恋の聖地: そこは、最後の恋に出会う場所。 (新潮文庫)

  • 新潮社
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本棚登録 : 376
レビュー : 63
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101332543

作品紹介・あらすじ

大人なら誰でも、愛に傷つくことがある。望みのない恋に溺れたり、かけがえのない相手を見失ったり。けれど、そこに行けばきっと出会えるはず。まだ見ぬ大切な人に。忘れかけていた、いつかの自分に。だから、日常を離れて旅立とう。小さな奇跡をさがす、祈りにも似た想いを抱えて――。全国各地にある「恋人の聖地」を舞台に、七人の作家たちが紡ぎ出す、七色の恋愛アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 恋の聖地シリーズ?最新刊が良かったのでこちらも。
    予想に反して重い話が多かった。
    もっと軽く楽しめるかと思ったんだけど・・・。

    私がよく読むのは窪さん、原田さんくらいで後の作家さんは読んだことない人がほとんど。
    なので作家の個性が出てるかどうかは判断しがたいけれど、窪さんにしてもそれほど魅力を感じず。
    断然最新刊のほうが良かったな、正直。

    一番好きだったのはトリを飾る瀧羽麻子さんの「トキちゃん」。
    おばあちゃんと孫、しかも男の子ってのがいい。
    この組み合わせって最強!と勝手に思う。
    おばあちゃんに優しいのって最終的には男の子じゃないかと・・・。

    あとは個人的な理由から千早茜さんの「しらかんば」。
    舞台になる八千穂高原がなつかしくて。
    物語に登場する白駒池も行ったことがあるし、そもそも観光というよりすぐそばに住んでいた。
    まさか恋人の聖地があるなんて(笑)
    前はなかったような気がするけれど。
    そんなロマンティックな場所だったかな、ふふふ。
    でも美しい自然がいっぱいで素敵な場所であることには変わりがないけれど。

  • 題名からして物凄い恋愛小説を想像して購入を躊躇ったが三浦しをんさんの話が読みたくて購入。恋の聖地と呼ばれるスポットを舞台に綴られる7つのお話。
    不安は杞憂に終わり、いかにも恋愛小説!という話でなく、新しい恋の始まりだったり過去の恋との決別だったりで結構楽しく読めた。やはり、しをんさんの話は良かった。宮島は何度も行った事があるが、厳島神社の方ばかりで弥山には行かなかったので、また是非訪れてみたいと思った。

  • なんだろう、このいかにもなタイトル。
    好きな作家さんが何名か名を連ねていたので借りてみたけど、、うーん・・・

    アンソロジーってやっぱり物足りない。
    好きな作家さんを見つけるきっかけにはなるかもしれないけど、試食品みたいです。

    関西だと貴船神社や地主神社の恋占いの石とか、HEPの観覧車あたりが選ばれるのかな。

  • 恋人の聖地…日本全国に100箇所以上ある、ロマンチックな名所。その中から7箇所を選んで作家達が実際に足を運び、描いた恋愛アンソロジー。
    「恋人の聖地」って初めて知りましたが、旅気分でどの話も面白く読めました!その地を訪れているからこその臨場感。景色が目の前に見えるようでした。
    トップバッターは、恋と旅を絡めたストーリー展開には右に出る者なし!と個人的に思っている、原田マハさん(帯広・愛国駅~幸福駅)。彼女の描く北海道の光景、好きです。
    大沼紀子さん(千葉・石のまち)、千早茜さん(長野・八千穂高原)。2人の作品は初めて読んだが、構成が巧く、いい意味で先が読めなくってよかった。
    唯一のマンガ作品、柴門ふみさん(名古屋・テレビ塔)。柴門さんらしいベタさに胸キュン。再会した幼馴染のイケメンぷりにこちらもときめきました。
    ずっしりとした読後感の窪美澄さん(長野・八島ケ原湿原)、三浦しをんさん(広島・宮島弥山)、瀧羽麻子さん(熊本・阿蘇山本堂)。文句なしに素晴らしかった。「生きていく」ということについても色々思い巡らしてしまうような、傑作。
    どのストーリーも思った以上に雄大で壮大で。表紙のシンプルさからは想像もつかなかった。私は結構装丁にもこだわっちゃうタイプなので、もうちょっとイメージに合った表紙にしてほしかったというのが、惜しいなと感じたところ。
    実力派の女性作家たちによる贅沢なアンソロジー、骨のある短編が読みたいなというときに是非おすすめしたいです。恋愛がテーマだけど、ただ甘いだけじゃないのもよし!どちらかというとほろ苦さが際立っているけれど、報われない恋に、追われるような仕事に消耗しきったヒロイン達が足元を見つめ直し、再生していく姿にはかなり勇気付けられます。

