紳士協定: 私のイギリス物語 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 188
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (405ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101331775

作品紹介・あらすじ

1986年、入省二年目の私はイギリスに降り立った。ロシア語研修に追われる慌ただしい生活の中でできた友は、好奇心旺盛な12歳の少年グレン。ロンドン書店巡り、フィッシュ&チップス初体験――。そんな小さな冒険を重ね、恋の痛みや将来への不安を語りあった私たちは、ある協定を結んだ……。聡明な少年を苛む階級社会の孤独と、若き外交官の職業倫理獲得までの過程を描く告解の記。

感想・レビュー・書評

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  • 正直に言うと、少年との交流よりも、外務省の同僚との交流が心に残る。

  • 全然興味ない感じで読み始めたんだけど、凄く読みやすくて面白かった。自分の体験とちょこっとだけ重なる部分もあったりして、あああ、わかる、とか、あの状況でこれって凄いな、とか色々思いながら読んだ。

  • 久々に、色んな味わい方のできる良書に触れた。入省間もない研修生時代の佐藤優の自叙伝。イギリス留学の中で出会ったホームステイ先の少年との心の交流。外務省同期と交わす、新人時代の会話。青春小説としても楽しめるし、留学紀行文としても味わえるし、新入社員の初々しい雰囲気を楽しむ事もできる。何より少年との純文学的物語。

    何故だろう、佐藤優が経験を積み、少年が大人になり、同期とは次第に距離が離れ、移りゆく環境における栄枯盛衰の喪失感。心にジワリとくるノスタルジア。どれも素晴らしい読後感である。

  • 【展示用コメント】
     1986年、入省二年目の私はイギリスにいた。語学研修に追われる単調な日々の小さな楽しみは、ステイ先で出会った12歳のグレンとの語らいだった。(裏表紙カバーより)

    【北海道大学蔵書目録へのリンク先】
    https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?lang=0&amode=11&place=&bibid=2001628119&key=B154510048507832&start=1&srmode=0&srmode=0#

  • 外務省に専門職員として入省し、「ロシアスクール」に属した著者は、1986年~87年にかけて、ロシア語習得のためイギリスに派遣される。本書は、その一年強の間のイギリス滞在記、特に最初の5週間のEJEF(日本人向けの英語研修機関)での英語研修期間中にホームステイ先で出会ったグレンという少年との交流が詳細に語られている。

    グラマースクールで孤独を味わっていたグレンを友人として対等に扱い、深い心の絆を築いた著者の人間性(ここまで尽くすかなあというくらい、打算抜きでい親身に接しているのは凄い)。そして、細部を必要以上に正確かつ詳細に描いてしまう著者の性癖(この点は、著者の他の著書にも共通する、そしてどの書も知識詰め込みすぎになっていると思う)。何れも著者の人間性が強く現れていて興味深いと思った。

  • 著者である26歳の日本人外交官と、12歳のイギリス人少年との交流を描いた回想録。
    著者のエグい教養作品とは違った進学や恋愛相談を通じて、生々しく、心温まる交流を描いた文学的な作品だと思う。

    大学出たばっかりの26歳で、自国の文化や歴史を語りつつ、「(イギリス人に対し日本)食は文化だから、食べなくてもいいんだよ」と言えるか?著者の本当のグローバルコミュニケーション能力・才能には、恐れいる。
    海外赴任する人だけでなく、国内転勤族にも、使える実践的知識だと言っても過言ではないだろうか。
    他人との交流のあり方において。

    本作品の時代からは、変化しているのかも知れないが、生活レベルで見た日英の違いも見逃せない。

  • 是非とも読みたかった一冊

  • 1980年頃のイギリスの文化、国際情勢、日本人がどう見られていたか、等を知ることができた。現在は大分状況が違うにしても、イギリスに行くことがあればその前に読んでおきたい本だと思いました。著者と少年グレンの対話が面白く、二人の関係が羨ましくも思いました。

  • 佐藤優氏のイギリス研修生時代の小説。佐藤氏が外交官としての方向性を形成する時期に何を考えていたのかが分かる。
    「先生と私」の方が私は好きですが、本作も佐藤氏のイギリス分析も含まれており、負けず劣らず面白い内容です。

  • 外交官専門職員の最初の1年か何の生活について分かるようになる。
    ノンフィクションだが読みやすかった。
    外交官になった理由や仕事、裏事情を赤裸々に書いている。

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著者プロフィール

作家、元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。現在は、執筆活動に取り組む。著書に『国家の罠』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。おもな著書に『国家論』(NHKブックス)、『私のマルクス』(文藝春秋)、『世界史の極意』『大国の掟』『国語ゼミ』(NHK出版新書)、『十五の夏』(幻冬舎)で梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。ほかにも著書多数。

「2020年 『人類の選択』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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