空白の桶狭間 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 197
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101330525

作品紹介・あらすじ

圧倒的な軍勢を誇り東海に君臨する今川義元は、その触手を尾張に伸ばそうとしていた。自らの出自を後ろ盾に、さらなる立身を目論む若き藤吉郎は、策をめぐらす信長にある進言をする。持ち前の機転と洞察で、剛将義元の隠された内実と力量を見抜ききっていたのだ。天下の趨勢を一変させた桶狭間の戦いを舞台に、歴史の空白から埋もれた真実を炙り出す。驚天動地の傑作歴史ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  •  秀吉を「山の民」(網野善彦流に言えば、「漂泊民」「山伏」といったところかも)とし、諜報活動との連関性を強め、彼らの活動が桶狭間合戦の死命を決したとの観点から同合戦を描く歴史小説。松平元康(後の徳川家康)がこの謀略を知っていた点と、信長謀殺目的を今川義元が有し、直接面会を応諾したというのは些かご都合主義の感がないではないが、エンタメとしては十分楽しめる。ただ、元康が全貌を認識していたというシュチエーションが終章に迫力を生ぜしめるので、先のご都合主義という問題点も一概に否定しづらいところ。

  • 今川義元が上洛を果たし、彼を中心とした一大勢力が(天下統一?)実現していたら日本はどうなったのだろう?
    あまり変わらないのか?
    それでも家康が天下を取るのか?
    家康は今川義元の後継者といってもいいんだよね。

  • またもや加藤廣の世界観にどっぷり。
    内容としては本能寺の変三部作のスピンオフ的なものではあるが、全てが矛盾なく繋がる様は心地いい。
    全ての作品で一貫したストーリーが構築できていることは、作者の研究と物語のバックグラウンドの深さを見る気がする。

  • 桶狭間の合戦に未だ残るミステリーを、秀吉の出自と絡ませて書かれた歴史小説です。桶狭間の合戦までの展開は早くリズミカルです。合戦前後の関係者の動きと心情を記した第五章「それぞれの桶狭間」は、この合戦に運命を左右された人たちの存在を改めて思い起こさせ、心惹かれるサイドストーリーでした。因みにこの本では、秀吉は「山の民」の出身として描かれています。また信長が行った革新的と思われる施策も、必然的なものだったと評価しています。

  • 信長がバカ殿。
    秀吉がなぜ利口だったか、ただの小作百姓ではなかったという仮説は面白いが、山の民との関連付けは蜂須賀の方が有名なので苦しい。

  • 加藤廣著による本能寺三部作(「信長の棺」「秀吉の枷」「明智左馬助の恋」)の前章ともいえる。
    歴史上、大々的な戦のひとつとも数えられ、謎が多いとされている桶狭間の戦いとは…戦に勝った側が事実を誇張して後世に伝えられるのはよくあること。そしてこの戦もそうである可能性は高く、本作に書かれていることが事実である可能性がないわけではない。非常に興味深く、史実をもとに検証されたストーリーに、事実はこちらなのでは、と思わずにはいられない。

  • 秀吉は山の民の出身!桶狭間の戦いは、秀吉と山の民の謀略!謎の多い桶狭間の戦いに新説、納得感のある、あながち荒唐無稽ともいえない歴史小説。

  • この作者の初めて読む作品
    秀吉が山の民の出身であり、今川との桶狭間の勝利を演出した設定
    奇天烈な感じがする。あまりにも織田信長の存在感が?
    昔から結構ある山の民の設定、まあ一つの仮説として?

  • 歴史の謎に挑む作品を、意欲的に発表している歴史作家、加藤廣。
    この作品はタイトル通り、織田信長が奇襲で今川義元を討ち取った「桶狭間の戦い」が題材になっています。
    圧倒的な兵力の差がありながらなぜ、信長は勝利を得ることが出来たのか。
    加藤廣らしい独自の視点で、この歴史の謎を描いています。
    ポイントは、「秀吉の出自」。
    この作家さんの作品の中での信長と秀吉の描き方には、各種意見があると思いますが、本作品でも秀吉の構想力と機転が遺憾なく発揮されています。
    大胆な仮説なのでとまどう部分はありましたが、興味深く読むことが出来ました。
    同時期に読んだ『謎手本忠臣蔵』にも登場する「黒鍬組」など、他作品とリンクする内容があるのも魅力です。

  • 気軽に読める活劇。先に「信長の棺」を読んだほうが話しがよりわかりやすいかも。

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