日本語の作法 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101328317

作品紹介・あらすじ

「KY」「トリセツ」等々、意味を当てはめたり簡略化したりと、ことばが多種多様化する昨今、正しいことば遣いが忘れ去られているのではないだろうか。教養ある日本語を身に付けてこそ、成熟した大人と言えるはず。あいさつから手紙の書き方に至るまで、外山先生が日本語を読み解く-「たかが、あいさつ、だが、ときに人間の価値にかかわる」と、苦言を呈する痛快日本語エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 全編を通して一貫する「ことばは保守的なのが無難」というメッセージだけは共感できた。逆に言うとそれ以外はほとんど共感できなかった。

    「思考の整理学」で絶大な支持を得た外山滋比古氏も、25年の月日を経てただの老害みたいな文章を書くようになってしまったということに驚きを隠せない。
    あまりに古すぎる。
    このご時世に手紙と電話の違いを論じてメールを論じないのは片手落ちにも程がある。
    そもそもこの人が良い、悪い、と判断する根拠が最後までわからなかった。

    心に残ることば(p146)の項で
    「今日あなたが無駄に過ごした一日は、昨日死んだ人がどうしても生きたかった一日である」
    とか紹介されてたのを見た時はガッカリしすぎて悲しくなった。

    外山氏の言説に新しさを求める私が間違っているのだろうか?

    「思考の整理学」、好きだっただけに残念です。

  • 面白いエッセイ集。手紙の書き方は勉強になりました。

  • 口が堅いのは七難隠す。
    大声で話すと、知恵が逃げ出す。チャーチル元首相。
    言葉遣いは相手を考え、遠慮会釈のあるのが、一人前。
    日本語を丁寧に考えて使わなければならない。言葉は人の価値に関わる。

  • 間違った日本語の使い方を気づかずに使っていたことに気づかせられる。日本語は単一民族のみの国語であり、大切にしていきたいものである。2018.7.13

  • 言葉って難しい。
    変化していくし。
    おもしろかった。

  • 2017/3/5
    外国の言葉事情と比較しながら、日本人も最近は忘れかけている日本語の奥深さや味わいについて細やかに教えてくれる日本語についての本。日本は外国と比べて言葉はものすごく大切に扱われてきた歴史があるが、近年の日本では言葉そのものに関する関心が薄れているからこそ、日本語の礼儀作法としてはおかしな点が多々増えてきていることを指摘している。
    日本語の意味を間違えた使い方、使う場面を間違えたものなど多岐にわたっている。中には、読んでいて、その言葉はそうやって使うのかと改めて知ったものというか、今まで知らなかったものもたくさんあった。実際に交わす挨拶の言葉に関するもの、手紙や文章など書面上で書く文字のこと、実際に書く文字と印刷や印字された文字が伝える印象の変化なども書いてあり、日本語についての知識をたくさん増やすことができる。

  • 外山先生ならではの博学がいっぱいの本であった。日頃の言葉の使い方や思いやりについて、考えるよい機会になった。

  • 普通に過ごしていると気づきにくい言葉の違和感や、表現者の伝える姿勢を、軽快かつ鋭く指摘する。乱れた言葉を分かって使うのと、分からずに使うのとでは雲泥の差がある。十分に意識していたつもりでも、思い至らない点が多々あったことに気づかされた。タイトルが堅いように思われたが、エッセイのような語り口で大変読みやすくおすすめ。

  • 印象に残ったのが、女性の名前の変遷。「女子の名には五十音のイ列とウ列の音の組み合わせで可憐さを表象していた。ゆき子、きみ子、ゆみ子などである。」そうか!私の名は可憐さを表していたのかと思うと、自分の名前がとても大切なものに感じました(o^^o)

