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Amazon.co.jp ・本 (199ページ) / ISBN・EAN: 9784101318134
感想・レビュー・書評
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旅をするのには色んな理由があるけれど、この人の原動力は好奇心だと思う。
世界との距離感がちょうどいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
旅好きで有名な池澤夏樹氏の有名な旅エッセイ。
作者の父親:福永武彦の『草の花』は10代の頃に読んで感銘を受けたものでしたが、池澤作品は初読みです。
旅も動物も大好きな著者の書く文章が、自分にとって面白くないはずがありません。
旅の面白さだけでなく、旅と居住の違いや、外から見た日本と日本しか知らない日本人の知識や意識のギャップなどが描かれていてとても面白い。
やはりツアーに乗らない自由な旅は格別です。
時折頑固さが垣間見える池澤節にも好感が持てました。
さあ私も旅に出よう。次はどこに行こうかな。 -
旅にまつわる短いエッセイ。
北海道からイスラエル 、コロンボ ギリシャ…と実に様々な所に行っていることにまず驚く。その数々の経験から書かれるエピソードは 旅慣れした人だからわかることも多く 旅が苦手な私には羨ましいかぎり。中のイラストも雰囲気ぴったり! -
旅をするひとは、出会いと別れを繰り返す頻度がわれわれとは段違いに多いから、いろんなことに対して執着せず、しかしだからといって虚無というわけではないというか…泰然自若としていそう。
世界の大きさを知っていて、むやみにささいな怒りや苦しみにこころを囚われさせない。するりと風のようにかわすすべを身につけているのかも。
いろんなものを見て、さまざまな空想を働かせてあそぶ心の余裕は、
羨ましくなるほど。
わたしもこんなふうに、ゆったりとかまえていたいものだ。 -
旅にまつわるショートエッセイがたくさん。雑誌連載がメインらしく、気楽に読める。すごいたくさん旅行してていいなー。亜熱帯への憧れは非常に共感するので、「空気が匂いそのもの」などの描写に深くうなずく。そして行きたくなる。
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世界各地を周り、ギリシャ、沖縄、そして現在はフランスに住居を構える池澤夏樹氏が旅先でのことを記した短篇集。普通の人なら記憶にも残らないような些細な出来事から、ここまで論理展開してしまえるのが、すごい。
そして個人的には、本編もさることながら巻末にある作家松村栄子氏の池澤夏樹という人物の解説が、的確でおもしろかった。 -
解説の、「男の子だなあ、と思ってしまう。」という感想。
「だからどうした!?」とも言えるのだけれど、
でも、別にどうもしないけど、そう思っちゃうのよ、というのもわかる。
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池澤夏樹=「理系」っぽい
ってイメージでいたのですが、
どうもこのひとは、旅の作家でもあるらしい。国内からヨーロッパ、アフリカまで足をのばして。
旅する理由、みたいなものが一切書いてないあたり、とか。
(村上春樹は、以前「趣味:旅行」という紹介をされて驚いた、と書いていたけれど。
ただ定住先を求めた移住を繰り返しているだけ、とか。
池澤夏樹は明確に、旅と自覚した旅をしている。)
あ、でも。
「(那覇に)着くとすぐにとりあえず公設市場に行く。
色の鮮やかな珊瑚礁の魚屋、すっかり解体されて手の込んだ調理を待っている豚の間を抜けて、
二階へのエスカレーターに乗り、なじみの店でまず昼飯を食べる。
東京でも食生活には(自作も外食も含めて)ずいぶん精力を注いでいる方だが、それでも那覇で何かを食べると、安心する。
ここでなら何を食べてもいい。ここには虚飾の食物は一切ない。
そんなわけで、必ず昼食を食べに行く店が何軒か。
夕食の店が何軒か。夕食の店が何軒か。その後で友だちと飲む店も決まっている。民謡酒場もある。
そういう習慣自体は東京と同じだが、それぞれの店で出てくるものの味と質はずいぶん違うのだ。」
(「亜熱帯への恋情」183項)
この「馴染み」感。
何か、土地とか店とか。クタクタに着込んだ服装への愛着とか。
ごくありきたりの日常を充実させることへの、「こだわり」というほどのゴツサのない思いいれ。
どこにいても(どこに行っても)ちゃっかり巣作りできる人種。
世代論は乱暴だけれど。
こういうひとたちが強い個性を放っていた時代に産まれ。
過剰なイメージと自意識に縛られて身動きもできず。
一世代前より遥かに進歩した航空路線にも乗れず、一世代前が、ささやかな、しかし等身大のモノとして描いた「日常」にも適応できず。
ひたすら感情を鬱積させ、総務課長をしながら遂に見事なちょび髭おやじ化した、ほむりんを想う。
(穂村弘さんは、すばらしく鋭い歌人兼エッセイストです。ええ。)
つまり春樹はパスタ茹でてるだけかもしれないが、しかしそのパスタはただのパスタではないのである。
(回収できなくなった。) -
02/07/08
インパラは足元を確かめることもなく転ばずに起伏に富んだ野を駆る。
人は足元や自分の位置を確認しなければ歩くことさえままならない。
このひとのような感覚で旅が出来れば世界はどんなに素晴らしいかと思う。
だからこそ、人に許されることがあって、しなければいけないことがある。
このエッセーと関係ないような気もするけれど、そんな言葉が浮かんできた。 -
著者のエッセイは読んでいて面白い。その面白さの根源にあるのが著者の目の付け所であろう。そんなことを感じる一冊。でも中身にはそんなに惹きつけられなかった。
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旅行をテーマにしたエッセイ集。国内、海外、いまだ行ったことない場所への空想の旅、それらを語るこの人の語り口はとても柔らかくて、訪れた場所への愛情の感じられるすてきなエッセイ。小説も含めて、この人の平明な言葉の温かさは大好きです。
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4P一区切りのエッセイ集。話のネタがいろいろな国からなのでちょっとした気分転換、意識だけの国外脱出にいいかも。
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<購入>2004年10月、同じ著者が書いた『スティル・ライフ』を読んで、この著者が書いた本を読んでみたくなった。<感想>旅行記とは異なるか?旅行者の視点から、行く先々の街や村を観察し、自分の内面と照らし合わせていく。景色やそこに住む人の描写よりも、自分の内面を語ることが多い。いろんな国の飛行場の話や道についてのエピソードは、ユーモアもあっておもしろい。しかし、何箇所かにある文明批判のようなものは、おもしろくない。内容には、旅行者として宙に浮いた存在であることを楽しみながらも、その土地に受け入れられない、疎外感もつきまとう。
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