑事志望だったのに看守になった警察官、忠実に政治家に連れ添っていたのにハブられた知事など、それぞれの主人公はどこかツイていない。またそれぞれの話の終わりもハッピーエンドではない。そんな内容だから清々しい読了感はないのだが、感情移入してしまう不思議な小説。スーパーマンでなく平凡な人であっても、それぞれの人生を全うすることに意味を感じる。

  • 安定の素晴らしさ。

  • どの話も、主人公は普通の人、良いところもあり、ちょっとした嘘をついたり誤魔化したりする少し悪いところもある、中途半端な人間。それだけに、感情移入しやすいし、ずしんとくる。ドラマのように明朗解決でスッキリというわけではないが、暗いままではなく救いがある。独特の世界観がある。

  • 花形ではなく、裏方の職種(失礼だな)が主役のミステリーというのがポイント。
    面白い視点でストーリーが展開して楽しめました。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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