まだ見ぬ故郷 上巻: 高山右近の生涯 (新潮文庫 お 20-3)

著者 : 長部日出雄

• 新潮社 (2002年9月1日発売)

感想・レビュー・書評

[miyousさんの感想 · 2016年7月10日]

信長の話が主で荒木をとるか信長をとるかの苦渋と信仰に篤くなっていく様を描いている。
スラスラと読める内容で当時のキリシタン背景がよくわかる文章になっていました

[相模守さんの感想 · 2020年6月10日]

戦国時代のキリスト教が高山右近を通してどのような状況だったのか解る一冊。旧主和田家に刃を向け悩み、荒木村重が信長に対して謀反をおこした時村重を諫めるが聞き入れてもらえず子供を人質にとられ渋々謀反に加担はするがキリスト教を庇護してくれる信長にも弓をひけず家族、信者達も見捨てる事も出来ず。宗教を政治利用しないところは上杉謙信に近いのかもしれない。それ故に支配階層の立場と信仰心の矛盾に悩む右近。

[くらさんの感想 · 2010年6月20日]

当時の宗教について深く書かれているという点で、高い評価が出来ると思います。
前編なので、荒木村重時代の話が中心。

[あきらさんの感想 · 2008年7月4日]

悩みに悩む右近の姿が萌える（えええ）
信長さまかける右近と信長さまかけるロレンソが気になります^^

[三寅さんの感想 · 2006年6月15日]

話の半分が荒木村重謀反に費やされており、秀吉や家康の時代のほうを書いてほしかった気もします。

著者プロフィール

長部日出雄（おさべ ひでお）
1934年9月3日 - 2018年10月18日
青森県弘前市出身の小説家、評論家。故郷である津軽についての小説、エッセイを多数刊行。
早稲田大学文学部哲学科中退。1957年『週刊読売』記者に。その後退職し、雑誌『映画評論』編集者、映画評論家・ルポライターを経て、作家になる。
1973年『津軽じょんから節』『津軽世去れ節』で第69回直木賞、1979年『鬼が来た－棟方志功伝』で第30回芸術選奨文部大臣賞、1986年『見知らぬ戦場』で第6回新田次郎文学賞をそれぞれ受賞。2002年『桜桃とキリスト もう一つの太宰治伝』により第29回大佛次郎賞・第15回和辻哲郎文化賞を受賞。紫綬褒章受章。
それ以外の代表作に『天皇はどこから来たか』『「古事記」の真実』など。2018年10月18日、虚血性心不全のため死去。