イケズの構造 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101322711

作品紹介・あらすじ

京都を訪ねる人をおびえさせる、"京都人のイケズ"。いろいろ誤解はあるけれど、その真相はもっとすごい?信じがたく恐ろしい爆笑エピソードから歴史的分析、誤解のツボと真相、声に出して読みたい京言葉、古典的名著のイケズ語訳まで、誰も語らなかったウラ・深層・ホンネ。千年磨かれた言葉の至技"イケズ"を「まま、存分に笑って楽しんでおくれやす」。よそさん必読の傑作エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • なんでもない
    よく知られた「言葉」を
    きちんと真面目にとらえて
    ユーモアたっぷりに述べて
    しかも ちゃんと説得力がある

    この感覚を味わったのは
    松本修著『全国アホ・バカ分布考』
    もう三十年ほど前になるのでしょうか

    それにしても
    「イケズ」をここまで
    論じられる
    しかも「実例」を添えて!
    筆者の入江敦彦さんに脱帽!

    最後の最後まで
    面白く興味深い一冊でした

  • 京都人はけして意地悪を言っているわけではない、イケズなのだ! と
    そんな内容なのですが…最後まで読んで言える事はただひとつ。
    知人に持ちたくない、です。

    どうして京都人はあんな意地悪な事をいうのか、という説明は
    よく分かりましたし理解はできましたが、それはそれこれはこれ。
    構えていても、分かっていても、こんな事を日常茶飯事で言われると
    精神的に参って、閉じこもりたくなるかと思われます。

    故に、自分自身のために結論を出すのなら
    京都人とは知己にもなりたくないです。
    やってる事の意味とか、理解できるし、それは当然県外人が悪い、と
    思う所も多々ありましたが、いいです。
    京都人だけとは遠慮します。

  • 俺は大阪人。
    嫁は京都人。
    言い争いになると、決まって俺が感情的になり最後には泣かされる。
    一方嫁は。
    終始穏やか。
    姿勢一つ崩さず、眉一つ動かさない。
    そして、静かに、ポツリ、ポツリと二三言葉を発する。
    これがクリティカルヒットする。
    全弾命中である。
    俺はもう轟沈するしかない。
    しかも。
    それでは終わらない。
    二三日後、その爆弾は炸裂する。
    「だーーああ!あのときの言葉はそういうことやったんかああああああっ!!」
    即死必至の言葉意外に、時限装置内蔵の言葉も発していたのである。
    これでは勝てるわけは無いのである。
    それもそのはず。
    嫁は生粋の京都人。
    先祖代々、言葉のルチャリブレを繰り広げてきた彼女に適うはずがないのである。

    「イケズ」「イヂワル」
    同じ言葉でどちらに受け取るかは絶えず受け取る側の器量、スキルが試されている。

    縁あって京都在住の今。
    彼女の眉がピクリと反応するぐらいはスキルを上げたいものだ。

  • ためになったし、なによりおもしろい。
    しかし、京ことばのイケズの構造を理解するのは難しい。
    今までに知らない間にイケズをされていたことも、注意勧告を受けていたことも、わかっていない場面が多々あったのだろうなぁ(汗)
    私は、いつまでたっても「よそさん」だすわ(笑)

  • 20180709
    京都人のイケズ解説。
    イケズとは、京都のしきたりであり、深層心理である。具体的には、言葉の表現を奥ゆかしくすることで、相手に言外の意味を伝える技術なのである。
    これは、公家社会の言葉の応酬が独自進化した一種のコミュニケーションである。
    イケズに対応することは、応酬を楽しむことである。言葉を紡ぐことは嫌味でもなければ、意地悪でもない。ウィットに富んだバトル、じゃれあいでもあり、相手を理解する上で欠かせない技術である。
    京都で暮らすに当たっては、自分も楽しみながらイケズな体験をしていきたい。言葉の切っ先に触れて傷付きやすい自分には、よい武者修行なのである。


    そもそもイケズとはどういう概念?
    知っていると使えること?
    京都取材→もしかしたら在住する可能性があるため、知っておくべき教養概念である。

  • ある程度はわかった。でもやっぱりイヤやわ(笑)って感じかな。なるほどねーと思いつつうっエグいなぁと。わかったけど、わからんことにしとく。そういう感じかな。読めば少しはイケズを楽しめるかな。

  • 読みたかった本が電子化されてたので読了。

    いままで、京都の精神を半分も、いや、全く理解していなかった!
    そして、読了したいま、私の祖母がイケズを放ちまくっていた事に気がつかされた一冊。

  • 京都人の特徴とも言われる『イケズ』とは何なのか、を京都で生まれ育った著者が分かりやすく解説してくれる本。
    著者の弟さんのそうめんの話は怖かった…。察しなさい、と言われても察するスキルが無い自分には理解できない恐ろしい世界です。
    京都はたまに観光で訪れるくらいが自分には丁度良い。しかも身の丈にあう観光が、と思ってしまう本でした。

  • 他府県の人々を怯えさせる京都人のイケズを、京都出身の著者が徹底分析。
    「イケズってなに?」「ぶぶつけの誕生」といった基本知識から京都言葉講座まで、笑えるエピソードを交えつつ多方面からアプローチしている

  • 著者のいう「イケズ」がどういうものかだいたいわかったよ。
    そして、いっそう京都人に近づきたくなくなったよ。

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