トラウマの国ニッポン (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101335537

感想・レビュー・書評

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  • 解説:養老孟司、『トラウマの国』を改題

  • 12のルポ。

    それぞれを一言で言うと、トラウマを探す事で癒される不思議な人々、夢を語れない醒めた子供達、ゆとり教育の空回り、自己目的化する資格マニアのすすめ、ユーモアを求める話し方教室の風景、英語コンプレックスと格闘するサラリーマン、地域通貨のお寒い現実、本当に怖い妻の殺意、妻たちの過激なセックス事情、大衆化する日本共産党、老後の田舎暮らしも楽じゃない、自分史を書く人々、といったところか。

    斜に構えてニヒルに観察する著者の鋭い視点が面白かった。

  • 「普通」を将来の夢にする子どもたち、空回りするゆとり教育、話し方学校で話術を身につけようとする人たち、うまく流通しない地域通貨、妻から夫への暴力の深層、日本共産党の党員の人たち、自分史を書く人たちなどをテーマにしたルポ。いずれも何となく世の中の共通認識としてとらえられているイメージがあるが、渦中の人たちからはそのイメージとはちょっと違う声が聞こえてきたり、あるいはもっと突き詰めた言葉が出てきたりする。いずれも渦中の人たちからはどこか浮世離れした達観がうかがえる。
    とすると、世の中のイメージの何とも表面的なことよ。真実ではなくイメージが常識になって、常識で世の中が動いていってしまうのだと考えると、おそろしや。

  • 一昔前の話題が多いが、その当時流行った話題に取材をしたノンフィクション。
    ただ肩肘張ったものでなく、適度に力が抜け、対象との距離の取り方がなんともいい。

    それにしても、当時は随分自分探しが流行っていたんですね。考えようによっては、今より世の中に余裕があったのかな。今は生きるのに精一杯の人が多い気がする。

  • 高橋氏本人の取材に基づくノンフィクション。笑えるものもあり、笑えないものもある。そして、取材結果を自分の妻に尋ねたりする。そして、その回答が一番恐かったりする。

  • トラウマへの道
    愛の技法ーセックスを読む女

  • 所々面白い。

  • 世の中に蔓延る自称トラウマを持つ方々の取材レポートかと思いきや、トラウマに限らず、共産党やらスローライフやら、地域貨幣やら、自分史、ゆとり教育などなどの、いわゆるメディアによって盛り上げられた流行の体験レポート。
    攻撃的な内容かとも想像していたが、全然そんな事は無く、ちょっと冷めた目線で、だけど何だか自信が無くて、そしてピリッと皮肉が効いていて、とても味のある語り。
    他の作品も読んでみたいと思った。

  • 日本人は理想と現実の間で悩む国民性のようです。 日本人とはどんな人間の集まりなのかを伺い知ることができるルポルタージュ。
    おそらく日本人を知らない人が見たら、相当病んでいると思われる人達が登場する。トラウマを告白するセラピーに参加して、トラウマが治ってしまうことを心配するトラウマ好きの人達や、ユーモアを身につけようとユーモア教室で奮闘する人(真面目に語る言葉の方がユーモラスだったりする)、のんびりとした田舎暮らしに憧れて移り住んだが持て余す時間に苦労する人など、理想と現実の間で苦しむ人達の事例が、今後の自分の生き方にとても参考になる。全ての日本人がこれに当てはまるわけではないと思うけれど、日本人の精神構造はこういう側面もあることは知っておきたい。
    理想と思うことは、実践しないほうが幸せなのかも。

  • 読み物としては面白いけどこの人にしては普通な印象。取材対象がつっこんで当然みたいなものが多いせいかも。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。1961年、横浜市生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家に。開成高校野球部の奮闘を描いた近著『弱くても勝てます』がベストセラーに。
『ご先祖様はどちら様』で小林秀雄賞受賞。

「2015年 『損したくないニッポン人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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