宰領 隠蔽捜査5 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 625
レビュー : 83
  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101321608

作品紹介・あらすじ

衆議院議員が行方不明になっている。伊丹刑事部長にそう告げられた。牛丸真造は与党の実力者である。やがて、大森署管内で運転手の他殺体が発見され、牛丸を誘拐したと本庁に入電が。発信地が横須賀市付近という理由で、警視庁・神奈川県警の合同捜査が決定。指揮を命じられたのは一介の署長に過ぎぬ竜崎伸也だった。反目する二つの組織、難航する筋読み。解決の成否は竜崎に委ねられた!

感想・レビュー・書評

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  • 愛すべき変人、5たび活躍す。

    ブクログをふり返ってみると、直近に今野敏の文章を読んだのは、なんと2年半前。
    久しぶりの今野敏で久しぶりの「隠蔽捜査」だったが、やっぱり面白い。
    いや、「ものすごく面白かった」、と言い直さねば。
    シリーズ屈指のリーダビリティで、ほぼ一気読みに近い勢いで読了。

    直前に読んだ作品がまた、ダラダラと心理描写がしつこくて読みにくかったからという反動もあるが、、、。

    不必要な心理表現や冗長な説明的記述がなく、世相に迎合した芸能ネタも挟まれず、刻一刻と展開していく事態を淡々と、かつテンポの良い描写の積み重ねで描いていくこの文体というかスタイルというか、、、好きだな。

    神奈川県警捜査一課長の態度の変化・・・は、シリーズのファンにはニンマリもの。巻末解説文よろしく、水戸黄門の印籠と同じで、そうなることは分かっていても、それでも「待ってました」と思わされる(笑)。

    愛すべきワンパターン。信頼に足る予定調和。


    誘拐犯の動機の“軽さ”に、やや鼻白みかけていたところで、

    「待て、それだけか?」

    との竜崎の一言で、事態は更なる急展開を見せる。





    ・・・・そこが、416ページの文庫本の、、、、
    なんと、P399の時点。

    残りは10数ページ。えええええ?????
    ここから、どう決着つけるのかしら?????

    と驚くも、、、、そこはあっさりと、だけども十分に納得のゆく結末。さすが、今野さん。


    ★5つ、限りなく満点に近い9ポイント半。
    2018.03.01.古。

    気がつけば「隠蔽捜査」、「7」まで刊行されてたのね。「5.5」も含めるとあと3冊も読めるとは…幸せ。

    ※なにげに戸高くんがけっこう好きなのだけど、今回はあまり出番が無く…残念。

    • chie0305さん
      こんにちは。乃南さんのおすすめ本、ありがとうございます。暗い本が続いたのでちょっと元気になったら読んでみますね!
      こんにちは。乃南さんのおすすめ本、ありがとうございます。暗い本が続いたのでちょっと元気になったら読んでみますね!
      2018/03/07
  • シリーズ第6弾。文庫で再読。

    相変わらず、竜崎と伊丹の好対照のコンビは良い味を出している。今回も堅物の竜崎の活躍が描かれるのだが、竜崎を陰で支える伊丹の活躍も光る。

    大森署管内で発生した国会議員の誘拐事件。犯人の潜伏先が横須賀と判明し、警視庁と神奈川県警が合同捜査を行う。そして、指揮本部の大森署に対して前線本部となった神奈川県警を大森署長の竜崎が指揮を執ることになった…

    今回も竜崎の推理と判断が冴え、それも読みどころの一つなのだが、犬猿の仲にある警視庁と神奈川県警の確執を竜崎がどう切り崩すかも面白い。

  • お気に入りのシリーズも5作目。
    読みやすいので、少し読むのを延ばしていました。
    一気に読み終わっちゃうので、もったいないから☆

    大森警察署の署長・竜崎伸也は、もとは警察庁の官僚という大変なキャリア。
    おそろしく堅物なのだが、合理主義者なため、じつは現場でも有能な男なのだ。

    警視庁の刑事部長の伊丹俊太郎から、衆議院議員の牛丸が行方不明になったという連絡を受ける。
    牛丸を誘拐したという電話があったが、神奈川からだったため、合同捜査が決定する。
    じつは神奈川県警と警視庁は犬猿の仲?
    前線本部に派遣された竜崎は、ピリピリした空気の中、本部がいっこうに機能していない様子に驚かされることに。

    折りしも、竜崎の息子は浪人中で受験の時期を迎えており、家族も緊張していた。
    そんなときに家を離れることになってしまったのだが‥
    周りにはその心配を隠しているが署員にはバレバレの事情も抱えつつ。

    横須賀で、対抗意識を剥き出しにする県警の刑事に手を焼きながらも、合理的に捜査方針を決めていく竜崎。
    その判断の妥当さで捜査が進んでいき、当然のごとく、土地勘のある地元民を立てるやり方もとっていきます。
    いつの間にか、納得していく刑事達。
    そして、神奈川県警のSTSが現場で待機するクライマックスへ。

    竜崎以外の人物がちょっと、おばかさんに見えてくるきらいはありますが~
    ぐいぐい楽しく読めます。
    幼馴染の伊丹との関係も、頑なな竜崎に対して伊丹の片思いっぽいのだが、相変わらず何となくにやにやさせられます。
    そして、奥様のさすが、しっかりした賢夫人ぶり。
    竜崎の考え方のスッキリしているところが、何と言っても、いいですね!

