恋の聖地: そこは、最後の恋に出会う場所。 (新潮文庫)

  • 新潮社
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本棚登録 : 444
感想 : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101332543

作品紹介・あらすじ

大人なら誰でも、愛に傷つくことがある。望みのない恋に溺れたり、かけがえのない相手を見失ったり。けれど、そこに行けばきっと出会えるはず。まだ見ぬ大切な人に。忘れかけていた、いつかの自分に。だから、日常を離れて旅立とう。小さな奇跡をさがす、祈りにも似た想いを抱えて――。全国各地にある「恋人の聖地」を舞台に、七人の作家たちが紡ぎ出す、七色の恋愛アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 恋の聖地シリーズ?最新刊が良かったのでこちらも。
    予想に反して重い話が多かった。
    もっと軽く楽しめるかと思ったんだけど・・・。

    私がよく読むのは窪さん、原田さんくらいで後の作家さんは読んだことない人がほとんど。
    なので作家の個性が出てるかどうかは判断しがたいけれど、窪さんにしてもそれほど魅力を感じず。
    断然最新刊のほうが良かったな、正直。

    一番好きだったのはトリを飾る瀧羽麻子さんの「トキちゃん」。
    おばあちゃんと孫、しかも男の子ってのがいい。
    この組み合わせって最強!と勝手に思う。
    おばあちゃんに優しいのって最終的には男の子じゃないかと・・・。

    あとは個人的な理由から千早茜さんの「しらかんば」。
    舞台になる八千穂高原がなつかしくて。
    物語に登場する白駒池も行ったことがあるし、そもそも観光というよりすぐそばに住んでいた。
    まさか恋人の聖地があるなんて(笑)
    前はなかったような気がするけれど。
    そんなロマンティックな場所だったかな、ふふふ。
    でも美しい自然がいっぱいで素敵な場所であることには変わりがないけれど。

  • 恋の味は、甘いだけではない。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    全国各地にある「恋人の聖地」を舞台にした、7人の作家たちによるアンソロジー集です。

    「恋」のアンソロジー集というと、甘さ多めのお話かなと思いきや、むしろホイップクリーム少なめの、「恋」の苦みやせつなさを多く感じるお話が多めでした。
    色んな恋があるということを教えてくれる1冊ではありますが、「そこは、最後の恋に出会う場所。」というサブタイトルとやや合わないお話もあり、☆2つにさせてきただきました。
    相手をとても想っていることは伝わるけれど、それを“最後の恋”にしてしまうには、まだまだ人生長いからね、と言いたくなるお話もあったからです。

    びっくりしたのは柴門ふみさんのお話が漫画だったことでしょうか。
    小説集だと思いこんでいたので、「おおっ」という感じでした。
    三浦しをんさんの「聖域の火」、瀧羽麻子さんの「トキちゃん」が、不思議な出来事もありつつも、恋し続けることの難しかしさも教えてくれるお話で、好きだな…と思いました。
    特に「聖域の火」を読んだ人のなかで、つきあったり結婚を迷っている人がいたなら、多分読み終えてすぐ、相手に想いを伝えにいくのではないでしょうか。

  • 題名からして物凄い恋愛小説を想像して購入を躊躇ったが三浦しをんさんの話が読みたくて購入。恋の聖地と呼ばれるスポットを舞台に綴られる7つのお話。
    不安は杞憂に終わり、いかにも恋愛小説!という話でなく、新しい恋の始まりだったり過去の恋との決別だったりで結構楽しく読めた。やはり、しをんさんの話は良かった。宮島は何度も行った事があるが、厳島神社の方ばかりで弥山には行かなかったので、また是非訪れてみたいと思った。

  • 最後の瀧羽麻子さんの「トキちゃん」に涙。いつも凛として言葉少ない祖母トキと一緒に旅をするハメになる孫視点。祖母の地元を訪ねるうちに、祖母と祖父のロマンスが見えてくる。2人が美男美女でかけおち同然だったことも。人はいつか老いる。孫の「トキちゃん」はなんてあたたかいんだろう。

