いま生きる「資本論」 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2017年1月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784101331782

作品紹介・あらすじ

ソビエト崩壊後、貨幣代わりに流通したマルボロから「一般的等価物」を語り、大使館にカジノ代をたかる外遊議員が提示したキックバックに「金貸し資本」のありようを見る。『資本論』の主要概念を、浩瀚な資料と自身の社会体験に沿わせ読み解きながら、人間と社会を規定する資本主義の本質に迫る白熱のレクチャー。過労死や薄給のリスクに日々晒される我々の人生と心を守る、知の処方箋。

みんなの感想まとめ

資本主義の本質に迫る内容で、著者は『資本論』の主要概念を自身の社会体験と豊富な資料を通じて解説しています。読者の中には、難解さに挫折する声もありつつ、著者のユーモアや雑談が楽しめる点が魅力として挙げら...

感想・レビュー・書評

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  • 途中で挫折。冒頭でマルクスはとち狂った奴だという事が分かった笑

  • ①資本主義社会に生きる以上、とりあえずは競争に勝ったほうがやりやすい 熟練労働者になる
    それだけでは大金持ちにはなれないが、そもそも大金持ちになることが正義なのか?本当にそれがやりたいことなのか? 流行りに流されないこと

    ②直接的人間関係(カネと離れた相互依存関係)の領域を作ること
    本のやり取り、家庭菜園仲間、しじみを飼う、、、
    相性の合う友達が10人もいれば人生は充分なのでは

    1.恋とフェチズム
    ●マルクス
    ①革命家の魂 共産主義を起こしたい
    ②観察者の魂 資本主義とは?

    ②を主として読んでいく

    ●講座派と労農派
    講座派は天皇「制」をまずは打破し、資本主義になったところで2段階目の革命を行いたい
    労農派は、すでに天皇制は崩壊しているので、一度の社会主義革命で事足りると考えている

    天皇「制」という言葉は、共産主義者しか使わない
    制度ということは可変だから

    ●価値と使用価値
    価値
    ボールペン 100円
    ピザ1,000円

    使用価値
    ボールペン 書く
    ピザ 食べる

    貨幣は必ず商品になるが、商品は必ずしも貨幣になるのは限らない
    【商品は貨幣に恋をするが、真の恋が平らかに進んだ試しがない】

    ボールペンが100本あったり、ピザが100枚あったら貨幣にならない可能性があるが、貨幣はいくらあっても良い=フェチズム

    2.どうせ他人が食べるもの

    論文を書くにはまず型を覚えなさい

    ミスプリントの箇所を変えることで、どの新聞社が漏らしたのかわかる
    アサドに潜入していたモサドのスパイ
    捕まってなお、ミスプリントのない電報を打つことで敵の手に落ちた事を知らせた

    資本欄は商品から始まる

    資本家にとって商品は儲けるためならなんでも良い=食品偽装もおこる

    地主階級、資本家階級、労働者階級
    この三者に搾取はあるが(合意はあるが)収奪はない
    公務員・官僚は社会から収奪するもの
    国家は全く別枠で存在している

    3.カネはいくらでも欲しい

    贈与と相互扶助と商品経済
    島は前者2つの存在感が大きい

    消費者
    W-G-W
    資本家
    G—W-G’(G+g)
    金貸し資本
    G•••••••••G’(G+g)

    W=ware バーレ 商品
    G=geld ゲルト 貨幣

    賃金の三つの要素
    ①生きるためと娯楽の費用
    ②(次の労働者階級を生産するための)家族の維持、結婚、子供を育て教育する費用
    ③(イノベーションに対応するための)自己教育費用

    4.われわれは億万長者にはなれない

    資本家
    G-W(AとPm)
    内部留保は賃金に反映されにくい
    資本主義システムが回っていると、労働者は「こんなものなんだ」と思うようになる

    5.今の価値観を脱ぎ捨てろ

    論理学
    同一律 A= A
    矛盾律 Aと非Aは同時に存在しない
    排中律 AとAでないものがある時、その真ん中はない

    資本というのは絶えざる運動
    資本は神秘化され、資本主義は過度な競争に行き着く
    貨幣形態は、カネの背景を消し去る
    【魂の労働】

    6.直接的人間関係へ

    貨幣
    流通手段、価値尺度、蓄蔵手段

    株式は貨幣でなく商品
    貸付には利子がつく
    株式は利益を得られる保証がない

    株式会社である以上目的はカネ儲けにしかならない
    それが資本主義社会の制約
    資本主義の論理が届かない場所=家庭
    それが【直接的人間関係】があるということ


    ◯その他
    古典が重要
    具体的に役に立つものだから
    論語、孫子、維摩経、法華経、旧約聖書、新約聖書、古事記、太平記、国家、形而上学、歴史序説、方法序説、モナドロジー、純粋理性批判、精神現象学、論理学研究、論理哲学論考、存在と時間、善の研究

    【内在的理論】=相手の靴を履く?

