少女の器 (新潮文庫)

著者 :
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レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101331140

感想・レビュー・書評

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  • 読んでよかった。『太陽の子』と、『兎の眼』、そして『少女の器』、秀逸3タイトル。比べてみよう。

    太陽の子
     主人公ふうちゃん。小6、明るく元気、感受性ゆたか。
     男の子、キヨシくん。非行少年・不器用・お茶目。
     両親、精神病だが、やさしく大きい父。基本的に賢明なよき母。
    ※なによりたくさんのやさしい大人に囲まれている。
    少女の器
     主人公、絣(かすり)中~高校生 繊細、ひねていて聡明。
     男の子、上野くん。非行少年・真剣・憎めない。
     両親、恋多き母。離婚した優しく受動的な父。
    ※身近な大人たちに傷つけられる、繊細で絶妙。
    兎の眼
     小谷先生、若い女 泣き虫
     鉄三 真剣で荒っぽい
    ※太陽の子よりも、鋭利さが『少女の器』に近い。太陽の子は、最後のほうで主人公が大人にならざるを得ないが、こちらは元から大人。少女の器は、微妙な時期で惑う、それでも考えはしっかりしているところに、灰谷先生の子供を信ずる心を思う。

  • 中三から高二に掛けての小生意気な絣のその場その場の繊細さと全力さの引力が強すぎて一点集中的になって全体まで気が回らない。離婚した両親それぞれとの距離の近い日常が独特の説得力。彼らの恋人や訳有家庭の関西弁BF、自殺未遂癖少女や盗癖幼女の登場にも湿り気はなく、台詞の語尾の片仮名以外全く古さを感じなかった。

  • 子供が何を見つめ、何を考えているのか?それを見つめる大人の目が大切。

  • 灰谷さんの作品好きで昔よく読んでまして。ふと読み返してみたくなって本棚から引っ張り出しました。

    灰谷さんのいずれの作品にも共通しているのが、様々な個性を持った子供と大人が登場すること。子どもを子供として捉えず、一人の個性のある人間として描いていること。そして、各個性を持った人間がぶつかり合う中で生じる人間臭さを大事にしていて、ストーリーを読みながら人間の在り方を考えさせられること。個々のキャラクター設定が素晴らしく、且つストーリーも面白い上に、読み終わると少し大人になれる、そんなお得がいっぱい詰まった本が多いように思います。

    で、少女の器。両親が離婚している娘の絣が主人公。少しひねた少女ではあるが、頭の回転が非常に早くて、両親やボーイフレンドと交わす会話が小気味良い。こんな娘がいたら大変だろうけど、こんな娘が欲しいなーと思います。

  • 好きです。 未婚男として理想の娘です。噂で聞く世の年頃の娘さんは父親を毛嫌いするとか・・・。この作品の主人公・絣は父親と仲が良いです。父親と一緒に住んでないから仲が良いんかなぁ。作者が男やから理想の娘像を書いたんかな。 ああ、娘欲しいー。結婚したいー。彼女欲しいー!

  • 強くて優しい人間を演じるのは難しい。格好悪くても傷ついても、結局は向かい合わなくてはならないんだよね、自分と。

  • かすりちゃんっていう名前、かわいい

  • この本から、人間というものはなんでもありなんだ、ということを学んだ。

  • 灰谷さんの中では結構大人めな年代が主人公。
    まず、名前がとても気に入りました。
    からまった洗濯物をほどく・・・様子が印象に残っています。

  • この作者の「兎の眼」が面白かったので、第二弾で借りてみた。
    主人公の女の子は登場時点で15歳で、終わりの方で17歳になる。
    主人公はすごく口が達者で、誰に対しても物怖じせず正論で話し、大人顔負けの和食も作る。
    読み始めは、このくらいの年でこんなに大人びた子がいるものかと思ったが、読んでいるうちに彼女の家庭環境を見てると、こういう子にならざるを得ないのかなと思い始めた。

    主人公以外には主な登場人物として、パパ・ママ・ボーイフレンドが出てくるけど、パパもボーイフレンドも台詞の端々から知性の深さを感じて驚いた。
    深い台詞が多くて書きとめておきたくなるかも。
    この人の書く殿方は、理性的なのに、時には自分の筋をつらぬくために大胆な行動に出たり、それでいてちょっと茶目っ気もユーモアもあって魅力的な人が多い。
    主人公もパパもBFもかっこいいと思ったけど、ママの生き方には賛同しかねる。

    この作者は結構重めのテーマを扱うらしいのだが、今回の話は登場人物がそれぞれ問題を抱えているとはいっても暗さをそんなに感じず、さくさく読むことができた。

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著者プロフィール

灰谷 健次郎(はいたに けんじろう)
1934年10月31日 - 2006年11月23日
兵庫県神戸市生まれの児童文学作家。定時制高校商業科を卒業。大阪学芸大学(現・大阪教育大学)学芸学部卒業後、小学校教師に。そのかたわら、児童詩誌『きりん』の編集に関わる。
短編小説「笑いの影」が問題となり、事件身内の不幸が重なったことを契機に1971年小学校教師を退職、沖縄・アジア各地を放浪。1974年『兎の眼』で児童小説デビュー。その他代表作に『太陽の子』『ろくべえまってろよ』、テレビドラマ化された『天の瞳』などがある。

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