続明暗 (新潮文庫 な 1-50)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101338118

感想・レビュー・書評

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  • 未完で終わった漱石の明暗を、小説家の水村美苗さんが漱石の文体そのままで綴った。が、似てるからこそ違いがはっきりして別物として楽しめた。 全体的に女性目線になった印象、登場人物にも勢いが増して盛り上がった感じは、これはこれで面白かった! 明暗が良いところで未完だっただけに、想像の完成版があるだけで救われました。 女は強くありながらも愛する男の前ではか弱く、少しの遊びは目を瞑れ。男は愛する女の前では真っ直ぐ正直に、自分の女を絶対守り抜け。というようなメッセージを勝手に受け取った。 女の世界はリアルですね、上辺の付き合いの底はこんなもんではと納得です。主人の津田に対して、もっとしっかりせい! そこあんたが言うことじゃない! と勝手に外野として文句たらたら止まらず、まんまとハマり読了しました。

  • 資料ID:C0016663
    配架場所:2F文庫書架

  • 150905読了

  • 本家に続いて再読。
    前回読んだ時は凄いなと思った記憶があるが、改めて読んだ今回は微妙に違和感を感じた。
    当方、何だかんだ言ってストーリーが小説の根幹と思ってますが、こと『明暗』については普通の小説の枠を超えていると感じております。
    この点から見ると、作家自身も狙っているようですが、ストーリーに力点を置いて結果として『明暗』自体の魅力を殺いでいる気がする。
    やっぱり小説って作家そのものを表してるんですな。

  • この著者は、すごい才能の持ち主なんだろうというのが、最初の思った感想ですね。文体を似せて書くということ、清水義範氏も仰天ではないでしょうか。『明暗』を読んで、あとのプロットはどうなるのであろうかという疑問は、全ての読者が思うことでしょうが、おそらく、こんな感じであったろうとおもわせるからすごいですね。女性の気持ちが、わからない私には、なるほどと感じること多かったですね。

  • 漱石の文体と比べてどう、とか、そういうのは抜きで。
    一つの読み物としてまぁそれなりに面白く読めた。「明暗」とは別ものだと思って読むのがよろし。

  • 明暗の続きを書くというのは、
    すごい勇気のいることだと思うので、
    それをやった作者は素晴らしいと思う。
    あとがきでも述べてるけど、必ず批判があるからね。

    ただ内容は、やはりというか、個人的にはイマイチでした。
    まあ、あとがきで述べているので、
    意図的なんですが、気になった点として、
    ?ストーリーが劇的すぎる。
    読者を引き込むためというようなことを書いてたけど、
    個人的には明暗の面白いところは、ストーリーではなく
    心理描写なので、求めていたものと違って肩すかしをくらった感じでした。
    ?心理描写が減った。
    冗長すぎると感じたみたいなことを書いていたけど、
    個人的には、そのクドイ位の描写が好きだったので、
    物足りなさは感じました。

    といっても漱石を意識しない心構えで読めば、
    それなりに楽しく読めそうだし、悪くはないんでしょう、きっと。

    とにかく内容云々より、漱石の続編を書いたという度胸に感服。

    あと、安野光雅さんの装丁がキレイ!
    夜になっているのが、ナイスです。


    (2009年 4月 25冊目)

  •  「思ったとおりの結末だ!」とか、「いや、この結末は違う! 津田はこうなってお延はこうなって……」とか、いろいろな感想が出てくるだろうと思う。こうして水村さんが続きを一つ示してくれたおかげで、我々は自分だけの「続明暗」を明確にイメージすることができるのだと思う。<br>
     矢のような批判を浴びることを覚悟しつつ、このような素晴らしい仕事をしてくれた水村さんに感謝したい。<br>
     私の感想はというと、ヘタに劇的にしないほうがよっぽど面白かったんじゃないのかな?? というのが一番。<br>
     漱石をよく研究しているなぁという雰囲気がすごく伝わってくる。「則天去私」を無理に持って来ようとした感があるかなーとは思ったけど、とてもよく出来た続編だと思う。ところどころ、漱石の他の作品から持ってきた文章が使われてたりして、気づくとニヤリ。

  • 文体もそのままとの評が当時高かったが・・・非常に疑問

  • 未完の「明暗」の続編を別の人が書いてしまいました。
    ・・・短編も含めて、漱石の作品で読んでない作品が「坊ちゃん」と「坑夫」の2作だ。いつか読もうと思っていたが、いまだ実現していない。
    うー、レビューになっていない。

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著者プロフィール

水村美苗(みずむら・みなえ)
東京生まれ。12歳で渡米。イェール大学卒、仏文専攻。同大学院修了後、帰国。のち、プリンストン大学などで日本近代文学を教える。1990年『續明暗』を刊行し芸術選奨新人賞、95年に『私小説from left to right』で野間文芸新人賞、2002年『本格小説』で読売文学賞、08年『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で』で小林秀雄賞、12年『母の遺産―新聞小説』で大佛次郎賞を受賞。

「2022年 『日本語で書くということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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