  • 私にはさっぱり資本論はわかりまへんでした❗
    ただ佐藤さんの雑談はいろいろとおもろいです(笑)

  • 佐藤先生の仰る通り自分なら序文で脱落するであろう資本論を先生の膨大な知識から教示頂ける講義。各章の課題もまるで解けなかった。自分の脳が最底辺というのもあるが受講者の方々の知識や見解もレベルが高いように見受けられる。
    本書にあるように論理学からやらねば自分は駄目かもしれぬ事が分かった。

  • 高校頃の恩師に「大学を卒業する頃に本棚に『資本論』がないやつは、4年間を無駄にしたと思え」と言われたことをふと思い出して手に取った。

    『資本論』もこれまで手に取ったことはあったものの、第一章の初っ端で挫折した経験があり、ぐじぐじと、いつかは読みたいと悩んでいた。
    本書はそんな初学者にも面白く読むことができて満足。随所の脱線や、著者の経験に基づく卑近な例えを用いた説明は面白いのでスルスルと読めて、とっつきやすかった。

    ただし、受講生のレポートや質疑のレベルの高さには正直ついていけず、説明箇所を何遍も繰り返して読んだり、あるいは何回読んでも最後までモヤモヤしたままの箇所もちらほらある。
    やはり納得いくほどの理解には至らなかったのでもう数冊くらい関連図書を読もうと思う。何度か勧められていた柄谷行人あたりからかな。

    まとめとして述べられていた、これを読んだ上で視点を変えて世の中をみたとき、少しでも息がしやすくなることと、これからどう生きようとするか考える余地が生まれる、というのはその通り。
    読んだ誰かと意見を交換してみたりしたい。

  • 同志社大卒の佐藤優さんによる一般聴講生向けのマルクス講座の文庫版。マルクスの資本論を読まずにここまで来てしまったが、過去の古典としてではなく「今を生きる」ための実践的な教養である事がよくわかる。受講生とのやり取りや佐藤優さん独特の例えも楽しめる。学問とは難しい事を平易な言葉で語って初めて理解したという事なのだと痛感。

  • 資本主義経済は止められない。(この構造よりいいものが見つからない)
    では個人としてどう生きていくか。それはコモディディにならないこと。
    なにか自分に合った専門分野をみつけてそれを極める。つまり代替されにくい人材になるという事。

    この変化の激しい時代では何がAIによって何が代替されるか予想するのは難しいかもしれないが、「柔軟な思考をもちながら学び続ける」という事が大事だと感じた。

  • 初めて読んだ「資本論」。難しかった!
    でも世の中の仕組みについて勉強になることがたくさん書いてあった。
    しばらくしてからもう一度読みたい。

  • カール・マルクスの『資本論』を資本主義社会の内在的論理を解明した書として理解することを目指した、著者による6回にわたるセミナーを活字化したもの。
    『資本論』は、名前しか知らなかったが、本書では全三巻のポイントを何回も漆塗りを重ねるように説明するので、労働力の商品化、商品の使用価値と価値、賃金の成り立ち、搾取と収奪といったことの説明は何となく頭に入った。
    マルクス経済学にも派閥があることさえ知らなかったし、プロレタリア革命とセットという認識の修正にもなった。
    古書の値段、ソ連事情、マルクス経済学の派閥による見解の違いなど、関連しつつも脱線したお話をする著者の人となりに興味を惹かれた。
    とはいえ、資本主義社会の論理として、資本家は利潤の最大化をどこまでも追及するだけなのか、賃金が労働者の生活維持を保障するものなのかなど、どこか納得できないところ、さらには分からないところも結構あった。
    20-42