  • 日々、まったく無頓着に話したり聞いたり読んだりしている日本語。 たまには、ちょっと立ち止まって考えてみる。
    言葉の使い方は本当に難しい。 使い方次第で、他人を不快にさせたり、心地よくさせたりする。
    それにもまして大きいのは、自分自身をも表してしまう事。
    文字を連ねて言葉になって、言葉を連ねて文章になって。
    そうして編まれた書物を扱う仕事をしているから尚更、言葉の作法を弁えたい。

  • 日本語論の分野で活躍されている外山 滋比古(とやましげひこ)先生のエッセイ。
    「日経ビジネス アソシエ」に連載されたものから32編を選んで刊行されたもの。

    日本語の作法を、社会で仕事をしている人を念頭におて記されたもの。

    大正十二年生まれのおじいちゃんからの喝あり、指導ありで、
    時に感心しながら、時に反省しながら日本語(の作法)について楽しめる本。

    日本語の奥深さよりも、身近な例から思わず感心することが多かった。

    時代とともに変化していく日本語について、「本来、これが正しいのだ」と押し付けるのではなく、寛容に日本語の使用を紹介されているので楽しみながら読むことができた。

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    【内容(「BOOK」データベースより)】
    「KY」「トリセツ」等々、意味を当てはめたり簡略化したりと、ことばが多種多様化する昨今、正しいことば遣いが忘れ去られているのではないだろうか。教養ある日本語を身に付けてこそ、成熟した大人と言えるはず。あいさつから手紙の書き方に至るまで、外山先生が日本語を読み解く──「たかが、あいさつ、だが、ときに人間の価値にかかわる」と、苦言を呈する痛快日本語エッセイ。
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    【目次】
    第一章 ことばは身の丈
    ・他言無用
    ・間をもって話す
    ・巧言令色(ビジネス・レトリック)
    ・意外、美しくないくり返し
    ・何と申しましょうか
    ・語尾のイントネーション
    ・うるさい大声
    ・スモール・トーク

    第二章 遠慮・思いやりのことば
    ・“ください”は充分にていねいか?
    ・さまざまな“様”
    ・ことばはやさしくわかりやすく
    ・電話は相手本位
    ・会話の中の漢語
    ・目は口ほどに……
    ・遠慮会釈のあることば
    ・親しき仲の遠慮

    第三章 あいさつの難しさ
    ・ナシのつぶて
    ・あいさつの心
    ・サインできますか
    ・人にやさしいことば
    ・スピーチって、なに?
    ・ことばの過ち
    ・たかが、あいさつ、されど……
    ・寒々しいあいさつ

    第四章 変わりゆく日本語
    ・タテ ヨコ
    ・現代アフォリズム
    ・わかっていないこと
    ・命名のファッション
    ・ボディ・ランゲージ
    ・借用・引用・盗用
    ・辞書を読む?
    ・ユーモアのセンス

    あとがき
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  • 日本語の作法といふタイトルですが、内容は「作法」に力点が置かれてゐます。
    雑誌「日経ビジネスアソシエ」に連載されたといふこともあり、ビジネス作法としての日本語の使ひ方に言及されてゐるのです。

    内容のその多くは、いはゆる日本語の乱れを嘆くだけのものではなく、対人関係のヒントになる提言も含まれてゐて、読んでゐてはつとすることもしばしば。

    『思考の整理学』などの読者にとつては、戸惑ふ内容かも知れません。「何だよ、うるせいなあ。時代遅れなんだよ」とかね。これを単なる繰り言と受け取るなら詰まらないでせう。
    作法の向うにゐる相手に対する礼儀として、大人は如何なる日本語を駆使すれば良いのか。それを考へるヒントとして捕へたいものであります。

    薄い本で、活字も大きい。たちまち読み終へてしまひました。本屋の店頭で読めちやふぞ。(わたくしは買ひましたよ。)

    http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11398226627.html

  • 軽いけどなかなか鋭くてピリッと効きく。文法的な解説をほとんど使わないで読ませるこの本の文章自体が日本語のいいテキストになっている。

  • パラパラと立ち読みして面白かったので、購入。
    外山さんの論文は高校時代によく読んだし、大学入試でもおなじみ。

    「とても」という語は、実は否定の言葉を伴うものである。
    「あなた」を目上の人に対して使ってはいけない。
    「ください」は命令形であり、「お乗り換えください」ではなく「お乗り換えです」「お乗り換えになります」のほうが適切。

