X’mas Stories: 一年でいちばん奇跡が起きる日 (新潮文庫)

  • 新潮社
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レビュー : 131
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101332567

作品紹介・あらすじ

もう枕元にサンタは来ないけど、この物語がクリスマスをもっと特別な一日にしてくれる――。六人の人気作家が腕を競って描いた六つの奇跡。自分がこの世に誕生した日を意識し続けるOL、イブに何の期待も抱いていない司法浪人生、そして、華やいだ東京の街にタイムスリップしてしまった武士……! ささやかな贈り物に、自分へのご褒美に。冬の夜に煌めくクリスマス・アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 一言で言うとクリスマス特番の世にも奇妙な物語みたいな感じ。

    短編なため長編と比べてはクライマックスの感動や終盤の伏線回収がどうしても弱くなってしまうが、著名な作家陣が織りなす6つの小さな奇跡に感動させられた。

    クリスマスを題材にした小説というと、ディケンズのクリスマスキャロルやケストナーの飛ぶ教室など外国作品が未だに台頭しているイメージだが、やはり日本人作家の描くクリスマスも味わい深い。

    「十二月二十四日のディズニーランドは、ちょうど週末と重なっていたこともあってか、とても混んでいた。園内のそこらじゅうをぞろぞろと移動する大量の人間の姿は、全身の血管を流れていく無数の赤血球を思い出させるほどだ。」(p47『逆算』朝井リョウ)

    このような面白い文章表現が味わえるのも日本人作家の描くクリスマス作品の良いところだと思う。

    やはり翻訳された外国作品だと内容はいいのだがどうしても美しい比喩表現などが失われてしまっているように感じる。

    それにしても江戸時代、キリスト教を禁止してキリシタンに絵踏みを強要していた国が、今では12月になると街は赤と緑に彩られ街行く人は皆クリスマスムードに浮かれていると思うと、もはや驚きを通り越して笑えてくる。

  • 12月24日。私はこのクリスマスアンソロジーを読んでいた。登場小説家が6人中5人は「嫌いではない」ということが購入した理由だった。

    20代の作家の20代のクリスマス奇跡を書いた朝井リョウ、60代の作家の20歳の頃から始まる奇跡を書いたあさのあつこ、「ジャイロスコープ」で1度読んでいたはずなのに丸切りオチを思い出せなくても、愉しんだ伊坂幸太郎、滅理、来衆益し!(メリクルシユマシ)と未来のディストピアで幸せを願う恩田陸、子供らしい大人ぶった企みがかわいい白河三兎、過去の地獄から現代へ来て幸せを願う三浦しおん。Xmas奇跡の様々な物語を読み終わって、ふと気がつくと夜も更けていた。突如、文庫本が光り出した。電灯が切れかけて点滅したのかもしれなかったが、チコちゃんに叱られて今宵が既にキリスト誕生前夜ではなく誕生日当日である事を知っている私は、この小さな奇跡を、幸せを願った登場人物たちに共感してそれを寿みする出来事であると、大事にしたいと思った。

    2018年12月24日読了

  • クリスマスがテーマの短編集。作家の名前を見て「こりゃ当たり間違いなしだ」と思って購入。

    ・逆算/朝井リョウ
    自分はイブに「仕込まれた」結果できた子供であると思い込み、人の誕生日を聞いては「両親がした日」を逆算してしまう主人公。
    自分の両親が自分を「仕込んだ」日、二人はディズニーランドにいたらしい。その日を越える前に、主人公も自身の成長を感じ取りたいと思っているが、ままならない日々を送っていた。
    「とつきとおか」を勘違いしてるんだろうなぁというのは冒頭から気が付いた。
    私は「親が親になった日を越えてもいまだに一人…」という経験をしていないけど、年相応の経験をしているだろうかというのは常に思う。

    ・きみに伝えたくて/あさのあつこ
    気持ちがすれ違ったまま恋人・翔也を事故で無くした主人公。そのうち、主人公は翔也の手だけが視えるようになる。
    翔也は自分に恨みがあって出てきているのだと思い込んでいたが…。
    ちょっとホラーチックながらも心温まる話。

    ・一人では無理がある/伊坂幸太郎
    サンタが株式会社化しているという設定。
    一見つながりのないようなエピソードがつらなっていて、短いながらもそれがパズルのようにピタリとはまり、爽快。

    ・柊と太陽/恩田陸
    未来、再び日本が鎖国したっていう設定。
    過去に日本で行われていたクリスマスの様子が、その設定の下描かれている。なまばけと混ざっていたりして、シュール。悪面(あーめん)。

