アミダサマ (新潮文庫)

  • 新潮社
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レビュー : 256
  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101338521

作品紹介・あらすじ

幼子の名はミハル。産廃処理場に放置された冷蔵庫から発見された、物言わぬ美少女。彼女が寺に身を寄せるようになってから、集落には凶事が発生し、邪気に蝕まれていく。猫の死。そして愛する母の死。冥界に旅立つ者を引き止めるため、ミハルは祈る。「アミダサマ!」-。その夜、愛し愛された者が少女に導かれ、交錯する。恐怖と感動が一度に押し寄せる、ホラーサスペンスの傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 仏教✖オカルトホラー。
    廃棄されている冷蔵庫の中から救い出された瀕死の少女ミハル。彼女のコエに呼び寄せられた悠人とジョウカン。

    異常なまでにミハルに惹かれる悠人に危険なものを感じたジョウカンは、彼には内緒で自分の寺に彼女を連れ帰り、母と共に育てることにしたのだが…。

    ミハルが来て以来集落に相次ぐ凶事、おかしくなっていく母の言動…何かが起きている…

    なんだか気持ち悪いお話でした。律子もなぁ…マリアや菩薩のように全てを赦す存在として描きたかったのだろうけど白痴美もなく、ただ愚かしいし、悠人の仕打ちも許し難い。
    痛々しくて残酷で淫蕩な、、、岩井志麻子さんの世界観の劣化版かな…

    • katatumuruさん
      岩井志麻子さんの世界観の劣化版という表現に思わず、「うん。うん」と肯いてしまいました。
      私も以前この本を読みましたが、登場人物の行動とかちょ...
      岩井志麻子さんの世界観の劣化版という表現に思わず、「うん。うん」と肯いてしまいました。
      私も以前この本を読みましたが、登場人物の行動とかちょっとついていけない感じがして、いきなりの壊れっぷりには引いちゃいました(-_-)
      2013/07/26
    • hetarebooksさん
      Katatumuruさん

      うふふ、ご共感いただけて嬉しいです。まほかる氏の経歴って実際僧侶だった時期があったり、少し変わっていますよね。ど...
      Katatumuruさん

      うふふ、ご共感いただけて嬉しいです。まほかる氏の経歴って実際僧侶だった時期があったり、少し変わっていますよね。どこか、浮世離れしてる展開はこのせいなのでしょうか(;。;)
      2013/07/29
    • katatumuruさん
      えっ!!この人、僧侶だった過去があるんですか?異色ですね~。
      その割にはかなり過激な残酷シーンを描いていたりして・・・何か、すごいと思ってし...
      えっ!!この人、僧侶だった過去があるんですか?異色ですね~。
      その割にはかなり過激な残酷シーンを描いていたりして・・・何か、すごいと思ってしまいます^^;
      2013/07/30
  • 冷蔵庫から発見されたミハル。彼女は不思議な力を持っていた。ミハルを引き取った僧、浄鑑の周りで起きる様々な凶事はミハルが原因なのかー

    最初は神々しい文章に引き込まれていた。最後はもう何がなんだか。エピローグで救われたかな。

  • 「コエ」に呼び寄せられた工藤悠人。
    勤行中背後の気配に気付いた筒井浄鑑。
    二人は修理工場の廃車置き場に導かれ、放置された冷蔵庫の
    中から三歳くらいの素裸の女の子を発見する。
    物言わぬ少女の名はミハルーー。


    ミハルを中心に浄鑑とその母・千賀子の章と
    悠人と娼婦・律子の章が交互に描かれてる。

    浄鑑は、ミハルの尋常ではない本能を見抜き、扉を開けなければよかった…。
    と、思いながらもミハルを浄鑑の寺で育てる。
    浄鑑の母・千賀子は喜んで親身になって世話をし愛情を注ぐ。
    浄鑑と年老いた母・千賀子とミハルとの穏やかな時間が過ぎていく。
    けれど、そんな穏やかな日々は所詮はかりそめのものでしかなかった。
    ミハルは溺愛してた老猫のクロが死に向かっていく過程で「力」を発露させていく。
    やがて、死んだクロを呼び戻そうと「力」を解き放つ…。

    浄鑑らが暮らす穏やかな田舎町は、凶事が発生し、
    邪気なものにゆっくりとだが、確実に蝕まれていく。
    人々の心がゆっくりと綻びて行く様はたまらなく不気味だった。
    邪悪な空気が、こちらにまでネットリと絡み付いて来る様で、ゾワゾワした。
    特に、千賀子の変貌・変容が怖かった。痛々しかった…。

    ミハルのコエを聞き、離された悠人の荒れようも嫌なものだった。
    律子に対する暴力や祖父に対する態度本当に腹立たしかった。

    千賀子の死によって一気にラストへとー。
    「コエ」を持つミハルとその声に感応してしまう「ミミ」を持つ悠人との因縁ー。
    ホラーサスペンスと言いながら、とても精神的な宗教的な世界が描かれていた。
    阿弥陀様・仏教の教えでは輪廻転生がある。
    ラストは救いだった。
    今度こそ、幸せに生まれてきますように…。幸せになれますように…。

