借金取りの王子 君たちに明日はない 2 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2009年10月28日発売)
3.88
  • (209)
  • (537)
  • (271)
  • (30)
  • (0)
本棚登録 : 2878
感想 : 302
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784101329727

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「君たちに明日はない」、「ワイルド・ソウル」、に続いて垣根涼介作品3作目。
    「君たちに明日はない」の続編で、出来は本作の方が上か。

    表題作の「借金取りの王子」が出色。王子の両親が、結局は二人の結婚を許したのは、彼女の気迫と愛の深さ故なんだろう。それにしても消費者金融業の激務ぶりには驚いた。回収の世界が厳しいのは当然として、本社が支店にかけるプレッシャーのえげつなさといったら。。(自分の勤める会社が純白に思えてきた。。)

    他の話も全部よかった。

  • リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト』の面接官・村上真介。

    百貨店外商部の稼ぎ頭の女子社員、女性恐怖症の生命保険会社の係長、消費者金融のイケメン店長、新潟の旅館の女性従業員…

    あまり真介の出番はなかったような…
    それぞれが自分で考え、自分が選んだ道へ。
    リストラの話なのに、全然暗さを感じない。

    『借金取りの王子』、よかったな。
    宏明と美佐子。
    普通の親なら、反対するよな、美佐子との結婚は。
    それを諦めずに、両親を説得し続けた宏明。
    宏明の仕事の大変さを理解し、いつ辞めてもいいように、自らも働き、お金を貯めていた美佐子。
    ここまでやれる女性がいるなんて。

    しかし、この時代の消費者金融、ひどいな。
    パワハラ、セクハラ、モラハラ…ハラスメントのオンパレード。
    今なら即アウト。

    高橋と陽子、お互い少し意識しているような…
    まさか三角関係に、なんてことはないと思うが…
    どうなっていくのだろう。




  • 生き残りの厳しい企業もあるだろうし、家庭の事情やライフスタイルも変わるし、終身雇用ってなかなか難しい。そんな事を考えさせられる小説。

  • つらい。
    消費者金融の、内面の闇がすごい。さすが首都圏。怒声しか飛ばない営業報告会議はまだしも、来期のプレッシャーのかけられ方が半端ない。えずきたくなるレベル。

    そこにクビ切りに入るというシビれる展開。2作目に入り、主人公チームの色もはっきり出てきた。若いのに老練した社長。アシスタントの舌足らずなお嬢さんにも癒される。実は一芸があり、かなり細かい変化に気づける、人読みの才能を持つ。この意外性がうまくストーリーにからんで深みを出していると思う。

    垣根涼介さんの作品は男性が男性らしく、女性が女性らしく描かれていると感じる。今の価値観からはとかく否定されがちだが、自然と読める、という側面も見過ごすべきではない。
    それを一言でエロい、といってしまうと言下に否定されるだろうから、言わない。(言った)

  • 君たちに明日はないの続編っていう事で手に取った。
    本作も面白かった。中でも消費者金融の話しで描かれた純愛が良かった。そこに出てくる女性がカッコ良すぎる。
    まだ、続編があるって事で、主人公カップルがどうなって行くのかが楽しみ。

  • シリーズ2作目ですね。
    前作より面白かったです。
    前作はストーリーに自信がなかったのかストーリーに関係ない内容がありました。
    出来ればその部分を省いた作品が読みたかったですね。
    それがこれかな。

  • 君たちに明日はない第2シリーズ。
    真介と陽子のナイスカップも好感が持てるし、2人の仕事に対する真摯な向き合い方も小説に重厚感を持たせている。
    リストラ請負人にも誇りと愛があってこその仕事だと思うと救われる。 
    続編もすぐに読みたくなる。

  • 君たちに明日はない②

    かれこれ、5~6年前にこの前作を読んでいたが、兄からシリーズ一式借りたので読んでみた。

    前作思い出せるかなぁ?と不安だったものの、読み始めると当時の記憶が甦る。

    この話、入院してるときベッドの上でゴロゴロしながら読んでいたなぁ、、、

    そして物語も直ぐに甦ってきた。

    それもそのはず、この本は一風変わったリストラ面接官を職業とする村上の話。

    一話、一話にドラマがあって、哲学があって短編嫌いの私なのに十分楽しめる。

    お仕事だけじゃなく、恋愛もあったり、男性でも女性でも、老も若きもそれぞれ楽しめる一冊(*^^*)

  • リストラ請負人シリーズの第2弾。

    働くということはどういうことか、自然と考えされられるシリーズでおもしろいのですが、今回はそれよりも「やさしさ」がテーマではないだろうか。企業側、労働者側の論理のぶつかり合いによる苦悩などはあまりなく、リストラ対象となった人々やとりまく人々の「やさしさ」が光ります。

    本来リストラの対象とはならないはずの人々だからなのでしょう、自分以外の相手をよく見ています。余裕というか追い詰められ具合というか、相手を良く見ることが「やさしさ」につながるのだな。やさしいからというって仕事が優秀なわけではないけれど、自分だけでできる仕事は限界がある。その限界に気づいた時に「やさしさ」が無い人は、さらに大きな壁にぶつかるということでしょうか。

    でも、追い詰められ続ければ「やさしさ」っていとも簡単になくなっていくよなぁ。無くさない人でありたいなぁ。難しいけど・・・

    「借金取りの王子」のエピソードが泣かせる。

  • 今回も5編からなる連作ですが、第二弾のこの本は女性がテーマです。
    どの女性もしっかりとした人間像が描かれていて、とても奥の深い作品ばかりです。
    とても面白い作品でした。
    NHKの連続ドラマも明日が最終回とのこと。
    今まで見逃してきたので、最後は観てみたいと思います。
    垣根氏のほかの作品も読んでみたいと思いました。