    めっちゃ勉強になったー、やはり日本語は面白い。
    一番学んだのは、お礼状をきちんと書ける大人になろうということ。
    キレイな便箋と封筒揃えとこう。

  • 日経ビジネスアソシエに掲載された日本語についてのコラムをまとめたもののようだ。他の著書に比べると雑談のような内容で同じ話が出てくる箇所もあり、雑学補充程度に読むのがちょうどよいかもしれない。

    普段何気なく使っている言葉が失礼にあたると知った時の恥ずかしさもあってが、悪い文章の例を見てもなにが悪いのかすぐにピンとこなかった自分はかなりレベルが低いのだろう。

    一方で間違っていたり不適切な言葉であっても使う人が多ければそちらが正しい言葉になるし使われない言葉は死んでいくこともある。言葉は生き物である。

    正しい、美しい言葉遣いは身につけたいがそのために口うるさい人にはなりたくないのでなかなかに難しい。

    文庫サイズで厚みもなく文字も大きいので一日もあれば読めるだろう。

  • 494

  • 口の堅いは七難かくすのは真実
    話すスピードにもブレーキをかけるのが一人前の話し方である。

    美しないのは、聞いた人が深いに感じることばである。
    ちょっとした、ことば遣いを改めるだけで、その人のイメージが一変したりする。

    同じ言葉を立て続けに使わないことだ。
    例えば、はいはい。

    口癖ぬい期をつける、
    同じ言葉を繰り返さないこと。同じ言葉が出てくると、文章が後戻りしたり、停止したようになるから。
    言葉は保守的なのが無難
    人が話しているときに、口をはさんではいけないのは常識である。
    途中でさえぎるようなことを口走ったりするのはたいへんな無礼である。

    弱い犬ほどよく吠える。人間も実力のある人強い人は声を張り上げたりはしない。
    劣等感をもっていると、人は早口になる傾向がある。
    自分の言葉に自信がないから、間がもてないのであろう。

    いいサインのできる社長の会社はイメージがよくなる。
    社長になるには、立派なサインができるように心がけるのはたしなみであろう。
    一般のビジネスマンも、サインをおろそかにしては困る。
    その人の人柄、イメージにかかわるかもしれないからだ。
    自分の名前は美しく書けるようにしたい。

    心のこもったあいさつは聴く人をたのしませる。笑わせれば最高だ。
    あいさつの心は、相手をたて、たたえ、喜んでもらうことにある。
    相手の心をほぐすのにユーモアが有効であることは、
    日本人も古くから心得ていたらしい。たかが、あいさつ、だが、
    ときに人間の価値にかかわる。

    人と人が接近、接触すれば必ず心理的摩擦が生ずる。挨拶はそれを抑える潤滑油のような働きをするから、どこの会社でも古くから半ば常識になっているのである。
    あいさつの乱れが人心の乱れを反映させることもある。
    ことば遣いは相手を考え、遠慮会釈のあるのが一人前である。
    遠慮会釈もなしにしゃべるのは自分の顔に泥を塗るようなもの。
    ことばをつつしまなくては損だ。
    →人間関係の潤滑油 世間に見せている自分の顔を恥ずかしくないようにするための
     たしなみである。

    親しき仲にも礼儀あり。遠慮
    遠慮は礼儀の表れ無遠慮は失礼である。


    目は口ほどに…
    人の気持ちはことばにあらわれるのは普通だが、ときとして顔つきの方が、正直なことがある。→これに関しては親父とさしで飲んだ際に直接言われた。
    俺もまじで真剣に気をつけないとな。

