X’mas Stories 一年でいちばん奇跡が起きる日 (新潮文庫)
- 新潮社 (2016年11月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101332567
作品紹介・あらすじ
もう枕元にサンタは来ないけど、この物語がクリスマスをもっと特別な一日にしてくれる――。六人の人気作家が腕を競って描いた六つの奇跡。自分がこの世に誕生した日を意識し続けるOL、イブに何の期待も抱いていない司法浪人生、そして、華やいだ東京の街にタイムスリップしてしまった武士……! ささやかな贈り物に、自分へのご褒美に。冬の夜に煌めくクリスマス・アンソロジー。
感想・レビュー・書評
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人気作家6名が競作するクリスマス・アンソロジー。
朝井リョウ「逆算」
あさのあつこ「きみに伝えたくて」
伊坂幸太郎「一人では無理がある」
恩田陸「柊と太陽」
白河三兎「子の心、サンタ知らず」
三浦しをん「荒野の果てに」
最初の朝井さんの「逆算」が既読だったため「この本、もしかして1回読んだっけ」と思ってしまいましたが、朝井さんだけでした。伊坂さんは「ジャイロスコープ」に載っていた作品らしいですが「ジャイロスコープ」は、なんと未読でした。(読まなくちゃ)
朝井さんとあさのさんは恋愛系で、伊坂さんと白河さんはクリスマスプレゼント系(サンタクロース系)とでもいったらいいでしょうか。恩田さんは不条理系で三浦さんはタイムスリップ系?
私はあさのさんの恋愛系と伊坂さんと白河さんのサンタの話がよかったです。
昨日、一日かけて読み、クリスマスの気分を味わいました。
恩田さんの不条理系にもありますが、クリスマスと言うのは本当に面白い日ですよね。
サンタがいたり、プレゼントをもらったり、恋人同士が急に仲良くなったり。
私も若い頃は誰と一緒に過ごすかが問題だった頃もありましたが(たいてい友だちか家族と過ごしていました)、今はクリスマスはしいて言えば、自分の好きなごちそうを作って食べる日です。
今夜はチキンとパスタ、アヴォガドのサラダを作る予定です♡
音楽はマライア・キャリーがいいかなあ♡
ブクログの皆さまもどうぞ素敵なクリスマスの一日を過ごされますように! -
クリスマスということで購入。
クリスマスに関連の物語が6作。豪華な作家さんたちの物語が一気に読めてクリスマスを味わえました。 -
クリスマスにちなんだ人気作家たちの短編集。
どれも面白かったし、どれも好きな話!
朝井リョウさんの「逆算」と、伊坂幸太郎さんの「一人では無理がある」が特にお気に入り。
「逆算」は、そこまで逆算する?!と思いながらも、この歳には母は結婚してたんだな〜とか比べてしまう気持ちは共感。
「一人では無理がある」では、サンタが業務として会社になってる面白さとか、2つの話が繋がるところに「なるほど!」と思ったり。結果が良ければ全て良し!
三浦しをんさんの「荒野の果てに」も良かった。
タイムスリップものなので、江戸時代の人間と現代人のすれ違いがコミカルだったけど、最後はちょっと考える。今も昔も、新しい概念って受け入れられないし、市民権得るまで相当時間かかるよね…と。日本人の性質なのか?