  • 始めに、
    この「借金取り王子」を読み始めた。
    ところが、
    あまりに面白く、

    いやいや
    これは第一作目の「君たちに明日はない1」
    から読むべきだと思い、
    File1「二億円の女」だけを読んでから
    本屋さんに走り、「君たちに明日はない1」を
    手に入れて、読み終えた後
    改めて手に取った。

    相変わらず
    人物描写が素晴らしい。
    各章(File)ごとに
    それはそれは魅力あふれる「人」が描かれる。

    タイトルになった
    File3「借金取りの王子」が秀逸です

  • 二億円の女 → ☆3
    女難の相 →☆4
    借金取りの王子 →☆5
    山里の娘 →☆2
    人にやさしく →☆3

    安心して読めるこのシリーズ
    今回も楽しめた

    垣根涼介さんの『ワイルドソウル』をまだ読んでない方は、ぜひ読んで欲しい
    読書暦はまだまだですが、その中でも至極の一冊です

  • リストラ面接代行会社に勤務する主人公と、以前その主人公に面接を受けた年上の女性を中心に、百貨店、保険会社、消費者金融、地方のホテルといった企業のリストラ面接の模様と、その面接された人たちの生き方の話の中編集。
    シリーズ2巻目ということで、設定も頭に入っているし、すらすら読めました。そして面白いです。やっぱり自分が早期退職勧告されたらどうするかな、いくら積まれたら心が揺らぐかなと想像してしまいます。
    消費者金融の話はエグみが強く、いくら給料が高くても、絶対こんなところで働きたくないわって思います。まあでも、借りる人がいる限り、成り立つ商売なのでしょうね。。
    最後、リストラと違うちょっと面白い展開になったので、3巻目は違う展開になるのかな?楽しみです。シリーズは5巻まであるみたいですね。

  • 冒頭───
     今日はあと一人で最後だ。
     真介は壁の時計を見上げる。午後三時四十三分。
     四人目の被面接者は意外と早く終わった。もっとも今の相手は、この一次面接ですぐに自己都合退職を受け入れたわけではなかった。が、先ほどの感触からすると二次面接ではほぼ落ちるだろう。
     次の面接者がやってくるのは午後四時。まだ少し時間がある。ネクタイを少し緩め、軽いため息をつく。午前中に二人の面接をこなし、午後からはさらに二人を終えた。
    ──────

    リストラ請負会社に勤務する真介が様々な業種の企業でリストラにあう人々との面接を通して、その人々の背景を浮き彫りにするお仕事小説。
    付き合っている年上の彼女、陽子との恋愛話もちょっとしたエッセンスとなっており、なかなか味がある作品だ。

    百貨店外商部勤務のなぎさ。
    生命保険会社に勤務する一彦。
    消費者金融に勤める三浦。
    新潟岩室温泉のホテルで客室係をしている秋子。
    過去のトラウマから仕事が上手くいかなくなり転職を薦められる人もいれば、逆に未来に夢を持って前向きに考える者もいるなど、面接を受けての思いは人それぞれに違う。
    登場人物一人一人の心情の違いが上手く書き分けられている。
    なかでも表題作「借金取りの王子」でのイケメン主人公の前店長に対する純愛の話には思わずほろりとさせられた。

    シリーズになっているようなので、他のも読みたいと思うような作品でした。

  • 君たちに明日はないの続編。
    主人公 リストラ請負人の仕事を通じて、人間模様を描いている。
    リストラを依頼する立場。リストラされる側。請負った主人公と。

    扱う内容から暗い話かと思いきや、この作家が書くと何故か
    スッキリとした話になるから面白い!
    社会の構図、それぞれの生き方が垣間見えて、考えさせられます。

    • hs19501112さん
      【この作家が書くと何故かスッキリとした話になる】

      よく分かります。
      そしてそれは、このシリーズに限らず垣根さんが描く他のジャンル(...
      【この作家が書くと何故かスッキリとした話になる】

      よく分かります。
      そしてそれは、このシリーズに限らず垣根さんが描く他のジャンル(血と暴力が満載の「ワイルドソウル」他多数)でも言えることで・・・常々、全く同じ感想を抱いていました。
      2012/08/03
  • 仕事を辞めるっていう選択は必ずしも後ろ向きではなくて、周りから見たら仕事ができるからって必ずしも本人は幸せでなくて、というショートストーリーでした。
    どれも良かったのは、それぞれの話の登場人物が謙虚だったからかな。

  • 借金取りの王子の話には流石にうるっと来た。
    この本にはそれぞれのストーリーがあって、その世界観に思わず入ってしまう本で意外とお気に入りです。

  • リストラ業務請負会社で働く者を主人公にしたシリーズものの二作目。村上と陽子の関係性や仕事でのお互いのキャリアなどの進捗が見えて良かった。普段関わることのないどんな仕事であっても、そこで働く人にはそれぞれの生活がありドラマがあるということを改めて感じた。

  • とにかく読みやすいし単純に面白かった!けどあとがきを読むとどうやら順番を間違えてしまったよう。まずはワイルドソウル、そのあと君たちに明日はないを読もう!

  • 「君たちに明日はない」続編。安定した面白さ。特に表題の章は秀逸。病みつきになりそうだ。

全281件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

垣根涼介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×