- Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101335742
作品紹介・あらすじ
本当に客を掴んでいるのは誰か-。暁星運輸の広域営業部課長・横沢哲夫は、草創期から応援してきたネット通販の「蚤の市」に、裏切りとも言える取引条件の変更を求められていた。急速に業績を伸ばし、テレビ局買収にまで乗り出す新興企業が相手では、要求は呑むしかないのか。だが、横沢たちは新しい通販のビジネスモデルを苦心して考案。これを武器に蚤の市と闘うことを決意する。
感想・レビュー・書評
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過日に読んだ「朝倉恭介」よりはピンと来る楡周平作品だった。宅配業界に通販業界やTV局 日本郵便まで絡めて展開するビジネス小説。話の発端は長年の取り引き先から誠意に反するビジネスライクな厳しい条件を突き付けられて苦境に陥る物流業者の逆襲案模索から。かなりスイスイと反撃策と逆襲劇が進行するので、ちょっと調子いい感が否めない。星3.5くらいかなぁ。
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私にとって久々の楡周平
時代は今から10年以上前の日本!
IT企業による企業買収問題、郵政民営化、下請け企業へのダンピングなどを題材とした作品!
今現在、本作品を読む事で作者が今の時代を予見していたかのような予言書のような作品に仕上がっております。
物流大手の暁星運輸はかつて無いほどの窮地に立たされていた、大手コンビニとの専属契約解消に近い契約変更と、ネット通販会社『蚤の市』からの事実上の値下げ指示の取引条件の変更!!!
このままでは会社が・・・
という状況下で主人公の広域営業部営業課長の横沢哲夫が立ち上がる!
物語中の『ラストワンマイルを握っている我々が一番強い』という言葉に何故か込み上げてくるものがあります。
ノルマをこなす為に働くサラリーマン必見です! -
本当に客を掴んでいるのは誰か──。暁星運輸の広域営業部課長・横沢哲夫は、草創期から応援してきたネット通販の「蚤の市」に、裏切りとも言える取引条件の変更を求められていた。急速に業績を伸ばし、テレビ局買収にまで乗り出す新興企業が相手では、要求は呑むしかないのか。だが、横沢たちは新しい通販のビジネスモデルを苦心して考案。これを武器に蚤の市と闘うことを決意する。
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書かれた当時とIT業界が置かれている環境は大きく異なっているが、虚業と実業というのは今も変わらないかも知れない。そういったことへの警鐘だったのかも知れない。
しかし、現実の物流事業者の苦戦は続いている。ラストワンマイルを武器にした新たな展開、まだ何か隠れているかも知れない。 -
ラストワンマイルを握る会社が商流を握る!流通業でお願いサービスで荷受けをしてきた会社が、発想の転換により、新規事業に乗り出す話。
テンポよく、感情移入もでき、素晴らしい作品。この作家を追い続けたい! -
面白かった。
とてもわくわくして読めました。
再生巨流、プラチナタウンとさまざまなビジネスプランを紹介してきた楡さんですが、本作では、流通企業と通販とのビジネスについての物語です。
時の話題をベースに、よくも、こんなにビジネスモデルを考えることができるのだろうと思います。
本作では、郵政民営化、楽天のTBS株取得などをベースとしたプロットとなっており、「蚤の市」から取引条件の変更を求められた暁星運輸の課長が新しい通販のビジネスモデルを考案し、蚤の市と戦うストーリ展開となっています。
「ラストワンマイルを握っているものが支配権を持つ」
うーん、すごい。
ちなみにIT系のラストワンマイルとは違うので要注意(笑)
当時よく言われていた「ネットとメディアの融合」について楡さんとしての具体的なイメージを「蚤の市」の社長や暁星運輸の課長に語らせているところもすばらしい。そしてネットの欠点をどう補うかもしっかりと語られている。すごい!!
しかし、話がとんとん拍子に進んでしまうので、もうちょっと苦労があってもいいのかなとも思いました。んが、そのスピード感で逆に心地よく読みきることができます。
ビジネスにこういったスピード感ってとても重要。
再生巨流が楽しめた人であれば、本作はお勧め。
ビジネス創造のストーリに熱くなれます!!
安定は情熱を殺し、緊張、苦悩こそが情熱を産む!
これまたお勧め! -
久々にキタ~って感じの衝撃が走った。
真山さん以来の衝撃か!?
こんなに面白い経済小説を書く人がまだ眠っていたなんて!
運送会社vsネット企業。
下請け企業の宿命か、お客さんにどんどん値切られていく運送会社が
このままでは死んでしまうと起死回生の新規事業に取り掛かる。
そのビジネスモデルを組み立てていく様が
小説にリアルに書かれていて、自分も一緒になって、
問題を解決すべくアタマを働かせることができるのです。
悪役のネット企業(楽天とライブドアを足して2で割った感じ)も
いい味出しています。
三木谷さんモデルの社長のヴィジョンも素晴らしいと思った。
悪役ながら、アッパレ!って感じ。
最後の展開が完全に読めてしまうのところが、好き嫌い分かれるかも!?
僕はわかりやすい展開、好きです(笑)
他の著書にも手を伸ばしてみよう。。 -
ラストワンマイルを握る会社が1番強い。
10年前の作品とは思えないほど、今にも通じていて面白い。