    ・子の心、サンタ知らず/白河三兎
    女手一つでリサイクルショップを経営する若きシングルマザーと、彼女の豪快さを受け継ぐ小学生の息子。そこへバイトの男子学生(司法浪人生)である主人公が絡む。
    司法浪人生の主人公目線で描かれていたけど、息子目線だとこの主人公と母親の関係がじれったかったんだろうなぁ。

    ・荒野の果てに/三浦しをん
    幼馴染み同士のお役人と農民が、江戸時代から現代へタイムスリップしてくる。
    彼らを助けたのが里絵という若い女性。奔放な里絵と、彼女の恋人の力を借りながら(流れに任せながら?)二人は江戸時代に戻る方法を探る。
    江戸時代から来た二人の友情と、里絵の懐の広さが気持ちいい一作でした。

  • このセットリストがまず素晴らしいなぁ。
    この豪華な面子で、各々の素晴らしい短編を、この順番で読めることが素晴らしい。

    個人的にはやはり伊坂氏のクリスマスがすきだなぁ。ある意味大きな夢があるし、わたしもこの組織をお手伝いしたい。

    三浦しをんさんのラストもすごくいい。
    これがラストだからとても気持ちよく終われる。

    人生最良の日。
    みんながそれを迎えられますように。

  • 伊坂幸太郎さんの、サンタクロースを会社が経営している話が面白かった。間違えて発注し、届けてしまったもののおかげで救われる話。壊れたラジコンをとどけてしまったおかげで、爆発を回避したり、鉄板が届いて強盗を倒したり

  • 朝井リョウ:最後の一言で笑った。でも沢渡はなんで悩みの種に気づけたんやろ。
    あさのあつこ:切ない。世にもっぽい。
    伊坂幸太郎:最初に蒔いた種がいつ実るのか楽しみにさせるから素晴らしい。
    白河三兎:ませた子供もいいとこあるよな。主人公と店主との出会いもほっこりする

    全体的にそんなにクリスマス関係ない笑

  • クリスマスの日に起きた
    6つの奇跡のアンソロジー。

    朝井リョウさん、白川三兎さん
    はじめましてです。

    ストーリーとして心に残ったのは
    白川三兎さんの 「子の心、サンタ知らず」

    太志と匡、そして伊代子の三人関係が
    ほのぼとしていていい感じでした。

  • クリスマスどころかお正月さえもとっくに過ぎてしまった今頃になって
    図書館から届いたXmas Stories。
    クリスマスに読んでいたら、うれしくて切なくて泣いていたかもしれない。
    愛がいっぱい詰まったXmasプレゼントのような一冊です。
    クリスマスが待ち遠しくて仕方がない人にも、
    リア充爆発しろ!と、イブに呪いをかけたくなる人にもおすすめ^^

  • もう枕元にサンタは来ないけど、この物語がクリスマスをもっと特別な一日にしてくれる…。
    六人の人気作家が腕を競って描いた六つの奇跡。自分がこの世に誕生した日を意識し続けるOL、イブに何の期待も抱いてない司法浪人生、そして、華やいだ東京の街にタイムスリップしてしまった武士…!ささやかな贈り物に、自分へのご褒美に。冬の夜に煌めくクリスマス⚫アンソロジー。

  • これから購入しようかとお考えの方へ。
    朝井リョウさんと伊坂幸太郎さんの短編は、ほかの本に収録されています。もしこのお二方のファンで、それを目当てに購入を検討されているならやめておいたほうが無難でしょう。

    ・・・ということで。
    知らなかったので。ひどいなーと。
    いくらなんでも、6人の作家のうち二人の分について新作を用意してないというのは、・・・まさに、クリスマスプレゼントをリサイクルショップで購入させられたかのような気分ですよ・・・。

    わたしは恩田陸さんと三浦しをんさんの短編が読みたかったのでいいんですが。
    特に三浦しをんさんの短編は、武士が地下鉄構内にタイムスリップしてきたという内容で、吹き出しながらも、最後は本来のクリスマスらしいだれかの幸せを真剣に願うような内容にしあがっていて、よかったです。

    しかし、ほんと、ひどいな・・・。あくどいわ、新潮社。

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著者プロフィール

'朝井リョウ
一九八九年岐阜県生まれ。二〇〇九年『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。一一年『チア男子!!』で高校生が選ぶ天竜文学賞、一三年『何者』で直木賞、一四年『世界地図の下書き』で坪田譲治文学賞を受賞。その他の著書に『星やどりの声』『もういちど生まれる』『少女は卒業しない』『スペードの3』『武道館』『世にも奇妙な君物語』『ままならないから私とあなた』『何様』、エッセイ集『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』などがある。

「2020年 『夜ふかしの本棚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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