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- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101334820
感想・レビュー・書評
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「図書準備室」「冷たい水の羊」の2編入り。「冷たい水の羊」、すごすぎた。いじめられっこの主人公は「いじめられたと感じたらそれをいじめ」といういじめの定義を採用し、「自分はいじめられていない」とし、ひたすらいじめを受け続ける。いじめの内容もかなり陰惨な部類に入る。主人公はただただ自分の中の論理でいじめっこを観察し、自分の論理に逃避する。ただ一人、先生にいじめがあることを報告した水原里子という女子と心中することを計画しながら。重い。でもあの結末、主人公がいつか「死ねなかった」ではなく「死ななかった」と思える日が来るのだろうか。
「図書準備室」は芥川賞第一作の「夜蜘蛛」にも通じるものがある、現代に第二次世界大戦はいかにして通用しているのかを描いた作品、と思う。田中慎弥さんはしっかり今の戦争を書く。詳細をみるコメント0件をすべて表示