はい、泳げません (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101335513

感想・レビュー・書評

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  • エッセイに分類するか、ルポに分類するか悩みました。
    高橋秀実さん、「道徳教室」と「からくり民主主義」が超絶面白かったので、他の代表作を検索してこれを読んでみました。私も泳げなかった人なので。
    まず、著者がいかに泳げなかったかがよくわかり、笑える。著者らしく、泳げないことを屁理屈こねまくる。それに対してコーチも屁理屈こねまくって教える。あーでもない、こーでもない、と。
    泳げない人が泳げるようになるまでを、屁理屈と哲学で描いたエッセイです。私自身、大人になるまで泳げなかったのに、あるきっかけで泳げるようになったので、興味深く読めました。「泳げない」と「泳げる」の間にはすごく深い溝がある。「泳げる」に到達することによって、人生観すら変わる。ちょっと屁理屈がしつこすぎるけど、そこは高橋秀実さんなので(笑)。

  • 映画が面白そうかな、と思ったのだけど、これは、、、。作者の頭の中を延々見せられて、なかなか進まなかった。

  • コロナ禍でマスクしてると電車内の読書での笑いはそこそこ隠れて助かる事を確認出来た程笑った。
    著者が中学時代に水泳大会リレーのアンカーに決まってしまった際、俺泳げないからと断っても、俺も私も泳げないから、との謙遜と一緒くたにかき消されそのまま本番を迎えてしまい、なんと歩ききった、とか、水泳教室でのコーチや中高年女性との気の抜けた遣り取り等から感じられる著者の人間性、はたから見ると、おいおい、だけどなんか許せてしまう人、そんなムードに溢れて楽しく読みました。
    水中から見(てしまっ)た水面の鏡の様な状態、あれは水自身の纏まろうとする特徴、表面張力に因るものとの説明は今迄意識した事なかった為新鮮でした。

  • まったく泳げなかった記憶があって
    おぼれない程度に泳げる私にも
    実に身につまされる水泳読本。

    すごいなぁ。
    おそらく半分はライターとしての
    職業意識もあったんだろうとはいえ
    私ならこの先生からは一回目で逃げます(笑)

    著者はどうやら理屈を落としこまないと
    習得できないタイプ(わかるわかる)
    右腕で水をかいたあと
    次はどの時点から左腕でかけばいいかなんて
    普通考えませんよね?

    一緒に教室に通うおばさまがたとの交流が
    ちょっと微笑ましいです。

  • 水が怖い、泳げない人が泳ぎを習いひたすら泳ぐ事について思い考え感じた事をつぶやいている。レッスンでのやり取りや自分なりに習ったことを咀嚼して試してみたり。ただひたすらそんな内容なのがまた面白い。私は海っ子で泳ぎも我流。平泳ぎのみなので、クロールのレクチャーを読んでいるうちに、習って見たら面白いかも!?なんて思わされた1冊でした

  • 今まで読んでいた本とは違うエッセイ?
    初めて読んだのかなこういうの

    泳げない作者がスイミングスクールに通うお話。
    スイミングスクールってね、泳げるようになる人がいくもんだと
    多少泳げる人がもっと泳げるようになりたいと思っていくもんだと
    もっと上を目指すスイマーが行くもんだとおもってたんだけど
    この作者、全然違う!
    泳げない、泳ぐの嫌い、水怖い
    よって、良くサボる。泳げない事の理由を陸地で良く考える
    エッセイ書くにしても、もっと違うの攻めればいいのに!
    と思いつつ、「あ、こいつより私泳げるな」と
    ちょっと泳ぎたくもなりました
    こういう本もいいな~うんうん。

  • 今の私にはぴったりの本です。

    私も物心ついた時から「泳げる人」だったから、色々と勉強になりました。

    とにかくビキニでなく競泳水着で泳ぎたいです。

  • 「泳げない」筆者がスイミングスクールに通う体験ルポ。テンポが良いのでさらっと読めるし、独特の言い回しが面白かった。

  • 40年間、かなづちだった筆者がスイミングスクールに通いながら、涙ぐましくそのグチを叫びつつ、スイミングの習得の機微について切々と語るドキュメント。筆者は元テレビ局スタッフ、今はノンフィクションライター。

    タクマシイ、の一言に尽きる。

  • 私も水きらいなひとなので気持ちはよくわかるけど、いろいろ考えすぎです、ヒデミネさん(笑)。泳ぐときに目はどこを見てるべきかなんて、よく気にするなあ。

  • 習えばきれいに泳げるもんかぁーうらやましいー
    桂コーチのアドバイスは試してみたくなるなぁ〜

  • わかるわかるこの気持ち。泳げないってこういうことなんだよな。作者が泳げるようになってきてからの桂コーチのことばがよくわからなくなってきてしまったけれど。

  • 文庫になったら是非読んでみようと思っていた一冊
    高橋秀実のなんともいいわけじみたかきっぷりににんまり
    泳げない人の気持ちをとーってもよくわかっている! とついついうなづきながらよんぢゃう一冊だった。
    でも2年かけて美しく泳げるようになった筆者。 とってもうらやましくなっちゃった。
    (2007年12月)

  • 泳げない理由をじっくり考え、思ったことが素直に書かれていて面白い。あと、自分もよく使っている言葉「わかりました」は「もう勘弁してください」っていう意味で言っていることに初めて気づきました。