恋愛ものじゃなくても、クリスマスって描けるんだな〜と思った1冊でした。 -
一言で言うとクリスマス特番の世にも奇妙な物語みたいな感じ。
短編なため長編と比べてはクライマックスの感動や終盤の伏線回収がどうしても弱くなってしまうが、著名な作家陣が織りなす6つの小さな奇跡に感動させられた。
クリスマスを題材にした小説というと、ディケンズのクリスマスキャロルやケストナーの飛ぶ教室など外国作品が未だに台頭しているイメージだが、やはり日本人作家の描くクリスマスも味わい深い。
「十二月二十四日のディズニーランドは、ちょうど週末と重なっていたこともあってか、とても混んでいた。園内のそこらじゅうをぞろぞろと移動する大量の人間の姿は、全身の血管を流れていく無数の赤血球を思い出させるほどだ。」(p47『逆算』朝井リョウ)
このような面白い文章表現が味わえるのも日本人作家の描くクリスマス作品の良いところだと思う。
やはり翻訳された外国作品だと内容はいいのだがどうしても美しい比喩表現などが失われてしまっているように感じる。
それにしても江戸時代、キリスト教を禁止してキリシタンに絵踏みを強要していた国が、今では12月になると街は赤と緑に彩られ街行く人は皆クリスマスムードに浮かれていると思うと、もはや驚きを通り越して笑えてくる。 -
12月24日。私はこのクリスマスアンソロジーを読んでいた。登場小説家が6人中5人は「嫌いではない」ということが購入した理由だった。
20代の作家の20代のクリスマス奇跡を書いた朝井リョウ、60代の作家の20歳の頃から始まる奇跡を書いたあさのあつこ、「ジャイロスコープ」で1度読んでいたはずなのに丸切りオチを思い出せなくても、愉しんだ伊坂幸太郎、滅理、来衆益し!(メリクルシユマシ)と未来のディストピアで幸せを願う恩田陸、子供らしい大人ぶった企みがかわいい白河三兎、過去の地獄から現代へ来て幸せを願う三浦しおん。Xmas奇跡の様々な物語を読み終わって、ふと気がつくと夜も更けていた。突如、文庫本が光り出した。電灯が切れかけて点滅したのかもしれなかったが、チコちゃんに叱られて今宵が既にキリスト誕生前夜ではなく誕生日当日である事を知っている私は、この小さな奇跡を、幸せを願った登場人物たちに共感してそれを寿みする出来事であると、大事にしたいと思った。
2018年12月24日読了 -
『365分の1』
逆算、作者はどんな気持ちでこんな小説を書いたのだろう。奇をてらいたくて?面白いと思って?知りたくなかった。考えたくもなかった。自分の誕生日が大嫌いになるなんて。これから私は自分の誕生日を書くたびに、誰かに伝えるたびに、そして近い誕生日の人と出会うたびに、きっとこのことを思い出してしまう。ああ、私って・・・と自分で自分を好きじゃいられなくなる。
読後、作者が5月生まれと知ってより悲しくなった。人の誕生日を笑ってネタにして面白いのだろうか。他の作者さんたちのお話しがズドンっと頭から抜けるくらいに、本当に悲しくて。主人公の代わりにこんな気持ちを一生背負わされることになるなんて思いもしなかった。 -
時期もの。やっぱり伊坂幸太郎さんが好きかな。あとは、三浦しをんさん。ほっこり心温まる系じゃない、スパイスの効いた奇跡のストーリーたちです。
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2024.11.19発売の雑誌『CU』の書評コラムで紹介させていただいた1冊。6人が綴るクリスマスをテーマにしたアンソロジー。どれも面白かった!特に心に残ったのは伊坂幸太郎さんの『一人では無理がある』と、三浦しおんさんの『荒野のはてに』。
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今年のクリスマスも仕事なので、せめてクリスマス気分を。と22日の夜から23日にかけて通勤電車の中で読了。
伊坂幸太郎さんと朝井リョウさん以外ははじめまして。
大好きな作家、伊坂幸太郎さんの『一人では無理がある』はまさか!な展開から色々あってのほっこり!がいかにも伊坂幸太郎作品らしくてよかった。
他は、
あさのあつこ『きみに伝えたくて』
白河三兎『子の心、サンタ知らず』
三浦しをん『荒野の果てに』
が心に残った。初めての作家さんだったが、どれもとても心が暖かくなった。
全体的に友達、家族、夫婦、恋人、他人、それぞれ異なる関係性のストーリーになっていたのもよかった。
自分には味わうことのできない、様々な素敵なクリスマスを読書体験できて、とても優しい気持ちになれ良いクリスマスになった。 -
物語りは、
引き込まれる
その場にいるかのように
一緒に息をする
まさに、本の魅力…
クリスマスにぴったりのアンソロジーでした。
ブクログのランキングでみつけました。
私の「2021...
クリスマスにぴったりのアンソロジーでした。
ブクログのランキングでみつけました。
私の「2021年私のベスト本」が何か選ばれたのですか?
そんなの全然知りませんでした。
お知らせありがとうございます。
あとで、みてみます。
私もブクログ通信でまことさんのベスト本が選ばれているのを見つけましたよ♡おめでとうござ...
私もブクログ通信でまことさんのベスト本が選ばれているのを見つけましたよ♡おめでとうございます!なんだか私までうれしいです♫
ありがとうございます!
なんか、夢みたいでした。
明日になったら、なくなったりしないかなぁ?
ありがとうございます!
なんか、夢みたいでした。
明日になったら、なくなったりしないかなぁ?