ご先祖様はどちら様 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 92
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101335568

作品紹介・あらすじ

自分はいったいどんな先祖の末裔なのか? ヒデミネ流、ルーツ探求の旅が始まる。役所で戸籍にあたり、家系図を探し、家紋を調べ、祖先の土地を訪れ、専門家や親戚縁者の話に耳を傾ける。自分似の遠戚と出会ったり、源氏や平氏にたどり着いたり・・・・・・。日本中を東奔西走、ルーツ探しを通して「自分は何者か?」を問い続ける、じわり感動のノンフィクション。小林秀雄賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • ヒデミネさんったら、個人的ルーツ探しをして小林秀雄賞をもらっちゃってたんですね。 私の先祖は誰?と戸籍、家紋、現地調査に専門家、親戚縁者まで動員し調べてみたら源氏だったり、いや平家、果ては天皇家にまで!


    なんでこんなに人の先祖を探す旅が面白いのか。


    本当に由緒正しく代々続いているやんごとなき方々や、伝統芸能の宗家、また、古都の格式ある商家だったらともかく、そもそも家系図という響きからして胡散臭いと思っている私には、先祖なんて誰でもいいじゃん、という基本的スタンス(#^.^#)があるのですが、ふとしたことから自分は誰の末裔なのかを調べ始めたヒデミネさんの旅の行き当たりばったり感にはあはは・・・だったり、へぇ~~、なるほどね、だったり。

    よく言われることだけど、1人の人間には親がふたりいて、それぞれにまた親がいて、とさかのぼっていくととんでもない数字になる。ヒデミネさんによると、20代で100万人、27代となると一億人を超えるとか。
    だから、どんな人にも祖先に“有名人”はいるだろうし、もっと言わせてもらえば誰でも皇室の末裔、あるいは分家ということになるらしい。

    で、ヒデミネさんの調べ方は、まず自分の親にその親のことを聞くということから始まって、それが意外と知らないことばかり、ということになるのが、うん、私だってちゃんとそんな話は聞いてないなぁ、なんて。

    で、戸籍を調べてきて、また親に見せると妙な感動があるんだよね。(#^.^#)
    その後、曾祖父の本籍地に飛び、彼を知る人がいないかフィールドワークしてみたり、前世カウンセラーに会ってみたり、高橋という苗字から探れないかと専門家を訪ねたり、はたまた、家紋の研究家に話を聞いてみたり。

    ご本人の何がなんでも自分の先祖を特定したい、というわけでもない、ただ、なんとなく面白くなってきちゃって、という姿勢に私まで感化されちゃって、うんうん、それで? と。(#^.^#)

    結局、予想通りにぐだぐだと終わる家系探しなのだけど、私が一番面白かったのは、そうやって先祖をさかのぼっていく旅の途中で、たとえば曾祖父の子孫かも、と思われる人が、どこか面差しが親戚の誰々さんに似ていたり、性格的な類似点を感じたり、ということ。

    もし、本当にその人がそうであっても、今の彼とはあまりに遠くて親戚とも言えない間柄なのに、案外、そんな感じでつながっているところがあるのかも、とここは素直に嬉しくなってしまったんだよね。

    そういえば、全然、赤の他人のはずなのにどこか似ている人っていると思うんだけど、お互いの先祖をたどればどこかでリンクしてたりして? と思えたのがこの“調査”の一番の収穫のように思えます。
    (#^.^#)(#^.^#)

  • 著者が、自分の先祖を丹念に調べ歩く、高橋版「ファミリーヒストリー」。

    先祖を辿ると、倍々ゲームで親族が増えていき、27代遡ると何と一億人を超えてしまう。このため、大抵の人は誰かしら歴史上の有名人と繋がっているのだという。ただ、本当のところは誰にも分からず、結局、家系図は後世の我々が作り、そして信じ込めればそれでよいものらしい。