  • なんだろう、このいかにもなタイトル。
    好きな作家さんが何名か名を連ねていたので借りてみたけど、、うーん・・・

    アンソロジーってやっぱり物足りない。
    好きな作家さんを見つけるきっかけにはなるかもしれないけど、試食品みたいです。

    関西だと貴船神社や地主神社の恋占いの石とか、HEPの観覧車あたりが選ばれるのかな。

  • 恋人の聖地…日本全国に100箇所以上ある、ロマンチックな名所。その中から7箇所を選んで作家達が実際に足を運び、描いた恋愛アンソロジー。
    「恋人の聖地」って初めて知りましたが、旅気分でどの話も面白く読めました!その地を訪れているからこその臨場感。景色が目の前に見えるようでした。
    トップバッターは、恋と旅を絡めたストーリー展開には右に出る者なし!と個人的に思っている、原田マハさん(帯広・愛国駅~幸福駅)。彼女の描く北海道の光景、好きです。
    大沼紀子さん(千葉・石のまち)、千早茜さん(長野・八千穂高原)。2人の作品は初めて読んだが、構成が巧く、いい意味で先が読めなくってよかった。
    唯一のマンガ作品、柴門ふみさん(名古屋・テレビ塔)。柴門さんらしいベタさに胸キュン。再会した幼馴染のイケメンぷりにこちらもときめきました。
    ずっしりとした読後感の窪美澄さん(長野・八島ケ原湿原)、三浦しをんさん(広島・宮島弥山)、瀧羽麻子さん(熊本・阿蘇山本堂)。文句なしに素晴らしかった。「生きていく」ということについても色々思い巡らしてしまうような、傑作。
    どのストーリーも思った以上に雄大で壮大で。表紙のシンプルさからは想像もつかなかった。私は結構装丁にもこだわっちゃうタイプなので、もうちょっとイメージに合った表紙にしてほしかったというのが、惜しいなと感じたところ。
    実力派の女性作家たちによる贅沢なアンソロジー、骨のある短編が読みたいなというときに是非おすすめしたいです。恋愛がテーマだけど、ただ甘いだけじゃないのもよし!どちらかというとほろ苦さが際立っているけれど、報われない恋に、追われるような仕事に消耗しきったヒロイン達が足元を見つめ直し、再生していく姿にはかなり勇気付けられます。

  • 短編集で、知っている作家から知らない作家の話があっておもしろかった。どの話も最後は心が温かくなるような、希望のあるもので、読んでいて楽しかった。どの主人公もなんらかのひっかかりを抱えていても、旅行先での出会いや気づきが気持ちを変えていくのが印象的だった。

  • 最後の恋に出会う場所というサブタイトルから、べた甘の話を想像していたけれど、切ない話が多く、最後に一筋の明かりがともるような感じのものが多かった。三浦しをんさんと窪美澄さん、大沼紀子さんの作品がよかった。

  • 恋の聖地にまつわる短編が、それぞれ女性作家の筆によって綴られる。
    全体的に読後感は悪くなく、切なくも未来を期待させるものが多い。

    切なくも。
    それが今回のキーワードだ。

    聖地というからには場所であるが、その場所に向かうのには必ず訳がついてまわる。
    その理由は、多くが聖地が故郷というものだ。
    都会でいろいろとあって疲れ、故郷にちょっと帰ってみた先で出会う、初恋の人の残していったものであったり、幼馴染みだったり、不思議体験の女神そっくりな人だったり、片想いされていた相手だったり、祖母の亡くなった夫であったりするのだ。

    故郷と結びついていないのは、相手が思い入れのある場所に初遠出で連れていかれた場所と、恋人の面影を探して旅歩いてたまたま行った場所の二編くらいか。

    故郷はすでに人間関係が出来上がっているから、ミラクルな出会いを並べ立てなくても自然と最後の恋に出会えさせやすかったのだろう。

    自分の心が傷ついているとき、弱まっているときは、現状を打破したいと思う気持ちも強い。
    その前向きな気持ちがあるからこそ、今まで見向きもしなかった場所、遠ざかっていた場所に帰ることで、改めてその場所のよさを認識でき、今まで見向きもしなかった人物や心に封じてきた人のよさをも再認識することができたのだろう。

    傷ついているのはなにも主人公だけではない。
    出会う相手にもなにか一筋縄ではいかない事情を背景に持っている。
    だからこそ、弱っている主人公に共感して支えの手を差しのべることができたのだろう。

    一冊通して強烈に目に焼き付いているのは、千早茜の「しらかんば」の山の白樺林と朝の冷たく湿った白い靄の風景である。
    登場人物もお相手が大層強烈だ。

    それから三浦しをんの「聖域の火」は、クライマックスがファンタジーでできていて、どうせ三喜と将来的に仲良くなるのだろうと思っていたら、どうもそうではないらしい。
    要のシーンでは、それまでが現実的な描写だっただけに、ファンタジーのような再会は若干違和感を感じるものでもあった。
    要は三喜の正体が気になっているのだが、明確な答えを知れる日はなさそうである。

    総合して読みやすく、短いながらもそれぞれらしさを発揮した力作揃いといえるだろう。

  • 日本各地にある、恋人の聖地を舞台にした、七人の作家さんによる恋愛アンソロジー。
    千早茜さん目当てで買ったのですが、三浦しをんさんの『聖域の火』が一番好みでした。
    勿論、それぞれ面白いんですけれども。

    ・・・実は、私があまり好きではない某作家さんの話は、面白い事は面白いんだけれど、やはり、例によって、どこがどうとうまく言えないんだけれども、微妙にいらっとしました・・・。

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著者プロフィール

原田マハ小説家。1962年東京生まれ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。2005年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞しデビュー。2012年『楽園のカンヴァス』で山本周五郎賞、R-40本屋さん大賞などを受賞、ベストセラーに。2016年『暗幕のゲルニカ』がR-40本屋さん大賞、2017年『リーチ先生』が新田次郎文学賞を受賞。その他の作品に『本日は、お日柄もよく』『ジヴェルニーの食卓』『デトロイト美術館の奇跡』『たゆたえども沈まず』『常設展示室』『風神雷神』など多数。ヤマザキマリ東京造形大学客員教授。1967年東京生まれ。84年にイタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。2010年『テルマエ・ロマエ』でマンガ大賞 受賞、手塚治虫文化賞短編賞受賞。2015年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

「2022年 『妄想美術館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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