地を這う祈り (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 90
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101325354

作品紹介・あらすじ

今この瞬間の飢えを凌ぐため、子供は蛆にまみれた生ごみを口に運び、今日を生きる金を得るために路上売春婦は自らの身体を売る。そして多くの喜捨を得ようと子供の手足を切断し、街中に立たせるマフィア――。インド、アフガニスタン、アフリカなど世界各地のスラムで生活を共にすることで見えてきた、弱者が踏み躙られる現実。苛酷な運命を炙り出す、衝撃のフォト・ルポルタージュ。

感想・レビュー・書評

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  • 朝から読むには重すぎる内容。著者の本は何冊か読んだが、写真となるとグッとリアリテイが増す。
    思わず目をそらせたくなる写真ばかりだ。
    本当に行った人にしか言えないことと、表現できないこと。
    批判されたとしても、その物事を考えるきっかけを作りたいという著者の言葉に、知っているだけでいいんだ、という許しのようなものを与えてもらった。無責任だと思うが、その程度のことしかできないのがどうしよもない現実だ。

  • 短く簡潔なことばで綴られていて読みやすいが、心に響いた。
    所謂途上国というところで暮らしていても、当初はいろんな気持ちを抱いていたのだが、それが徐々に日常になってしまっている。
    そんな自分に警鐘を鳴らされているように感じた。
    目を背けたくなるような現状をしっかりと写真にも言葉にも残していることは、大変凄いことだと思う。

  • 路地裏で小さな台車を住まいとし、ペットボトルに入っている緑色に苔むした水を飲むという老婆をはじめとして、壮絶な写真がてんこもりに加えて、作者の取材に関するエッセイを収めた「フォトエッセイ」です。

    ここで紹介しておいてこういうこというのもなんですがメッチャクチャエグい内容のオンパレードで正直、刺激が強いのが苦手な方にはあまりお勧めできません。しかし、世界には絶対的な貧困というものが存在していて、その『現実』を見つめたいという方には必須の内容です。

    これは作者が海外を渡り歩いてきた15年間で撮りためてきた写真とエッセイで構成されています。普通の人がこういう光景を目の当たりにしたら、きっと精神的にどうにかなってしまうのではないか、という危惧が頭から離れませんでしたが、僕はページをめくる手を止めることはできませんでした。

    特に印象に残っているのはある老婆の写真で、彼女については実際にどういう人間かは確認してほしいのですが、ひとつだけいえるのはここに写っている中身が緑色に苔むしているペットボトルの水を飲んでいる、ということです。これ以上は、あまりにもすさまじい話が怒涛の如く続くので、しばらくこの本を読んだあとは何もできませんでした。

  • インド、アフガニスタン、アフリカなど世界各地のスラムの現実を描いたフォト・ルポルタージュ。

    その日の僅かな糧を得るために自分の肉体を傷付け、物乞いする人びと、春をひさぐ人びと、微かな生へしがみ付き、その日をなんとか生き抜く人びと、薬物の快楽に溺れる人びと…

    世界各地のスラムの現実を写真と文章で描いた作品。読後は、これまで酷いとは思わなかった現実に押し潰されてしまった。非常に衝撃的な作品。

  • 今年36冊目。
    貧困、スラム、紛争、難民…授業で教えることばかりなのに、私はそのうわべだけの部分しか見ていなかった。
    それはそうだ。だって私は、本やインターネット、テレビなどの媒体を通じてしか、それらを見たことがないのだから。
    ショッキングな写真がたくさん掲載されている。思わず目をそむけたくなるような写真たち。
    それが「当たり前」の世界が私たちの隣にあるということ。
    それを知らないで私たちが生きているということ。

  • 「シャッターを切る勇気がない臆病な人間だから、作家を目指した」と筆者は云うが、掲載されている写真の迫力は凄まじい。自分も写真を撮るのでわかるけれども、人にレンズを向けるには勇気が必要だ。何気なく撮っただけでは迫力のある写真は撮れない。
    貧困がどうのこうのとか、表面的な説明は必要がない。本書の写真を見れば何が起きているのかがわかるだろうと思う。

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著者プロフィール

作家。
1977年東京都生まれ。大学卒業後にアジアの貧しい国々をめぐり、ドキュメンタリー『物乞う仏陀』(文春文庫)でデビュー。その後、海外の貧困から国内の災害や事件まで幅広い執筆活動を続けている。NHK「クローズアップ現代+」などにも出演。
著書に、『ぼくたちはなぜ、学校に行くのか。』『きみが世界を変えるなら』(共にポプラ社)、『みんなのチャンス』『幸せとまずしさの教室』(共に少年写真新聞社)、『おかえり、またあえたね』(東京書籍)がある。一般書として、「新潮文庫の100冊 2015」に選ばれた『絶対貧困』『遺体』(共に新潮文庫)、『原爆』(集英社)、『43回の殺意』(双葉社)など多数。

「2020年 『地球村の子どもたち 途上国から見たSDGs ④マイノリティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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