全編を通して一貫する「ことばは保守的なのが無難」というメッセージだけは共感できた。逆に言うとそれ以外はほとんど共感できなかった。
「思考の整理学」で絶大な支持を得た外山滋比古氏も、25年の月日を経てただの老害みたいな文章を書くようになってしまったということに驚きを隠せない。
あまりに古すぎる。
このご時世に手紙と電話の違いを論じてメールを論じないのは片手落ちにも程がある。
そもそもこの人が良い、悪い、と判断する根拠が最後までわからなかった。
心に残ることば(p146)の項で
「今日あなたが無駄に過ごした一日は、昨日死んだ人がどうしても生きたかった一日である」
とか紹介されてたのを見た時はガッカリしすぎて悲しくなった。
外山氏の言説に新しさを求める私が間違っているのだろうか?
「思考の整理学」、好きだっただけに残念です。