- 新潮社 (1998年3月2日発売)
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感想 : 87件
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Amazon.co.jp ・マンガ (400ページ) / ISBN・EAN: 9784101328133
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
日常の中に潜む孤独や不条理を描いた作品は、作者自身の人生を反映したような温かさと切なさが感じられます。昭和の懐かしい風景や、優しさを持ちながらも夢を追い続ける姿は、読者にほっこりとした気持ちを与えます...
感想・レビュー・書評
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なんだか読んでいるともの悲しくなってしまいました。
作者自身の人生を漫画にされているようですが?優しさはあるけれども夢ばかり追いかけているような昭和のお父さん。
でも昭和の懐かしい景色が描かれていてほっこり出来ました。
作者の現在が気になり少し調べてみましたが幸せに暮らされているようで良かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最後の「無能の人」を除けば、短編の漫画集。
【退屈な部屋】
日常と離れるために、偽名を使って、外にアパートを借りる。が、妻に気づかれる。妻は怒るでもなく、部屋を掃除してくれ、また、住むことが出来るように、整えてくれる。
それは、新たな、退屈な日常となる。
【魚石】
つげ義春の、旅行記によく出てくる、相模原のT君から譲り受けた、いかにもインチキくさい石の話。
【日の戯れ】
これも、つげ義春の随筆旅行記によく登場する、妻がでてくる。随筆旅行記には、妻は写真でも登場するが、小さい写真なので、顔までは分からない。この漫画に描かれている妻は、なかなか魅力的。つげ夫妻は、仲が良かったのだろう。
【散歩の日々】
これも、なんの変哲もない日常。この作品には、つげ義春の子供が登場する。随筆にも登場する、正助君だろう。
【池袋百点会】
近くの喫茶店の看板娘の福ちゃんの話。
本当に、何でもない話なのだけれども、つげ義春の絵と共に描かれると、ついつい読み進めてしまう。福ちゃんが魅力的なのは、つげ義春が、そう感じていたから。
【隣りの女】
安保闘争の話が物語の中に出てくるので、1950年代の後半の話か?つげ義春は、1937年生まれということなので、おおよそ20歳近辺の時の話。
【無能の人】
生産的であることを拒否しているような暮らし方。つげ義春本人に、こういう要素があり、それを自分で分かっていて、こういう作品を描いたのだろう。 -
つげ義春の漫画は純文学だと読めば読むほどそう思う。
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孤独とか不条理を書かせると右に出るものはいませんね。無能「の」人っていうセンスが凄い。
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落ちぶれた人たちの侘しくて虚しい淡々とした話。でも、所々に出てくる台詞、コマがめちゃくちゃ心に刺さる。
つげ義春先生の描く後ろ姿の哀愁の漂い方が半端無い。この漫画ほど効果線の垂れ線(どんより線)が魅力的な作品もないんじゃないかと思う。
心に刺さる台詞、傍にメモして心に留めておきたいくらい、良い。
★…4.5 -
漫画を読むのは久しぶり。正直に言うと気持ちが悪い絵なのだが、これがなかなかどうして奥が深いのだ。
主人公はまともな仕事を持たない、さえない中年男性(妻子持ち)。短編はそれぞれ、オチすらない。なのにこの奇妙な心地よさはなぜか。
主人公の本職は売れない漫画家だが、川原で拾った石を売ろうとし、奥さんのパートで養ってもらっている。著者本人を描いたものではないかともいわれる。
この男性は人生に対するモチベーションも全くなく、当然貧乏なのだが、嫌味が無いので共感できたりする。他の登場人物も痛々しくむなしい。時代は昭和だと思うが、八王子の描かれ方には笑った。
役に立たない人でもこうして暮らしていかれたというのは、悪くない世の中だったのかもしれない。 -
それぞれの世界に没入させてくれる。
へんてこりんな人達ばかりなのに。
不思議としっかり没入させられてしまう。
つげ義春…恐るべし。 -
入り口はゴンチチのサウンドトラックであった映画、無能の人が気になったからであったけど
こういった作風であったとは。
無能の人も短編シリーズも良くできている。
シュールで物悲しさが漂うが、ふっと頬を緩めるシーンが出てきて和んでいたりする。漫画なので何度となく読み返してみていると細かなところまでよくできていることに気がつく。
味のある絵も好きだなぁ。
クセになって夢に出てきそうな作品。 -
なんだこれは!? 人間がたくさん着ている見栄や恥などを1枚1枚はがしていったら、こんな本心が現れるのかも?と思いつつ、戸惑った。 読み終わったら、どんよりした物語なのになぜだか爽快感さえ感じる。 すごいな。 最後に吉本隆明の解説があり、読むとフムフムとわかってくるが却って読まずに自分の未熟な頭と心から生まれた「なんじゃこりゃ?」を追求していった方がよかったかも、と思う。まぁ、読まずにはいられないが。吉本隆明だもん。
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私漫画です。
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つげ義春の虚無的で破滅的なストーリーがとにかく好き
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『日の戯れ』や『散歩の日々』みたいな暖かい気持ちになるような話もあれば、鬱々とした、しかし大名作『無能の人』みたいな話もある素晴らしい短編集。貧しげで見窄らしいものに対する親しみは俺にもある。
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人生の不安、やるせなさ、後悔、八つ当たりの吐け口。言葉では言い表せない内なる感情。登場人物を通して心が揺さぶられる。名作「無能の人」は読後膝を抱えて、ため息をつき、何もしたくなくなる。そしてまた読み返したくなる。答えなどない。あるのは逃避願望とやるせない気持ちばかり。
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つげ義春の作品は忘れた頃に思い出しては頁をめくっている。 なかでも『無能の人』の連作は最高傑作だと思う
。著者を投影した主人公には、先が見えない虚無で退廃的なやるせなさの中に、流されながらも生きていくしたたかさが見える。
この“やるせなさ”を感じとることが私にとって、一連のつげ作品に共通している魅力だと思う。 -
20年ぶりくらいで読み返したけどやはりいいですね。「隣りの女」とか、「蒸発」とか、昔読んだときよりも良さが増してる気がする
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つげ義春についてはよく知らないのだが、何とも言えない画風と陰鬱とした世界に引き込まれる。どの物語の主人公も貧乏で仕事をするでもなく、怠惰の極致だ。そして全編において妙なエロさがある。その辺の石を売る男、ただただ病人のふりをして働こうとしない男など、いずれも世俗の最底辺にいる人たち。しかしどこか憎めない。
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内容紹介(amazon)
漫画家として行き詰まった〈私〉は、他人の目にはろくでなしに映るかもしれない。ろくに働かず稼ぎもなく、妻子にさえ罵られ、奇天烈な空想に耽りながら、無為な日々を過ごしているのだから……。甲斐性のない漫画家の悶々とした日常を描く「無能の人」、競輪場の車券売り場窓口越しに仄かに通い合う夫婦の愛「日の戯れ」など、滑稽かつ哀切な人間存在に迫る〈私〉漫画の代表作12編集成。 -
退屈な部屋
散歩の日々
「300円くすねた」
石を売る
自己否定感と
他者への優しさ
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幾度となく読み返せる実感。
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読み直し。
おかしみのある作品が多い。
無能な人間の並べる屁理屈に笑える。
「無能の人」の連作もいいが、「退屈な部屋」に代表される連作も傑作。
【退屈な部屋】【魚石】【日の戯れ】【散歩の日々】【池袋百点会】【隣りの女】【無能の人】
著者プロフィール
つげ義春の作品