  • 最後の恋に出会う場所というサブタイトルから、べた甘の話を想像していたけれど、切ない話が多く、最後に一筋の明かりがともるような感じのものが多かった。三浦しをんさんと窪美澄さん、大沼紀子さんの作品がよかった。

  • 恋の聖地にまつわる短編が、それぞれ女性作家の筆によって綴られる。
    全体的に読後感は悪くなく、切なくも未来を期待させるものが多い。

    切なくも。
    それが今回のキーワードだ。

    聖地というからには場所であるが、その場所に向かうのには必ず訳がついてまわる。
    その理由は、多くが聖地が故郷というものだ。
    都会でいろいろとあって疲れ、故郷にちょっと帰ってみた先で出会う、初恋の人の残していったものであったり、幼馴染みだったり、不思議体験の女神そっくりな人だったり、片想いされていた相手だったり、祖母の亡くなった夫であったりするのだ。

    故郷と結びついていないのは、相手が思い入れのある場所に初遠出で連れていかれた場所と、恋人の面影を探して旅歩いてたまたま行った場所の二編くらいか。

    故郷はすでに人間関係が出来上がっているから、ミラクルな出会いを並べ立てなくても自然と最後の恋に出会えさせやすかったのだろう。

    自分の心が傷ついているとき、弱まっているときは、現状を打破したいと思う気持ちも強い。
    その前向きな気持ちがあるからこそ、今まで見向きもしなかった場所、遠ざかっていた場所に帰ることで、改めてその場所のよさを認識でき、今まで見向きもしなかった人物や心に封じてきた人のよさをも再認識することができたのだろう。

    傷ついているのはなにも主人公だけではない。
    出会う相手にもなにか一筋縄ではいかない事情を背景に持っている。
    だからこそ、弱っている主人公に共感して支えの手を差しのべることができたのだろう。

    一冊通して強烈に目に焼き付いているのは、千早茜の「しらかんば」の山の白樺林と朝の冷たく湿った白い靄の風景である。
    登場人物もお相手が大層強烈だ。

    それから三浦しをんの「聖域の火」は、クライマックスがファンタジーでできていて、どうせ三喜と将来的に仲良くなるのだろうと思っていたら、どうもそうではないらしい。
    要のシーンでは、それまでが現実的な描写だっただけに、ファンタジーのような再会は若干違和感を感じるものでもあった。
    要は三喜の正体が気になっているのだが、明確な答えを知れる日はなさそうである。

    総合して読みやすく、短いながらもそれぞれらしさを発揮した力作揃いといえるだろう。

  • 日本各地にある、恋人の聖地を舞台にした、七人の作家さんによる恋愛アンソロジー。
    千早茜さん目当てで買ったのですが、三浦しをんさんの『聖域の火』が一番好みでした。
    勿論、それぞれ面白いんですけれども。

    ・・・実は、私があまり好きではない某作家さんの話は、面白い事は面白いんだけれど、やはり、例によって、どこがどうとうまく言えないんだけれども、微妙にいらっとしました・・・。

  • タイトルはイマドキな行間ばっかりのレンアイ小説を連想させますが、全然違う。土地の情景描写も素晴らしく、脳内スクリーンに鮮明に映る。恋の聖地を舞台にしつつ、描かれるのは恋の周辺。でも周辺と思わせておいて実は本質なのかも。三浦しをんさんのがやっぱりよかったな。宮島また行きたいぞ。

  • 女性作家7名による短編集。キーワードは恋の聖地。どれも正統派の恋愛小説というわけではない、不思議な心の触れ合い、恋の予感のようなものという感じ。原田マハ「幸福駅」は北海道・幸福に来た男性への家族の思い。三浦しをん「西域の火」は広島・宮島弥山。適齢期を過ぎた年齢の独身女性は著者たちを思わせる。どれもが、寂しさをどこか抱えつつも、男性の優しさに触れるような物語り集。千早茜「しらかんば」は長野・八千穂高原で出会ったトッポイ女の子に少しずつ惹かれていく主人公が印象的だったし、瀧羽麻子「トキちゃん」は阿蘇山を祖母と旅行し、祖母の若い日の恋を知る孫の男の子が興味深い。しかし、副題とはいずれも違う内容だったが…。その前触れか?

  • 【図書館】全国の恋の聖地を絡めたアンソロジー。1番目が大好きなマハさんでやっぱり泣かされた。2番目は『真夜中のパン屋さん』の大沼さん、恋愛に発展しそうな余韻を残しながら終わる感じが好き。その他のお話も素敵でどれが1番と選べなかった。紫門さんの短編コミックもあるのがまたよい♪恋愛かぁ…怖いけどまた恋愛したい気持ちも少しだけある。

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著者プロフィール

原田 マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。
馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。
2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞となり話題になった。

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