オキナワなんでも事典 (新潮文庫 い 41-9)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101318196

感想・レビュー・書評

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  • アキサミヨー!デージー「チムどんどん」する(驚いた!凄くドキドキする)。とまぁ、なんちゃって➡︎ウチナーグチ(沖縄の言葉)が今、朝ドラ受けてプチブームさー。➡︎は辞典の項目になってるさ。

    文庫本は2003年発行でも、元は92年「とんぼの本」として➡︎ヤマト(本土)の執筆者で書かれた小さな辞典だった。その時の執筆者に故鶴見良行の➡︎糸満の詳細な漁業レポートがあったり、故筑紫哲也の➡︎イラブー(海蛇の燻製)の文章があったりします。それだけで一編のエッセイのよう。➡︎離婚率全国一、失業率や➡︎琉球処分を書いたのは、その頃は未だ新進気鋭の研究者だった上野千鶴子や小熊英二だったりします。椎名誠は➡︎泡盛を書いている。

    そのあと、好評を得て大幅に項目を増やし➡︎うちなーんちゅ(沖縄の人)の執筆者に思いっきり書いて貰ってCD‐ROM出版となったのを、更にWEB版にして、それを少し項目減らして文庫本にしたのが本書。それでも、早、20年前の出版だから、池澤夏樹が➡︎きっぱんという有名お菓子が那覇の松尾消防署向かいにある「謝花きっぱん店」でしか作っていないという情報は未だ有効なのかどうか?(←有効みたい)

    1番記事数が多いのは、やはり92年直後に沖縄在住になり暫く住人だった池澤夏樹。彼の文章はやはり面白い。➡︎カーブ(昆布)の歴史から琉球の昔から現在までを照射したかと思うと、➡︎石敢當の説明、➡︎島バナナの美味しさ(←痛みが速く➡︎ヤマトでは流通していない)、知念村にある沖縄で1番名門の➡︎斎場御嶽(セーファウタキ)←一度行ってみたい!、池澤解説➡︎ニライカナイも興味深い。

    他にも面白い項目はいっぱいあった。

  • 沖縄の文化、歴史、人物などを事典形式で紹介。
    「事典」というタイトルだが、各項目の説明はどちらかというとエッセイに近いような気がする。執筆者それぞれの思いもこもっていて、読み物としておもしろい。

    個人的には「死亡広告」の謎が分かって良かった。

  • (2005年1月登録)

    (2020年7月)
    6年ぶりに沖縄に遊びに行って、帰ってから読みたくなったので開いた。
    あの独特の形のお墓のルーツは中国大陸にあるのかー、とかとか面白い一冊。

    (2022年4月)
    先月に沖縄に行ってきたので、カバンの中に入れておいた一冊。
    道中パラパラめくったりした。
    ・ボクシングジムがあるのを見かけて、「渡嘉敷とか具志堅用高とか、沖縄出身のボクサーが多いイメージあるけど、なにか理由があるのかなーと思って『ボクシング』の項を読んだり(ちなみにこの本には載ってないけど、沖縄はハンドボールも強いらしい。移動中、小学校に「ハンドボールクラブメンバー募集」みたいな掲示があるのも見た)。

    ・沖縄の離婚率が高い、というのは前からニュースなどで知っていたが、『離婚率全国一、失業率』の項を読むと、背景には女性の強さ、女性同士のコミュニティの強固なつながりがある…と。なるほどなあ。

    ・今回の旅行中もレンタカーから墓地が見えて、11歳児Fが「あれは何?」と聞くものだから、「あれは沖縄のお墓だよ」と話した。『亀甲墓』の項を再読したり。女性が股を広げたデザインで、穴は産道、母体回帰をイメージしたもの。沖縄戦では防御基地(トーチカ)として利用されたとか。

    (2023年8月)
    沖縄旅行のおともに。
    ホテルの琉球舞踊のステージに黄色い服を着て被り物をかぶった福の神が出てきた。それを見てギャン泣きする幼児がいてほっこりしたのだが、帰りの機内でこの本をめくって『ミルク』という神様なのだと判明。
    『田芋』という琉球料理のお店を訪れたので『田芋』の項を読んだり。「たーんむ」と読む。お店で田芋料理三点盛り合わせ食べたのおいしかったなあ。ドゥルワカシーも。
    日本史の教科書に載ってるような用語もちょいちょい載っていて勉強になりました。

  • 執筆者は沖縄在住・在外者、合わせて総勢102名。
    形式は事典でも、各項目がエッセイになっているので、
    かなり読み応えありました。
    いろいろタメになりますが、
    「たるけん」こと垂見健吾さんの口絵写真が
    殊に雄弁で素晴らしい。

  • 沖縄はあまり興味のない土地だったが
    突然旅行することになり、事前学習した中の一冊。

    気候、動植物、食事、社会、伝統文化などなど
    項目は多岐にわたっていて読み物としてもおもしろかった。
    まえがきに「事典の形をしたエッセイ集です」とあるように
    いろんな人がそれぞれのテーマについて気の向くままに
    筆を進めたという印象。

    執筆者の中には著名人もちらほら。たとえば、、、

    アンガマ(水木しげる)、泡盛(椎名誠)
    大島紬(澤地久枝)、亀甲墓(佐木隆三)
    金城次郎(筑紫哲也)、高等弁務官(大田昌秀)
    尚王朝(陳舜臣)、チャンプルー(沢野ひとし)
    宮古上布(高樹のぶ子)、離婚率全国一、失業率(上野千鶴子)
    琉球処分(小熊英二)

  • 作家が編む事典、というだけで面白い。
    完全に事典の体なのだけれど、一つ一つのキーワードに対する文章が、
    人に読ませる仕様でちゃんと書かれているので、なんとも面白く読み
    応えがある。
    オキナワを知る上で必要なキーワードが十分網羅されており内容は
    非常に充実、
    沖縄へ旅もしくは住む前には必読。

    著者にとって、本当に大切かつ縁深い場所なのだなぁと、改めて。

    こういう趣旨の事典が、もっと色々な場所バージョンであったら面白
    いなぁと思う。

    • lovefigaroさん
      読んでみます。
      読んでみます。
      2009/05/23
    • Michiruさん
      そうなのですね!
      次々と読みたいです☆
      lovefigaro様、是非!来沖共々。

      bluemoonさん移住本気だったことがあるので...
      そうなのですね!
      次々と読みたいです☆
      lovefigaro様、是非!来沖共々。

      bluemoonさん移住本気だったことがあるのですか!
      でも貴方様には鎌倉があります☆
      bluemoonさんの為にあるかのような、不思議な
      素晴らしい場所。
      沖縄と少し似ていますよね。
      2009/05/23
  • 色々な執筆者のエッセイでかたちどられるこの事典はどこから読んでも沖縄の愛に満ち溢れています。


    沖縄の違った一面、沖縄だけの表現。

    海とサンゴ礁だけでない新しい発見が満載です。

    行った事の無い人には沖縄の魅力を。

    一度でも行っている人にはさらに嵌る要素を存分に秘めたこの本。

    最初から読むも良し。

    関連事項へと拾い読みするも良し。


    沖縄の誘惑があなたを待っていますよ。

    おいらも行きたぁいwww

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著者プロフィール

1945年生まれ。作家・詩人。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞。他の著書に『カデナ』『砂浜に坐り込んだ船』『キトラ・ボックス』など。

「2020年 『【一括購入特典つき】池澤夏樹=個人編集 日本文学全集【全30巻】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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