自覚 隠蔽捜査5.5 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.13
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本棚登録 : 493
レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101321615

作品紹介・あらすじ

副署長、女性キャリアから、くせ者刑事まで。原理原則を貫く警察官僚・竜崎伸也が、さまざまな困難に直面した七人の警察官を救う!

畠山警視は実技を伴うスカイマーシャルの訓練中、壁に直面する。彼女は共に難事件を乗り越えた竜崎に助言を求めた(「訓練」)。関本刑事課長は部下戸高の発砲をめぐり苦悩した。そこで竜崎の発した一言とは(表題作)。貝沼副署長、久米地域課長、伊丹刑事部長。彼らが危機の際に頼りにするのは、信念の警察官僚、大森署署長竜崎伸也だった――。七人の警察官の視点で描く最強スピン・オフ短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 今野敏『自覚 隠蔽捜査5.5』新潮文庫。

    文庫化されたので再読。

    シリーズ第7弾。スピンオフ短編7編を収録。前回のスピンオフでは伊丹が主役であったが、今回は竜崎を主役にしたスピンオフである。全ての短編に竜崎の魅力と人間性を感じるエピソードが凝縮されており、非常に面白い。

    『漏洩』。誤認逮捕にマスコミへの捜査情報の漏洩。この危機に竜崎はどうするのか…変人と呼ばれる竜崎の行動が一番まともに見える。

    『訓練』。かつて竜崎とアメリカ大統領の警護を行なった美貌のキャリア、畠山美奈子はスカイマーシャルの訓練に送り込まれる。竜崎に弱音を吐いた美奈子は竜崎からサジェスチョンを受けるが…

    『人事』。かつて、竜崎と揉めた野間崎の上司に弓削篤郎が赴任する。竜崎に興味を抱いた弓削は大森署に向い、竜崎との面談を求めるが…

    『自覚』。住宅街で発生した強盗殺人事件。大森署の戸高刑事は人質を取った容疑者に向けて発砲するが…撃てない警察という世の風潮の中、竜崎の判断は…

    『実地』。大森署に卒配された警察官が職務質問した大物窃盗犯を取り逃がす。この失態に罪をなすり付け合い、責任転嫁で揉める大森署内。この事態に竜崎は…

    『検挙』。検挙数と検挙率のアップの通達に問題児の戸高が果敢に挑み、大森署は大パニック。竜崎はこのパニックをどう収めるのか。

    『送検』。強姦殺人事件の被疑者逮捕を指示した伊丹は誤認逮捕の危機に陥る。伊丹を助ける竜崎は…

  • やった!シリーズ5.5
    嬉しくて最後の方は読み終わるのが寂しくてゆっくり読んでました。
    どの話でも竜崎さんがかっこよく、なんでもっと早く相談しないのよ!と突っ込みたくなる。
    ほんと竜崎さんだけは視点が違う。
    視点を変えて見てみることの大切さを感じられるシリーズです。

  • 愛すべき変人、5たび半。

    【漏洩】
    こういう上司がいたら、部下は思う存分に力を発揮できるのだろうなと、改めて。
    戸高くんが格好良かった♪

    【訓練】
    ああ、あの時の……。「3.5」を読んだときの印象だと、彼女は竜崎を惑わすために送り込まれた警察組織内での政治的刺客だったかのように思えたのだが…。どうも、その限りでも無さそうか?
    彼女の内面描写からすると、シリーズの今後作で再び関わってくるかもしれない。

    【人事】
    人事を尽くして天命を待つ……至極ごもっとも(笑)。野真崎管理官が、なんとなく可愛い(笑)。
    さて、、貝沼副署長はじめ大森署全体がほぼ完全に竜崎色に染まってきた様相。
    竜崎が異動になったら、後任の署長はさぞかしやりにくいだろうな……やることなすこと、部下に心のなかで無能扱いされる羽目になるのでは?
    と、余計なことが頭に浮かんだ。
    (実際、まだ未読なシリーズ最新作ではついに大森署を出るらしいし。)
    次作の文庫化も待ち遠しい。

    【自覚】
    (時と場合とその警官の人間性と、そして技量にもよるかとも思われはするけれど)
    人質の安全を第一に考えて行動した結果が「処分」である……そんな組織からは、心ある「人」はいなくなってしまいそう。

    【実地】
    イイねえ。前半はなんだかステレオタイプな組織間のいがみ合いが描かれて背中がムズムズしたものだが……最後は。
    これぞ“チーム”だねえ。
    若い才能が陽の目を見た瞬間。

    【検挙】
    またぞろ、極端な・・・。
    もはやコメディ(笑)。
    肩の力を抜いて漫画的な展開とバレバレな結末を楽しめた。

    【送検】
    一編ごとに語り部を変えてきた今回の短編集。最後は伊丹さんが登場。やっぱりね(笑)。
    そして、ほんの一行ほどの描写で名前すら語られなかったけれど・・・事件解決に一役買ったのは、またまたやっぱり、戸高くん。
    このキャラ、好きだなぁ。


