パリ・東京井戸端会議 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339016

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  • 1970年から1973年までパリの映画監督に嫁いだ岸恵子さんと
    映画評論家の秦早穂子さんの二人の女性の往復書簡。

    東京とパリの快活素敵な
    当時40歳の女性の間を往復して綴られた書簡たち。
    家や仕事や恋愛や文化や世界情勢まで
    内容は様々で、たまに80年代に生まれた私でも知ってるニュースとか
    映画とかがでてきて、タイムトラベル気分を味わえる。

    特徴的なのは、二人が本業の女優や映画評論についてのことでなく
    70年代初頭のパリと東京の普通の生活の「窓」からの視点で綴られていること。

    70年代初頭といえば、プラハの春があって、ベトナム戦争があって
    混沌としている世界情勢の中で日本は景気がよくなっていく頃。
    そして、まだまだ東京とパリは遠かった時代。
    (本人達は本の中で近くなったと言っているけれど)

    そんな中での、
    真っ只中のベトナム戦争に対する恐怖とか、
    川端康成の自殺とか、
    映画ラストタンゴインパリの衝撃とか、
    終戦後の日本の転換の早さからの幼い頃のとまどいとか、
    70年代の働く独身女性の心とか。
    40歳、大人の女性の友情を軸に置いた言葉のやり取り。

    本自体絶版の為、古本じゃないと手に入らないので
    手にとった時から、古本独特の手触りも相まって
    外も中も時代の空気を深々と纏っている本。

    風景画の装丁もツボ。

  • 巡り合わせか、何か人との関わり方は、意味あるわ・・・

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