  • 期待を裏切らない面白さ。伊丹の「あとは俺に任せろ」は、決めセリフだな。お互い本当にいいコンビだ。

  • こんな人物が身近にいるとやりにくくて仕方ないのでは・・・という触れ込みですが、複雑に絡み合った感情や人間関係を彼独自の思考でシンプルに整理しながら進むあたりは見事です。思っていてもなかなか実行に移せない人が多い中(自分も含めて)、読み進むたびにスッキリ感が充満してきます。その中で竜崎と、家族・大森署内の、そして神奈川県警の前線本部などなどの人間関係の中で、やっぱり伊丹との関係は何とも言えず光っています。

  • 同期で幼馴染みである伊丹刑事部長から「衆議院議員と連絡が取れなくなっている」という連絡を受けた大森署の署長の竜崎。
    衆議院議員の足取りを追い始めた矢先、その議員の公用車が乗り捨てられているのが発見され、その中から運転手の他殺体が発見される。
    やがて、その衆議院議員を誘拐したという男から入電が。その発信地が神奈川県内ということが判明し、神奈川県警内に前線本部を設置することが決定した。
    伊丹からその前線本部の指揮官を命じられた竜崎は神奈川県警に赴くが、警視庁と神奈川県警の間は昔から反目し合う間柄であった。

    2016年6月29日読了。
    久々の隠蔽捜査シリーズです。
    やっぱり、竜崎、カッコイイなぁと痺れてしまいました。
    伊丹との関係性がさらによくなっているのも、またいいですね。竜崎はまるで変わっていないのに、伊丹が竜崎をより信頼している感があって、とても微笑ましくなりました。
    一作目で崩壊しかけた竜崎家も少しずつ明るい方向に向かっていて、それもファンとしては嬉しいですね。

  • 安定の面白さ。

    行方不明になった国会議員の車で運転手が殺され、犯人から議員を開放して欲しければ死刑囚を釈放しろと要求される……

    神奈川県警との縄張り争いや、息子の東大受験も絡んで物語は展開する。

    相変わらずキャラは立ってるし、展開も飽きず、あっという間に読了。

    このシリーズは犯人目線が出てこず、警察一方向からの記述なので読みやすいのかな。

    オススメです。

  • やっぱり今野さんの警察シリーズは面白いなー。
    朝早くに新幹線乗ったから寝ようと思ったけど一気読み。
    テンポも良いし文章上手いし、楽しい一冊でした。

    階級が未だによく分からんが、それはまぁ良いとして…警察業務に派閥だ権力だのが絡むのは何とかして欲しい。本当にあるのかな?とさえ思う。
    とりあえず、やっぱり警察モンは面白い。

  • 相変わらず竜崎がやるべきことをやるだけなのに、神奈川県警に協力を依頼し前線本部をつくり、そこまで出向かせられて解決しちゃうというそんなこと有る?というびっくり設定なのに原則原理に基づき解決しちゃって気持ち良い感じ。
    毎回のことながら家庭のいざこざ一場面もよい。

  • 読書中しばし考え事が挟まってしまいなかなか集中できず。
    竜崎がいろんなところで人から受けられる「本気で言ってたんだ」という印象ですが、それによって捜査員が心酔していく様がよくわかる。
    そして!解説が池上彰!!やたらわかりやすいなと思って名前を確認したら…でした。池上彰ファンとしてもなにやらうれしい一冊。

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著者プロフィール

今野敏(こんの びん)
1955年北海道三笠市生まれ。上智大学文学部新聞学科在学中、「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。大学卒業後、東芝EMI入社。ディレクターと宣伝を勤める。主な担当は、TMネットワークの前進バンド『スピードウエイ』。宣伝では、オフコース、甲斐バンド、チューリップなどニューミュージックを担当。1981年、同社を退社、作家に専念。
2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞を受賞。2008年『果断 隠蔽捜査2』で、第21回山本周五郎賞、第70回推理作家協会賞を受賞。
2018年は「作家生活40年」のメモリアルイヤーで多くの特集が組まれている。主な企画作品に、2018年7月、任侠シリーズ最新刊『任侠浴場』刊行。新シリーズとして同年10月『継続捜査ゼミ』を刊行した。

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