  • 同じく大人になってから泳げるようになった人間としては、息継ぎが出来るまでの経緯をもっと書いてもらえると、笑えたと思う。今思い出すと、何であんなに怖かったか判らないし、水に入ると体が硬直してたのも可笑しいと思うのだが。

  • 泳げない人が何を考えているのかと、泳げるまでのプロセスが楽しく描かれています。
    映画もこの本に忠実に作って欲しかった。

  • 水が怖くて、泳ぐどころではないのに、プールに出かけ、レッスンにも通う。どうしてそうなるのかよくわからない。桂コーチは毎回言うことが、違う。楽しく読めた。

  • 水嫌いで泳ぎたくない気持ちから、徐々になじんで行く過程が面白かったです。コーチも素敵。泳げる人になって良かったです。

  • わかったような
    わからんような
    レポートなのか
    フィクションなのか
    それでも読み進んでしまう
    生きたいと思わずに
    生きていると実感する
    そんな感じでいいですか

  • この人、考えすぎです。「歩くことと一緒」と言っておきながら、泳ぐという動作を追究しすぎてる。
    私も泳げないけど、何も考えてない。強いて言うなら、息したいなぁ〜くらいですよ。息するために各々の動作をしているんです。
    潜ったらキック、しばらく伸びて、止まりそうになったら足と手を動かす。これは理屈じゃなくて、水の中の常識として体に染み込んでいるものだから、いちいち考えない。だから「歩くことと一緒」。仰る通りです。なのに、事あるごとにブーブー考えている。
    変な人だなぁ。絶対ダンスとかできないでしょ。

  • 20200528

  • 映画化の宣伝を見て興味を持って読んだ。
    こんな個性的な水泳指導をするコーチがいるのかと驚いたが、実際の効果については、コーチとの相性にもよると思う。
    水泳に限らず、出来ない事が出来る様になるのは、いくつになっても嬉しく、楽しいものだ。

  • 20年ぶりにプールに行った時の「どこのレーンで泳いで良いんですか」というとまどい、「自分遅いんで先に行って下さい」という感覚…「分かる分かる」のオンパレード。先生やスクール仲間の意見を素直に聞いていて偉いなぁと思った。

  • これは、小説ではなく、記録・・・?
    読んだら泳げるようになるかというと、そんなことはないです、たぶん。でも共感できるところはあったかな。

  • 自身の動きやコーチの指示をよく表現できるな。これだけ自分を理解できるなら、すぐに感覚をつかめそうなものだけど。コーチの指導は日々工夫されてて受講生が増えそう。

    笑えるかというと…私のツボではなかったかな。

  • 「弱くても勝てます」が大ヒットしドラマ化されたのだが作者の名前をちゃんと言える人はどれくらいいるのだろうか?高橋秀美と書いてヒデミネと呼ぶ。本書の方が古いのだが弱くても勝てますと雰囲気がすごくかぶる。とにかくゆるゆるなのだ。

    野球がへたな開成高校の野球部員がよくわからない理屈をこね回していたように、泳げないヒデミネさんも水中で色々考える。最初の頃はこうだ、壁を蹴ってすすむ次は腕を回す「どっちの腕から回そうか?しまった、こういうことは事前に決めとけばよかった、と後悔して立ち上がった。」もう一回、今度は左からと決めているのだが「次は右」と考える。「いつから右?」

    スイミング教室の桂コーチはゆるくない。「泳げない人はいません」「おぼれたら、私が助けます」その信念でとにかく泳がせる。(高橋桂コーチによると、最初に泳げるかと聞いた時にヒデミネさんは「泳げる、かなあ」と何ともはっきりしない返事をしている)平日の昼間で他の生徒も女性ばかりだが一番弱々しいのがヒデミネさんだ。

    ヒデミネさんはとにかくすぐに立つ。息継ぎができないで風呂場で練習し顔を真横に上げてみる。しかし鼻と口はお湯の中のままだった。「もしかしてこれは横ではないのではないか?」さらに「上」に「上げる」もわからない。水の中で上とはどっちで、頭をどっちに上げればいいのか。そして悟る。泳ぐということは頭の方へすすむこと、つまり陸上なら空に向かってすすむことだ。「水泳とは『昇天』なのである。『呼吸しよう』などと考えず、やはり死んだつもりにならないといけないのである。」

    水中でどこを見れば良いのかでまた悩む。「見ないでください!」と桂コーチ。そしてまた悟る。「この『私』は水中で悩み迷う私なので、苦しくなるのは道理だ。」「陸上と違い、水中では滅私の目線でいなくてはならないのである。」仏像だ!「泳げる人たちは、きっとこういう目で泳いでいるに違いない。だから迷うことなく、いつまでも泳いでいられるのである。すなわち禅だな、と私は直感した。」

    うーん、しかしこの人が元ボクサーでジムでトレーナーもやっていたらしい。このゆるさで大丈夫だったんだろうか。開成高校野球部との親和性の高さがよくわかる、あれは奇跡の出会いだったんだ。

  • 2013年6月下旬。

  • 読めば泳ぎたくなるかな〜と思ったら反対だった。

著者プロフィール

医師、医学博士、日本医科大学名誉教授。内科学、特に免疫学を専門とし、東西両医学に精通する。元京都大学ウイルス研究所客員教授(感染制御領域)。文部科学省、厚生労働省などのエイズ研究班、癌治療研究班などのメンバーを歴任。

「2022年 『どっちが強い!? からだレスキュー(3) バチバチ五感&神経編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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