- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101325156
作品紹介・あらすじ
わたしはハングルに感電した-。アメリカで出会った友人に影響され、雅美は韓国語に魅せられて、ついに留学を決意する。ところが文化の違いから、いらだちと挫折感を味わうようになって…。東京とソウルを行き来する青春の日々を新しい感性で描く『君はこの国を好きか』に、ふとしたことから、在日であることを自覚させられる男子大学生を主人公にした『ほんとうの夏』を併録。
感想・レビュー・書評
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「ほんとうの夏」「君はこの国を好きか」の2編が入った本で、どちらも主人公は在日3世。韓国(朝鮮)には行ったことがない。ハングルはしゃべれない。でも日本で「外国籍」ということで差別されたり、不利益を受けたことがある・・・。今まで小説で読んだ「在日」は、1世の話ばかりだったけど、いま、こういう人たちの方が多いと思う。つかみきれない感情。もやもや。あった方が良い、ない方が良い、どちらとも言い切れないが、純日本人のエゴなのかな。
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いわゆる在日の方が、そのルーツである韓国という存在に目覚めたり、実際に留学を経験する姿を描いた小説。著者は韓国のクォーターだそうで、延世大学の語学研究院への留学経験もあるらしい。
小説としては、うーん、どうなのか。まあ、韓国留学を考えている人にはいろいろと参考になる部分もあるのではないか。 -
ほんとうの夏、 のみ、何年かぶりの再読。同じ著者のエッセイ「ありがとう」で触れられてるのを見て。普段は通名で暮らす在日韓国人の男の子が、付き合ってる子に自分の国籍を知られないように、交通事故の現場から怒鳴って追い払ったシーンを軸に…隠してたわけじゃない、気がついたらそうなってたのに、今さら…という気持ちをすくい上げたかったのかもしれないけど、幼馴染の、それは隠したかったってことでしょ、という言葉に素直になり、自分から連絡をとることに、と。初出から20年経ったけど、状況は変わったのだろうか、と思いを巡らす。
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ジニのパズルを読んで読むシリーズ その2
群像さんリツイートありがとうございます。あの作品を読んでまだまだ読書の波が。
葉桜の日から7年が経ち、鷺沢さんも30歳近くになっての作品。
実際には「ほんとうの夏」が92年の作品で、芥川賞候補になって、そこから韓国の大学に留学して、97年「君はこの国を好きか」でこれまた芥川賞候補。
むつかしいなぁと。
「ハングルに感電」でして韓国留学、そして大学に進むんだけど、その話どうしても「ナビ・タリョン」「由熙」の世界とダブってしまうんですね。
由熙が89年に芥川賞を受賞している。
それが私頭から離れない、となると選考委員の人たちも(違っているのかもしれないけど)そうなのではないか、というところがありました。
日本での違和感、それなのに韓国にいざいっても文化的には日本の人間と変わらないわけでそれはそれで違和感を感じてしまう。
在日3世の苦しさ、自分の力ではどうしようもないことに対するこの苦しさは、こういった作品を通じて、自分の中に少しでも、感じとらないといけないなと、改めて思います。
10代で史上最年少で文学賞を受賞!からの出生の事実を知り、韓国留学を経ての結果こうなると、作家として厳しい部分があったのではないか。
35歳で自殺、ということを読むと、そんなことを想像せずにはいられない。
逆に、何も知らない頃に受賞した「川べりの道」が読みたくなりました。知らぬまま、作家生活を歩んでいたらどんな人生に、どんな作品になったんだろうと詮無いことを考えながら。 -
葉桜忌の再読。
在日三世の若者の戸惑いを描いた二つの中編を収めた物語。
この当時の鷺沢さんでしか描けないビビットな作品。
40代の鷺沢さんが描く物語が読みたかったなぁ。
そして、この作品を2015年に出版できる出版社はあるだろうか。 -
日本にも帰属できない、夢見た祖国には不適応を起こしてしまった―そんな在日コリアンの女性の成長物語。「在日コリアン」としてのアイデンティティを獲得する描写は見事。
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「君はこの国を好きか」
学生時代、激しく共感して泣きながら読んでいた本。
“あたしはハングルに感電したのだ・・・。どんな状況に陥っても―たとえこれよりも何キロ痩せようが―、あたしにはハングルがある、「韓国語がある。」”
鷺沢さんがひりひりと感じていたであろう感覚が、生々しく伝わり、心を突き刺す。 -
「この国」とは日本のことだと思って読み始めたら、韓国のことだった。2つの話が入っていたが、「君はこの国を好きか」を読んだとき、著者が自殺してしまった理由がなんとなく一部分だけ分かったような気がした。こんなに自己分裂的な感情を持ちながら2つの国の文化に真摯に相対するのは著者にとっては苦痛だったのではないか、考えるだけでぞっとする。国とは、文化とは、風土とは何かを改めて考えようと思った一冊。
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数年ぶりに再読しました。彼女の作品は古くならないのがすごい。描かれる感情が現代も全く褪せていない!感電したのは私のほうでした。
著者プロフィール
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