  • 巻末の解説に、この本は曼荼羅だとあり、ああそうかとも思うが、観念世界のストーリーは常識で理解しようとすれば、紐解けぬ疑問の連鎖に訳が分からなくなり、更にはそれが詩的に表現され、一層現実感を失い、夢の世界を泳ぐような感覚になる。それが曼荼羅なのだろうか。理屈で読もうとしてはいけないのだろう。奇妙な疾走感と閉鎖的な陰鬱な世界観。その中でこそ通じる非現実的なストーリー。オカルトと言ってしまえばそこまでか。

  • 住職と地域唯一の町医者か登場するところは「屍鬼」を彷彿とさせる。役割も、壊れる地域をなんとか守ろうする様な方向に持って行こうとする所など似ているが、作者は、その方向性は途中で放棄してしまった様だ。

    律子は救いではあるが、余りに、悠人のキレっぷりが理不尽すぎて全く同調できない。その物語に絡む波留雄の登場もよく分からない。

    物語としては破綻しているのかもしれないが、その紡ぎ出す世界観と言うか、雰囲気がなにか気になる作家である。

  • このテイストで、うさんくさくならないギリギリのラインをちゃんと保ちながら、最後まできちんと読ませる力量がすごい。
    寺の住職と医者が幼馴染で、村?町?がどんどん平穏な日常からずれていく、という設定が小野不由美さんの屍鬼と重なって、おや。と思った。
    救われたいと思わないことで救われる、という主人公の潔い信仰が心に残った。

  • カバー裏には惹かれたのだけれど、蓋を開けてみれば大失敗。ただひたすら嫌悪感しか湧かなかった。悪い意味で何がしたいかわからないし、気味が悪い、ではなく、気持ちが悪い。ぺらっぺら。
    終盤のシーンで、当然と言えば当然なのだけれど、ミハルの中での序列がカアサンやクマ(日常の積み重ね)>悠人(運命?)になってしまっているのも居心地が悪かったし、結局のところ、町中に異常な感覚が伝染していったことについては満足な説明どころか物語上の必然性もなくて、破綻しているとまでは言わないけれど、気味の悪い雰囲気を煽るためだけの全く意味の無い設定であるように感じた。
    そもそも、この主題と着地点では、仏教を絡める意味はあったのかなあ。

    なんだか今年最後に読んだ本がこれだと余りに後味が悪いので、あと一日だけどもう一冊何か探そう…

  • 徐々に狂っていく人の描写がうまくて、褒め言葉として「気持ち悪い」。
    エピローグの意味がよくわからず、考えてしまった。バッドエンドなのか、ハッピーエンドなのか。感動するようでいて、よく考えるとぞっする。『彼女がその名を知らない鳥たち』の後味にも似ているが、『彼女~』のほうが衝撃的だった。『アミダサマ』のが後からじわじわくる。
    波留雄とナミが出会ってもなにもおこらなかったのに(2人の情死を招いたが)、なぜ浄鑑が、悠人とミハルの出会いをなんとか阻止しようとしていたのか?ミハルはコエを持っているだけでなく、それに加えて現実を歪める力をもつ?臨死体験を経験したことにより?悠人がミハルより強い力をもつ、というのは、悠人の思いによりミハルの魂が胎児にやどったから?
    沼田まほかるは、落ち込んでいるときに読んで、傷をえぐりたい。

  • 中盤までは盛り上がりを感じ、予想通りカアサンが壊れていく様は惹き付けられたが、最後の落としどころが拡散してしまった印象。あとは読者の想像で補完するというよくあるパターンでもない。もやもや。

  • 沼田さんの世界観全開!
    と言ってしまえば楽になれるのに。あまりにも難解で、この作品を通して自分がどう感じたのかも認識できていません。
    何を伝えたいのだろう、しばらく考え込みました。

    こんなにも巻末の解説を求めた作品は他にありません。ただ残念ながら、解説を書いた書評家さんも逃げちゃってます、あんな解説なら載せない方がまし。

    それにしても沼田さんの存在とは一体。
    これまで何を感じて生きてきたのか、なぜあんな世界観なのか、なぜそれを書ききれるのか、書ききれる精神力が恐ろしい。

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著者プロフィール

沼田 まほかる(ぬまた まほかる)
1948年、大阪府生まれの小説家。女性。奈良県在住。読んだあとイヤな後味を残すミステリーの名手として、「イヤミスの女王」という称号で語られることもある。
寺の生まれで、大阪文学学校昼間部に学ぶ。結婚して主婦になり、母方祖父の跡継ぎを頼まれ夫がまず住職となるが、離婚を経て自身が僧侶になる。50代で初めて長編を書き、『九月が永遠に続けば』で第5回ホラーサスペンス大賞を受賞、56歳でデビュー。
2012年『ユリゴコロ』で第14回大藪春彦賞を受賞し、2012年本屋大賞にノミネート(6位)。それを機に書店での仕掛け販売を通じて文庫の既刊が売れ出し知名度を上げた。
代表作『ユリゴコロ』は2017年9月23日に吉高由里子主演で映画化。同年10月、『彼女がその名を知らない鳥たち』も蒼井優・阿部サダヲ主演で映画化された。他の代表作に、『九月が永遠に続けば』、『猫鳴り』、『アミダサマ』。

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