    本書を読みながら、先祖から自分へと脈々と続く悠久の営みにちょっぴり想いを馳せた。

  • 序盤は、へ?って感じが多いが、後半からどんどん面白くなる。そして心地よい読後感がある。おすすめ。

  • 軽いタッチで描いてあるけど
    自分の祖先をたどるって本当に壮大な計画だと思う。
    高橋さんと鈴木さん話は
    面白いと思う

  • 『ご先祖様はどちら様』との書名が示すように、著者のご先祖様をさぐる旅の顛末が書かれている。
    語り口がゆるいので、読みやすく面白い。


    旅の目的のご先祖様探しは、あっちこっちに出かけて行っても調査範囲の裾野が広がるばかりで、何一つ解決しないのだが、そんな著者を手助けする人々とのやり取りが興味深い。
    行った先々で、おらがご先祖様の自慢合戦のようなことが起きる。そして著者に協力的な人が多く、「なにくだらないことやってんだ」という態度の方がいない。誰もがご先祖さま探しに興味があるんだな〜、と実感する。それが自分のルーツ探しと重なるからか。


    著者の迷走は果てしなく、当初はおじいさんが教育者だったところから始まるのに、戦国武将につながって平家の家系にたどりついたと思ったら、源氏の家系にもたどりつき、果ては天皇家にまでつながる。良く調べたのか?と批判する気も失せるほど、家系図というのはいいかげん。
    家系図の専門家らしき人の、ちゃんとした家系図ほど怪しい、という言葉がとても印象的。誰か有名人に繋げようと思えば、そんな苦も無くできるようだ。


    そういえば有名人に家系図をつなげる仕事を、かつて寺が収入源としてやっていた(幕末から明治にかけて)、といようなことを本で読んだ覚えがある。


    旅の最後は清和天皇陵。言わずと知れた清和源氏の祖だが、そこが地元の人も行かないような目立たないところ。20数年のキャリアのタクシー運転手が「清和天皇陵に行く人を乗せたのはあなたで二人目」との発言が、ご先祖が誰かを証明することのはかなさを象徴しているようだった。


    結論。ご先祖様は自己申告でお願いします。

  • この人、面白いの。

  • 922

  • 著者が自分のルーツを探り、ご先祖様について調べていくという内容。
    文中で世にはびこる家系図というものが、作者にとってかなり都合のいいように「繋がれている」というところが興味深かった。

  • わたしも筆者と同じような(歴史ってほんとかよ!全然頭に入ってこない!)タイプでしたが、それは歴史上のすごい出来事や人物は結局他人事として認識していたからかもしれません。

    自分の祖先を辿るというこの本を読んで、歴史ってあーでもないこーでもないと後の人間が思いを馳せるものなのね、と思いました。

    わたしにも頭の上にお花が咲くようにたくさんの祖先がいてどこまでも繋がっていると思えば、教科書に載っているような歴史上のできごとも他人事ではなくなるのかもしれません。

    祖先がいて自分がいる。なんだか仏壇に手を合わせたい気分です。

  • タイトルそのもの。
    高橋秀実氏が自分のルーツ・先祖を辿って東奔西走する。
    本書では度々「佇む」というキーワードが登場するが、著者の作品は肩肘張らないまさしく「佇んだ」視線から語られていて妙に心地いい。

    「彼の対応は『日本書紀』のようだった。」(p.75)なんて比喩は著者くらいしか思いつかないと思う。

    それでいて「家系図とは、血筋というより意志の積み重ねを描いた線なのだ。」(p.198)「先祖探しは思い出せない夢のようなものかもしれない。-以下略-」(p.217)というような、ピシャリと膝を打ちたくなる言葉も散りばめられている。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。1961年、横浜市生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家に。開成高校野球部の奮闘を描いた近著『弱くても勝てます』がベストセラーに。
『ご先祖様はどちら様』で小林秀雄賞受賞。

「2015年 『損したくないニッポン人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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