棲月―隠蔽捜査7― (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 259
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101321639

作品紹介・あらすじ

鉄道のシステムがダウン。都市銀行も同様の状況に陥る。社会インフラを揺るがす事態に事件の影を感じた竜崎は、独断で署員を動かした。続いて、非行少年の暴行殺害事件が発生する。二件の解決のために指揮を執る中、同期の伊丹刑事部長から自身の異動の噂があると聞いた彼の心は揺れ動く。見え隠れする謎めいた〝敵〟。組織内部の軋轢。警視庁第二方面大森署署長、竜崎伸也、最後の事件。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の竜崎伸也署長の合理的、よけいなプライドに拘泥しない、それでいて部下の意見はしっかり取り入れる爽快な言動に尽きる小説。電車や銀行に対するサイバー攻撃と非行グループのリーダー殺人事件の二つに対するが、手慣れた文章で解決までの話が紡がれる。この「隠蔽捜査シリーズ」はなかなか痛快だ。今野敏の他の小説はちょっとうーんだけどね。

  • 今野敏『棲月 隠蔽捜査7』新潮文庫。

    シリーズ第7弾。安定の面白さ。痛快、爽快。世の中は新型コロナウイルス感染拡大に青ざめているのに、そんな嫌な気分を全て吹き飛ばしてくれる本当に面白い作品だった。

    相変わらず空気を読まずに至極真っ当な正論を振りかざし、大森警察署の署長業務に邁進する竜崎。竜崎のその仕事振りが瓢箪から駒を産み出し、ストーリーが展開していく様が非常に面白い。そして、懲罰人事でキャリアでありながら所轄の署長に甘んじていた竜崎にいよいよ新たな異動の噂が……

    ある朝、署に到着して日課の判子押しをしていると都内の私鉄がシステムトラブルで運行を停止していることに気付く。サイバーテロの可能性を考慮し、警察組織の管轄など全く無視し、署員に調査を命ずる。その後、銀行でもシステムトラブルが発生すると、そちらにも署員を向かわせる。案の定と言うか、瓢箪から駒でどちらもシステムへの外部からの浸入形跡があり、サイバー攻撃と断定される。翌日の早朝に管内で18歳の少年の他殺死体が発見され、竜崎は現場に臨場する。二つの難事件と竜崎の異動の行方は……

    本体価格710円
    ★★★★★

  • 竜崎シリーズ、ようやく続刊読了。
    自分で買うつもりが、同居人が買って渡してくれた。
    一番好きなシリーズとわかっている証拠。
    なんと大森署から異動。私も寂しい。
    まあある程度人間関係できちゃったからなぁ。
    そして竜崎さんが成長したといいつつ、根本は変わらないところがほんとに気持ちいい。
    ルナリアンの少年にみんなが不気味と言っているところ、なにも不気味とか思っていないところが爽快。
    う~ん、どこへ行ってもこの竜崎を貫いてほしい。
    事件はサイバー犯罪が扱われているけど、なりすましあたりが特に現実味があるかも。

  • 同日に発生した鉄道や銀行のシステムダウン。その事に事件性を感じた竜崎は独断で署員に捜査を命じる。一方で大森署管内で非行少年による暴行殺害事件が発生。捜査を進めるうちに全く無関係にしか思えない二つの事件が繋がりを見せはじめ…。竜崎伸也、大森警察署長としての最後の事件。竜崎の直球な所はシリーズ開始当初のままだが、大森署での経験は竜崎に確実な変化をもたらした。キャリアとしての鋼のような仕事ぶりに加わったウェットな部分は(竜崎自身が戸惑いを持とうとも)プラスに違いない。署を去る事に寂しさを覚えつつ、次作が楽しみ。

    変化したのは竜崎だけではなく、大森署の署員たちも。初対面の際、印象最悪だった戸高が、竜崎が警視庁の捜査員に現場に対する認識不足を指摘された時に憤ってみせた場面は彼の竜崎に対する心情や評価が垣間見えて感動してしまいました。あと、数々突っかかってきた野間崎管理官の心境の変化と、竜崎が野間崎の立場を慮れるようになってる事も感慨深い…。

    シリーズの舞台は神奈川へ。より多くの権限を持つ役職に就いた竜崎が、次にどのような仕事ぶりを見せるのか…。本当に続きが楽しみであるシリーズです。

  • 原理原則と合理的な考えで事件を解決する竜崎。警察署の署長なんだけど他の刑事と対等に捜査を進める。事件を解決したいという考えに階級はない。今回も最高にスカッとした。

  • 息子が留学したいと言い出した日にシステム障害による鉄道遅延、銀行の業務停止が起き、前科のある若者のリンチ死体が見つかる。捜査本部にやってきた伊丹からは竜崎の人事異動の噂。相変わらず邪魔してくる数々の上役たちを正論ではねのけ、事件と家庭内の問題を解決していけるのか。

  • 竜崎さん、良すぎる❗️この人みたいに生きていきたいなぁ。

  • 棲月ってなんやろ、知らん言葉やな。かぐや姫?と思って読み進めた。どうやら造語で、そのまま月に棲むってことみたい。もはや誰も隠蔽しないので、サブタイトルが効いてくるわけです。竜崎は相変わらず竜崎で、戸高も出てくる上に今回はサイバー担当くんがでてくる!安定の面白さ。

  • 鉄道と銀行でシステムダウンが起こり、同時に18歳のギャングと称される玉井啓太が殺害される.竜崎は素早く捜査体制を整えたが、ハッカーの仕業と予測されるシステムダウンの件で、サイバー犯罪対策課から人材派遣を要求され、田鶴を当てた.玉井の仲間の事情聴取は納得できない点が多く、玉井に苛められていた芦辺雅人から話を聞くことになった.署内で芦辺と遭遇した玉井の仲間は驚愕した様子だったことを聞き及んだ、竜崎、戸高、根岸が田鶴からの情報を参考にして推理する場面が良かった.SNSに大きく影響される若い世代の動きを、冷静な目で観察できた3人の考察が事件解決のカギとなった.面白かった.

  • ずっと読み継いでいるので、読むことにストレスが全くない。棲月という題は今までのとは少し違う語感の語なので、?と思っていたが、読んだらわかった。

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著者プロフィール

今野敏(こんの びん)
1955年北海道三笠市生まれ。上智大学文学部新聞学科在学中、「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞。大学卒業後、東芝EMI入社。ディレクターと宣伝を勤める。主な担当は、TMネットワークの前進バンド『スピードウエイ』。宣伝では、オフコース、甲斐バンド、チューリップなどニューミュージックを担当。1981年、同社を退社、作家に専念。
2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞を受賞。2008年『果断 隠蔽捜査2』で、第21回山本周五郎賞、第70回推理作家協会賞を受賞。
2018年は「作家生活40年」のメモリアルイヤーで多くの特集が組まれている。主な企画作品に、2018年7月、任侠シリーズ最新刊『任侠浴場』刊行。新シリーズとして同年10月『継続捜査ゼミ』を刊行した。

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