ジーン・ワルツ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 535
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101333113

感想・レビュー・書評

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  • 不妊治療に代理母出産。現代産婦人科医療の問題を提起した作品。美人で聡明なヒロインのある意味痛快劇なのにテーマと展開が重すぎて心に強く響く。ただ、それはいやな響きではない。

  • 2010

  • 東京都内の大学病院に勤務する不妊治療が専門の女性医師の話。
    日本の産婦人科の実情を訴えた作品。

    「子供が普通に産まれて当たり前と思ってる市民が多い」という言葉が印象的。
    受精から出産までのどれ一つエラーが発生すると赤ちゃんは五体満足に産まれてこない、ということを理解していない人は確かにたくさんいるなぁ、と思いました。
    それゆえに予期しないエラーによって赤ちゃんや母体に致死的な影響が出た時に受け入れられない。
    「なんでうちだけ…!」という気になるんでしょうが、それもまた仕方のないことなんですよね。
    それを納得いくよう説明しなきゃいけない医師は本当に大変だと思います。
    医者だからって万能だと思ってる市民も多いよなぁと思います。

    色々な医療現場の実情を交えて面白い小説に仕立てられていて、物語としてはとても楽しかったです。
    実情についてはあまり考えたくなくなりますね…
    産みたくなくなるというか。

  • 帝華大学医学部の曽根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。
    彼女の上司である清川五郎准教授もその才を認めていた。
    理恵は、大学での研究のほか、閉院間近のマリアクリニックで5人の妊婦を診ている。
    年齢も境遇も異なる女たちは、それぞれ深刻な事情を抱えていた、、、。
    生命の意味と尊厳、そして代理母出産という人類最大の難問に挑む、新世紀の医学エンターテインメント。

  • この本が発行されたのって何年前だ? そう言えば『少子化対策』なんて言葉をここ数年ずっと聞いていたけど いつから言っていただろうって。。。改めて この本を読んで、何も解決されてい、国は何もする気が無いんだなって 思った次第です。

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    帝華大学医学部の曾根崎理恵助教は、顕微鏡下体外受精のエキスパート。彼女の上司である清川吾郎准教授もその才を認めていた。理恵は、大学での研究のほか、閉院間近のマリアクリニックで五人の妊婦を診ている。年齢も境遇も異なる女たちは、それぞれに深刻な事情を抱えていた--。生命の意味と尊厳、そして代理母出産という人類最大の難問に挑む、新世紀の医学エンターテイメント。

  • 謎解きもあり、医療問題に対する提言もあり。
    東京と地方の格差、というのが、地方を舞台にした本筋では出てこなかったポイントだと思う。

    女性心理がよく描写されているけれど、やや綺麗ごとかな?と感じられる部分も…まあフィクションなのでいいのですが。

  • 精巧な生命の誕生

    大学勤務の優秀な産婦人科医である曽根崎理恵助教は閉院間近のクリニックで5人の患者を診ていた。いずれも一般的な”正常”な状況ではない妊婦であり、自らの中で発生する生命に思いを巡らせる。曽根崎医師は彼女らの医師を尊重しつつ、一歩引いた立場で淡々と対応する。

    まだまだ発生は人智でもって干渉できない領域であることを実感した。
    たとえ人工授精したとしてもその後の着床や卵割に至る発生過程を進行させていくことは難しく、
    懸命に不妊治療に励む妊婦の隣で予期せぬ妊娠を拒む人もいる。
    それに対して熱血医師がい落ちの発生を尊ぶ価値観を押し付けるわけでもなく、医学的な見地からの意見と技術の提供に終始する。
    色々なスタイルの医師がいて良いと思うが、個人的には本書のような態度が医師としては望ましいと思う。
    ただし、患者側のリテラシーを向上する働きかけは必要である。
    知らなかった、知らされなかったからこのような判断になってしまった。知っていたら別の選択をすることもできただろうに。
    自身の治療とはちがい、別個の存在の可否を決定できてしまう立場は辛い。
    もちろん親個人の人生もあり、そこに子どもをどう存在させていくかは必要に応じて保護者となる者が価値観をぶつけあっていったほうが良いと思う。

    同じ状況でも、人の数だけ価値観と結論がある。

  • 海堂尊氏の小説は、チームバチスタとジェネラルルージュと螺鈿に続いて4冊目。個人的にはこの中で一番面白いと思った。
    もともと医学小説が大好きなのだが、体外受精を含む妊娠・出産の現場と、発生学の基礎など興味深かった。習ったはずですっかり忘れていた減数分裂や、胎児がお母さんの骨盤の中を一定の方向に回転しながら生まれてくるという事にも感心しながら読んだ。
    著者は現役の医師だが、医療の中でもホットな話題を取り上げ、小説を通して医療改革(というと大げさだが)や、人々の医療に対する意識に働きかけようとしているのが分かる。重いテーマを扱っても文章が軽く、エンターテイメントとしても申し分ない。
    海堂氏の小説がだんだん商業的になってきた気がして遠ざかっていたが、読んでよかった。

  • 帯にあった「徹夜本」。たしかにそうで、久しぶりに、寝る時間が遅くなってしまったのだが、ただ、結末は大嫌いでがっかりだ。まったくもって「フェア」ではない。そんなことやられたら私は絶対許せないと思った。

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著者プロフィール

海堂 尊(かいどう たける)
1961年、千葉県生まれの作家、医師。医師としての所属は、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所・放射線医学総合研究所病院勤務(2018年3月時)。
2005年に『チーム・バチスタの崩壊』で、第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、作家デビュー。
同作はのちに『チーム・バチスタの栄光』と改題して出版される。映画・テレビドラマ化もされた代表作となった。

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