  • 佐藤優氏の新潮講演を文字の起こしたもの。内容は、マルクス資本論について、労働力商品化をキーワードにして読み解き、解説するもの。
    全6回の講義なので、資本論全体を読むわけではなく、全体の中で重要なところをピックして分かりやすく解説する形式であり、講義を受ければ、ある程度それ以外のところも自分で読み解けるようになることをゴールにしている感じ。
    資本論や参考書籍を手元において読むのが正しいが、そうしなくても十分理解できる程度に論点が絞られ、解説も丁寧にされている。
    資本論がすぐに何かに役に立つわけではないが、骨太のロジックを持つ古典を読み解くことで、知的好奇心を刺激されるとともに、全く異なる現代の課題や実務的な課題に対しても、今までにない視点で考察できるようになれるかもしらない。

  • 著者のおこなった『資本論』についての6回の講義をまとめた本です。

    いわゆる『経済原論』の内容をかみ砕いたものというよりも、『資本論』のなかから著者自身の関心におうじていくつかの議論をとりあげ、現代の世界情勢について考えるためのアクチュアルな視点を紹介するといったような内容になっています。とくに宇野弘蔵や柄谷行人の思索がもつ可能性について考えるきっかけをあたえてもらったように思います。

    また、毎回の講義の最後に著者から受講者へ課題があたえられ、次の講義でその課題についての解説がおこなわれています。この課題も、マルクス経済学を現代という時代に生かしていくためのポイントを読者に教えてくれるようなものになっています。

    著者は、日本における講座派と労農派の対立を重視しており、とくに講座派的な発想を京都学派的な否定神学に通じるものとしてとらえるとともに、労農派的な発想が世界システム論に通じると主張し、柄谷の後期の文明論的な思想に労農派的な発想を見てとって、これを高く評価しています。ただわたくし自身は、こうした著者の整理の仕方そのものは興味深いと感じたものの、やはり文明論やシステム論的なものの見方にはなじめないという認識をあらためて確認しました。

  • 宇野弘蔵学派のマル系の本で初めて読み通せたもの。いや勿論学者先生の書いた理論書ではないし、読み通せたといっても最後の方はちんぷんかんぷんだったが。初めて読み通せたというだけで自分は偉いと思うし、読み通せる本を作ってくれたというだけで著者は立派だと思う。
    与太話が多すぎて肝心の理論面にあまり紙面を割いていないのには並行する。理論面の記述が少ない分理論面の解説は雑になっていて、そのせいで難しく感じるのかもしれない。

  • 大変乱暴な気もしたが、著者なりの観点で、宇野弘蔵を援用しながら読み解いたマルクス『資本論』のエッセンスが読み取れる。 著者は、資本主義経済の基本原則をきちんと認識するためにはマルクスの視点によらざるを得ないと考えており、これと革命論は切り離している。

  • マルクスの「資本論」を読破することは私にはできませんが、どういうことが書かれいるのか、噛み砕いて説明してくれる本は読んでみたい。佐藤優さんの講話はそんな私でも読み進むことができました。受講生の優秀さにただただ驚くばかりです。

  • 資本論全体を理解することを目的とするよりは,それを解釈するためにどのような思考を経るべきかが記述される.元々講義と演習で展開された内容が文章化されたものなので,読んで理解できる内容ではない.受け手側としても,どのように資本論を生かすのか,その方法論の一端の理解が目的だったので,それは果たされた.

  • 資本主義社会は、競争の中に入ってしまうと、基本的に一人しか満足できない仕組みになっている。
    病んでいる社会の構造はどこから来ているのかと言えば、労働力が商品化されることによって、過剰に欲望を刺激する形で商品をどんどん購入させないと、この社会は成り立たなっている。
    資本主義の論理が皮膚感覚になるまで組み込まれないために、資本論は処方箋として今も生きていた。

  • マルクスの「資本論」から現代を読み解くというテーマ本。資本論は日本の幕末時代に書かれたものだが、佐藤氏の出色の解説でこの時代でも全く色あせていないのを実感できた。古典とはこのように読むものだということを学ばせてもらった。と同時になかなか素人が簡単に読み解けるものでもないなとも…。
    資本論を通して、今我々が置かれている資本主義上の危機的な状況とそれに対する考え方も解説されていて、今後生きて行く上での処方箋となっている。個人的にはちょっと悲壮感を持ちつつも、対応する覚悟をもらった。

  • 最初の一頁は声を出して読むことにします。

  • 難解な資本論を平易な文章で解説。分かりやすいし、面白く読める。が、それでも内容は難解。
    ただ、講義の出席者の課題レポートの内容もかなりレベルが高く、そんなレポートは自分には出せず、自分の知識の無さが身にしみた。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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