ウェルカム・ホーム! (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101325200

感想・レビュー・書評

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  • 2019.4.9
    2話目が好みだったが、子供を持たない選択をした自分には分かり得ない感動かもしれない。
    いつか自分も自分の人生では何も残していない…と凹む日が来るのだろうか。。
    その時は自分の選択を丸呑みにして斜め上を向いて進んでいこう。

  • 海の鳥、とはまた違うとてもハートフルな鷺沢節だった。

  • 「お帰り」の声が聞こえる。

    どちらの物語も、血の絆より心の絆。そもそも家族とは何なのか。型にはまった「家族」じゃなくても、むしろそのような絵に描いた「家族」よりも、温かい帰る場所、それを家族と呼びたい。

    この物語が書かれたのは、最初に出版されているのが平成16年とあるから、2000年代初頭だ。その頃から、働く女性について、家族の在りかたについて、問題提起されていた。でも、そこから20年近く経って、まだ状況は変わらない。女性が家にいるべきだとか、女性が働くのなら、家事と子育てを完璧にこなしてこそとか、まだまだ日本社会の意識は変わっていない。どちらの家族も、まだ「フツー」ではないとされるだろう。どんどん状況は変わっているのに。

    「渡辺毅のウェルカム・ホーム」妻を亡くした親友の家で、居候しながら家事と子育てを担う渡辺毅。ある日、親友の息子・憲弘の作文を偶然読んでしまって、その内容に問題を感じたが――。なかなか自由になれない「オトコの沽券」という考え方。でも、「フツー」でない人ばかりがいる「フツー」の中で少しずつ大切なものを探して。きっと憲弘はいい大人になる。

    「児島律子のウェルカム・ホーム」キャリアウーマン児島律子の前に突然現れた青年は、前夫の連れ子の名前を出してきて――。幸せな人情話。バブル前後のアメリカや日本の経済状況やそれに踊った人のことも出てきて、読み応えあった。日本人の価値観とは。なかなか自由になれない「あるべき女の姿」と、もがく女性、流される女性。青年の頭の良さというか、新世代感が救い。

  • メメちゃん本が復刊した。こんなウェルカムな話とびつかないわけもなく。何度読んだかわからんが、それでも読むし、読んだら、泣かされる。自業自得で父子家庭でどんづまった友人に拾われたタケッパー。昔とった杵柄で家事全般を引き受けるが、ちょいちょい出てくる男の沽券。厄介だ。「向いてる分野で役に立つ。それいいんじゃないっすかね。」それが当たり前になるといいんだけどね。後半はバツ二バリキャリウーマンの物語。血が繋がってるから家族なのか。家族になろうと思って家族になるのか。

  • 久しぶりに鷺沢萌さんの本を読みました。
    2つともいい話。
    一生懸命生きてる感じもあって、爽やかに、だけど人との繋がりの大切さをそっと教えてくれるそんな気がしました。
    鷺沢萌さんの本はわりとたくさん持ってるので再読しようかな。

  • 家族って?
    フツーって?
    易しい言葉で問いかけます。
    あーいいなあ
    この著者もっと読んでみたいなあ
    えっ?!35歳で亡くなっておられる
    自死とある
    また他の作品も読んでみよう

    ≪ おかえりと 迎えてくれる それが家 ≫

  • 誰もがフツーじゃないし、誰もがフツーじゃないんだから、逆にみんながフツーなんだよ。
    結婚、夫婦、親子、血縁関係=家族という関係にとらわれない結びつき、ほのかなぬくもり。おかえりなさい、と暖かく迎えられる場所。
    本当にいい作品ですね。35才という若さで亡くなった天才作家鷺沢さんの遺作。

  • 「ウェルカム・ホーム!」
    血なんか繋がってなくても大丈夫。魔法のことば「お帰りなさい!」を大きな声で叫んだら、大好きなあの人は、たちまち大切な家族に変わるから。


    離婚し親にも勘当され、親友の父子家庭宅に居候しながら、家事と子育てに励む元シェフ渡辺毅と、再婚にも失敗し、愛情を注いで育てあげた前夫の連れ娘と引き離されたキャリアウーマン児島律子。それぞれの奮闘が詰まった物語です。


    キャリアウーマン児島律子のウェルカム・ホーム!は、読んでからのお楽しみということで、渡辺毅のウェルカム・ホーム!に関する書評です。


    主人公は、離婚の結果、住む場所と経済力を失った毅。そんな毅に「ここに住む場所と経済力は無いが、それ以外のことに時間を割ける男が一人。ここに住む場所と経済力はあるが、それ以外のことに時間を割けない男が一人。同居するのは、合理的だろ」という親友の言葉から全てが始まった。毅と親友、そしてその息子の物語。


    今では、主夫という言葉が市民権を得ている状況ですが、著書が刊行された2004年には、まだ世間に浸透していなかったのではないでしょうか。そんな中、毅は親友の家事全てを一手に担った。あっぱれ。毅は、元シェフだったので、料理に手こずるのではない(但し、テキトーな学生生活の延長線上で父親の繁盛店を継いでしまった為、結果的に店を潰してしまい、親に勘当されるという有り難くないお墨付ではあるが)。そんな彼が、手こずったのは、オトコの沽券である。


    一言で言ってしまえば、”このオトコの沽券について毅がオタオタしている物語”となるのですが、それがアットホームであり、ちょっと感動ものであったりするのです。特に、毅が独り言を言うシーンが、絶妙。ユーモラスであり、男として思うところが出ていたり、息子への熱い思いが出ていたりで、独り言が重要な役割を果たしているのは間違いないです。この部分だけ切り取ってもきっと楽しめるw


    毅たちは、本当の家族ではないのですが、血なんか繋がってなくても「お帰りなさい!」を大きな声で叫んだら、大好きなあの人は、たちまち大切な家族に変わる。なんと素晴らしいことだろう。


    心がほっと温まる、そんな作品です。しかし、弁当を作って貰える有り難さ。羨ましいことこの上ない。

  • 血の繋がりのない家族を題材にさた中編二本立て。
    個人的には、親友の父子家庭に主夫として居候する元シェフ、タケパパが主人公の一作目のほうがいい。
    どちらも、優しいお話。

  • これは素晴らしかったなぁ。遺作ってことだけど、今更ながら、早逝されたことが残念です。二つのウエルカムから構成されている中編集だけど、両方ともがそれぞれに違う魅力を放ってます。で、個人的に好きなのは後半。夫の連れ子の幼少期から思春期、ともに過ごした日々を回想した後、久しぶりの再開に用意されたドラマの数々に、もう涙腺崩壊。これだったら、作者の狙い通りに泣かされちゃっても、何も文句ないです。もちろん、ふとしたきっかけでパパ2人になってしまった前半作品も、特に息子の作文とか凄く素敵。

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著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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