    口で心にもないことをしゃべっていても顔にはちゃんと本当のことがあらわれる。
    顔に出る。顔に書いてある。顔色をうかがう、といったことばがあるわけだ
    その顔のうちでも、格別によくものを言うのが目だから目は心の窓、などといわれる。

    ストレスに感じる景色を自分の目にいれない。
    でも、よほど修行のできた人でも人目を無視して超然としているのは難しい。
    目のことばは声にはならないけれども、心の奥まで届く。
    そういうことを心得ていてこそ、一人前の社会人である。


    電話は相手本位
    電話はとっさにものを言ってしぐじりやすい。
    天子のいったん口にしたことばは、出たら汗のようなもので引っ込めることは
    できない。→綸言の重みがある
    そう思えばいい加減な電話はかけられない。

    「さっそくですが…」などと風向きを切り出しては無粋な人だと思われる。
    いかにも自己中心的な人間だという印象を与えかねない。
    はじめに世間話をしたり、相手の喜びそうなことを、前置きにするのでなければ、
    借りられるものも借りられない。


    モンテーニュ「よく笑わない医者は、よく治さない」

    いちばんいけにのは、人から聞いた話をそのまま該当者に伝えてしまうことだ。
    そのままに伝えればみんなが傷つく。
    それで壊れる人間関係がどれくらいあるかしれない。

    噂のような話は聞いても胸にしまっておくのが心ある大人であって、
    間違っても当人に伝えてはいけない。他言は無用である。

    ここだけの話と念を押されるとよけいに話したくなるのが人情だが、
    ぐっと抑えて他言しない。
    そうすれば口の堅い人間だと信用されて、大事なことを打ち明けられたり、
    難しいことを話されたりするようになる。
    →たいへんな自利 それはいずれ社会的にも評価されるだろう。
     人を傷つけない。人にやさしいことばは、美しい言葉以上に大切である。

    スピーチはあいさつの一種で、社交的なものだから、
    人に不快の念を与えるのは禁物である。たのしいのが最高。

    ことばの過ちはなかなか改まらないから厄介だ。
    セールス電話
    →うまい言い方を考えるのもビジネスのうちだろう。


    手書きのあたたかさ
    サインだけ、というのもさみしい。余白に一言、相手にふさわしいことばを
    書き添えるゆとりがほしい。
    工夫をすれば、寒々しいあいさつにも心が通うようになる。


    まず相手を信じないと、自分を信じてもらえない。





    子を思う親心はいい名前にあらわれる。

    目配せ、ウインク、もボディランゲージである。

    歩き方でもその人の心内を察することができる。


    ものを言うのは口だけではない。
    五体のすべてものを言う。自分ではそれを自覚しないことが多くて、
    厄介である。

    たいていのブランド名は商標登録されていて、
    みだりに他の使用を許さないからだ。
    無断で引用すれば盗用になる。


    ことばを大切にするのは文化のはじまりでことばへの関心が
    高いのは豊かに成熟した社会である。
    ただ働くのに忙しいというのでは、ことばを顧みるゆとりがない。
    ことばを文化の媒体であると認める人たちこはとばによって、
    人間を判断、評価するようになる。
    この点では。「文は人なり」ということばを生したフランスが世界に先んじたとしてよかろう。イギリスも負けてはいけない。上品で丁寧なことばを違う人が紳士であり女性であるとしたら、社会で仕事をしている人
    仕事もうまくいき、人間の評価も高まる。

  • 日本人としていろいろと知っておきたい日本語のアレコレ。
    読みやすく、とても勉強になります。

  • あいさつの大事さを確認しつつ、なかなか口に出せていない自身を考える。作法や人情、最低限のあいさつから血のかよったあいさつを心がけたい。

  • 表紙が好き。

    仕事がら、なのに、日本語全然できてないなあ、と思い知らされる。
    作法以前の問題。
    祖母がよく同じようなこと言っていたなあ。
    メールや電話はそれとして、手紙の文化は残したい。

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著者プロフィール

お茶の水女子大学名誉教授

「2019年 『やわらかく、考える。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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