ウェルカム・ホーム! (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101325200

感想・レビュー・書評

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  • R2.4.6 読了。

     いろいろな家族の形がありますね。一緒に暮らしたいと思える相手に巡り合えることは、幸せなことなのかな。

    ・「『ウェルカム・ホーム!』を読むと、『おかえりなさい』と告げる強く優しい声が聞こえる。ここが、帰りたかった場所。帰るべき場所なのだ。血縁や制度や常識に基づくのではなく、人間同士が、互いの心によってのみ結ばれる場所。本当の意味での家族とは、単位になりえない多様さを持つものだし、真の自由と幸福は、そういう人間関係のなかにあるのだ。…(三浦しをんさんの解説より)」
    ・「自分が向いていない分野のことは、向いてるヒトに任せる。その代わり、自分は自分が向いている分野で役に立つ。それでいいんじゃないっすかね。」

  • 笑ってるのに泣かされたり、泣いてるのに笑わされたり忙しくも楽しい読書でした。ココロはとても大満足。温かくなりました。

    血の繋がりのない親子のお話2作。

    親友の親子の家に住み家事全般を受け持つタケシパパのお話と、夫の連れ子の娘に愛情を注いだのに、別れてしまったことを後悔しているバリキャリの律子さんのお話。

    どちらもじーんと胸にきました。実は初めて読む鷺沢萌さん。解説の三浦しをんさんの文章も素敵です。

  • 久しぶりに鷺沢萌さんの本を読みました。
    2つともいい話。
    一生懸命生きてる感じもあって、爽やかに、だけど人との繋がりの大切さをそっと教えてくれるそんな気がしました。
    鷺沢萌さんの本はわりとたくさん持ってるので再読しようかな。

  • 家族って?
    フツーって?
    易しい言葉で問いかけます。
    あーいいなあ
    この著者もっと読んでみたいなあ
    えっ?!35歳で亡くなっておられる
    自死とある
    また他の作品も読んでみよう

    ≪ おかえりと 迎えてくれる それが家 ≫

  • TSUTAYA復刊プロデュース第9弾。
    フツーの家族って何?どんなのがフツーの家族なの?
    父親がいて母親がいて子どもがいるのがフツー?
    じゃぁ、フツーじゃない家族で育った子どもはフツーじゃなくなるの?
    世の中に蔓延する「フツー」神話に責められ苦しむ誰かに、そっと手渡したくなる。
    お父さんが2人いたっていいじゃん。お母さんがお父さんの再婚相手だっていいじゃん。その人がいる「家」に帰りたいと思う、そんな場所があれば、それでいいじゃん。
    サイコーの非フツー家族のサイコーの物語。

  • メメちゃん本が復刊した。こんなウェルカムな話とびつかないわけもなく。何度読んだかわからんが、それでも読むし、読んだら、泣かされる。自業自得で父子家庭でどんづまった友人に拾われたタケッパー。昔とった杵柄で家事全般を引き受けるが、ちょいちょい出てくる男の沽券。厄介だ。「向いてる分野で役に立つ。それいいんじゃないっすかね。」それが当たり前になるといいんだけどね。後半はバツ二バリキャリウーマンの物語。血が繋がってるから家族なのか。家族になろうと思って家族になるのか。

  • 近年、米国のファミリー映画は、ゲイカップルの子供の話だったり、ちょっと変わった形で、家族のあり方を問う作品が増えており、その度に大きな反響を呼んでいる。

    鷺沢さんが、10年も前に、先駆けるかのように、『血縁とも婚姻とも恋愛とも違うもので結びつく人々』を描いているとはなんとも素晴らしい感性。

    家族について、考えさせられました。

  • 再読。血の繋がってる家族だけが家族じゃないというメッセージを強く受ける二編。「渡辺毅のウェルカム・ホーム」仕事も家も妻も愛人もすべて一度になくした渡辺毅が、家はあるが妻をなくして小さな子を抱えた親友と同居するが、その子がうちには二人のパパがいて…という作文を書いてるのを見てしまい。オトコの沽券にふりまわされ、自分の怒りがくだらない男の沽券から来ていることを悟り、最後にはふっきれて。「不安なわけよ、お前以外の人間にノリを預けんのは」にはグッと来た。オトコとかオンナとかもう関係ない、誰もフツーじゃないし、誰もフツーじゃないんだから、逆にみんながフツーなんだよ、ってあたりが肝だなあ、と思いつつ。「児島律子のウェルカム・ホーム」はもう何度も読んで筋も話の展開も台詞もだいたい頭に入っていて、それでも何度も読めてしまう、惹きつけられてしまう魅力。今回はやはり、「もういいんだよ。よく帰ったね。お帰りなさい。」のところがよかった。

  • 1万円選書でやってきた1冊。
    フツーじゃないことがフツーだと感じられる温かい人たちで成り立つ家族の話。
    周りと比べるのではなく、自分のできることを役割として一生懸命やることって良いなって思えたし、いろんな考え方があるなって思えたし、なんだか憎めない人たちに共感できてほっこりした。

  • 2019.4.9
    2話目が好みだったが、子供を持たない選択をした自分には分かり得ない感動かもしれない。
    いつか自分も自分の人生では何も残していない…と凹む日が来るのだろうか。。
    その時は自分の選択を丸呑みにして斜め上を向いて進んでいこう。

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著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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