天皇はどこから来たか (新潮文庫)

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感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101324029

感想・レビュー・書評

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  • 天皇陛下の即位を祝ふパレイドが無事に終つたのであります。「祝賀御列の儀」と呼ぶさうですね。これを以て、5月より行はれてきた「即位の礼」の行事は、すべて終了といふことです。
    近年は皇室と国民の距離感が随分と縮まつたなあ、といふ感じがします。良い意味でも悪い意味でも。その点ではKK君も貢献してゐると申せませうか。

    いや余計な事でした。それとは関係なく、長部日出雄氏『天皇はどこから来たか』の話。これは面白い。
    そもそもは「新潮45」誌上で、「歴史空想紀行」なるタイトルで連載されたものださうです。単行本化時に改題されたやうですが、却つて読者を惑はせましたね。元の題、或は「古代史空想紀行」で良かつたのでは。

    著者の故郷・青森県の三内丸山遺跡。当地の縄文巨木文化こそがハイテクのルーツだ、と長部氏は睨み、古代日本を巡る旅のきつかけとなりました。
    古代史の舞台となる土地へどしどし取材旅行を重ねます。出雲大社と須佐神社へ、信州・諏訪大社の御柱にこそ巨木文化の謎を解くカギがあると想像し、諏訪を訪れ更に伊勢神宮へ。

    津田左右吉の先見性に舌を巻きながらも、この学者が下す南九州の古代史的評価に疑義をはさむ。
    ふたつの「高千穂」を訪ね、神話上の高天原の実在を確信するに至ります。
    そして信長を通じて「日本教」の解明を試み、天皇が来た道を俯瞰する。

    神話や古代史に通暁する人たちによれば、本書の内容は既に承知済みの事ばかりで、新味がないとの評も聞きます。しかしわたくしにとつては、今までもやもやしてゐた事が色色すとんと腑に落ちる内容で興味深かつたのであります。特にスサノオを巡る話。彼の数数の蛮行にはどんな意味があつたのか......

    自説を述べる時には、自分の勝手な空想だから眉に唾して読んでいただきたい、などと一々釈明するのが面白い。確かに大胆な仮説もありますが、これこそが作家が書く自由な発想と申せませう。うむ。
    頭が固いと自認する人は読むとよろしからう。某ゴルファーに暴言を吐かれぬやうに。
    あ、またいらん事を書いてしまつた......

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-811.html

  • 配置場所:2F文庫書架
    請求記号:210.3||O 72
    資料ID:C0022374

  • ヨーロッパの神話学、民族学、宗教学の研究成果が知られるにつれて、日本の神話もギリシャ神話やローマ神話と同じ性質のものとして館gなエル傾向が生まれてきた。むろんたしかに共通性もあるけれども、ヨーロッパの研究方法がそのまますべて諸紀にも当てはまるかというと、そうでもない場合も非常に多い。
    現つ神というのも、知識人の言葉、公式の儀礼の際の用語で、一般人が日ごろ口にした様子はなく、6世紀終わりごろから用いられた天皇という御称号にふつうに神の観念を抱いていた気配も少ない。

  • 日本の成り立ちの核である皇室について、知りたいと思いませんか?


  • 読書中

  • 雑誌連載時の「歴史空想紀行」と云う題の方が内容に合っている。三内丸山、上野原の遺跡発掘にインスパイアされ、記紀を手がかりに大和朝廷以前の歴史を考察。面白いが一貫性が無い。

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著者プロフィール

長部日出雄(おさべ ひでお)
1934年9月3日 - 2018年10月18日
青森県弘前市出身の小説家、評論家。故郷である津軽についての小説、エッセイを多数刊行。
早稲田大学文学部哲学科中退。1957年『週刊読売』記者に。その後退職し、雑誌『映画評論』編集者、映画評論家・ルポライターを経て、作家になる。
1973年『津軽じょんから節』『津軽世去れ節』で第69回直木賞、1979年『鬼が来た-棟方志功伝』で第30回芸術選奨文部大臣賞、1986年『見知らぬ戦場』で第6回新田次郎文学賞をそれぞれ受賞。2002年『桜桃とキリスト もう一つの太宰治伝』により第29回大佛次郎賞・第15回和辻哲郎文化賞を受賞。紫綬褒章受章。
それ以外の代表作に『天皇はどこから来たか』『「古事記」の真実』など。2018年10月18日、虚血性心不全のため死去。

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