    ーーーーーー総括ーーーーーーー
    愛すべき変人、やっぱりイイね。格好いい。
    そしてまたまた、水戸黄門も首肯する愛すべきワンパターン♪。

    次作も楽しみ。

    ★5つ、9ポイント半。
    2018.05.15.新。

    • chie0305さん
      こんばんは!あらら、盛大なネタバレちゃったかしらん?
      小声でお願いします。○○○県警です。
      戸高の大ファンなんです。出てこなかったらどう...
      こんばんは!あらら、盛大なネタバレちゃったかしらん?
      小声でお願いします。○○○県警です。
      戸高の大ファンなんです。出てこなかったらどうしようと思いつつ、出ないはずないよな、と謎の自信があります。次巻が待ち遠しいですね!
      2018/06/04
    • hs19501112さん
      コメントありがとです。
      ネタバレ、まったく気にしません♪

      戸高くんは、自分も初登場時から好きなキャラ・・・。是非ともまた活躍してほし...
      コメントありがとです。
      ネタバレ、まったく気にしません♪

      戸高くんは、自分も初登場時から好きなキャラ・・・。是非ともまた活躍してほしいですね。
      2018/06/05
  • 隠蔽捜査シリーズ。短編集。今回は今まで細かく描かれていなかった大崎署の副署長、刑事課長、地域課長、強行犯係長、そして方面本部長など今まで名前しか出ていなかった人たち目線の短編集。
    最後結局、さすが竜崎署長!、となるのがわかっていてもきもちがよい

  • 隠蔽捜査シリーズのスピンオフ短編集、7編。
    他の編で多数登場する面々が今回の主役。

    貝沼副署長や野間崎管理官、関本刑事課長などなど。

    パターンとしては、様々な問題が発生し、竜崎署長に相談し、原理原則に従い、スパッと方向性が示され、解決へ導く、と言った流れ。

    竜崎署長以外の面々の新たな面顔やキャラクターも見られ、とてもお得感ありの1冊です。

  • 竜崎が署長を務める大森署には、個性的な部下がいる。
    そんな彼らが抱える悩み、葛藤、怒りの数々に竜崎がどう対応し、彼らが竜崎をどのように思っているか。
    本編でも少しずつ竜崎を理解してきたように思えたレギュラー陣の心情が垣間見える逸脱のスピンオフ短編集。

    2017年6月25日読了。
    じっくり大切に読もうと思っていたのですが、読み始めたら止まらなくなって一気読みしてしまいました。
    隠蔽捜査ファンにはたまらない1冊だと思います。

  • テレビ化もされたシリーズの短編集です。今回は主人公、竜崎署長の周囲の登場人物のスピンオフ。 今までのシリーズで描かれていた人物像に厚みが増します。主人公本人が主役の長編では、長所が家族から見るとちょっとダメな部分だったりしてホッとするのですが、今回は登場人物の側から見る署長がたまらなくカッコよく描かれています。

  • 大森署のみなさんのスピンオフ 竜崎さんをきらってたはずのみんなの意識改革感が半端なく、竜崎さんのすごさが改めて際立つ1冊でした。 地域課久米さんのお話は感動しちゃった。 そしてあの野間崎管理官が!(笑) 解説を読んで、それぞれの主人公たちの竜崎さん視点の物語 再び読みたくなってしまって困ってます(+o+)

  • このスピンオフは前回の伊丹だけのものより面白くて好きだ。

    解説から先に読んだ。
    かの戸高視点の作品はないと知って、何故!?と一瞬がっかりしたが、「これは、戸高は内面を見せるより、何を考えているか見せないまま動かす方が面白い人物だからに違いない。」(解説317ページ)を読んで即納得。
    確かにその通りで、戸高ファンとしては、戸高が頭の中で竜崎署長を高評価していることや、捜査の進め方を考えているところを文字では読みたくない。
    それでいて本編でも戸高の活躍と、彼を信頼している上司達のことが書かれていて面白かった。
    流石だ。

    最後の伊丹の話は、検事が平気で冤罪を作り出そうとする様が書かれていて、現実社会と照らし合わせてみても、とても恐ろしいことで、そちらの方に気が行ってしまった。

  • 隠蔽捜査シリーズの短編集。大森署署長竜崎伸也の言葉が周りのスタッフの悩みや問題を軽やかに解決させる。登場人物が個性的で生き生きと描かれている。とても楽しめる小説。

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著者プロフィール

今野敏(こんの びん)
1955年北海道三笠市生まれ。上智大学文学部新聞学科在学中、「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。大学卒業後、東芝EMI入社。ディレクターと宣伝を勤める。主な担当は、TMネットワークの前進バンド『スピードウエイ』。宣伝では、オフコース、甲斐バンド、チューリップなどニューミュージックを担当。1981年、同社を退社、作家に専念。
2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞を受賞。2008年『果断 隠蔽捜査2』で、第21回山本周五郎賞、第70回推理作家協会賞を受賞。
2018年は「作家生活40年」のメモリアルイヤーで多くの特集が組まれている。主な企画作品に、2018年7月、任侠シリーズ最新刊『任侠浴場』刊行。新シリーズとして同年10月『継続捜査ゼミ』を刊行した。

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