きらきらひかる (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 15579
レビュー : 2187
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339115

感想・レビュー・書評

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  • 積みっ放しだったけどもっと早くに読めばよかったかも。「人はみんな天涯孤独だ」という、あとがきも良くて…一回読んだだけじゃよくわからない事があったりしたので、たぶん何回か読み返すかもしれない。笑子と紺に惹かれた。ただ登場人物が20代ということに驚いた。雰囲気からするとなんとなく30だとか40代あたりかと…思った。

    出版された頃の世間一般的な精神年齢と実年齢と今とかどんどんかけ離れていくような…宇宙ぽさを感じたり…。

  • 医者でみてくれのいいホモと合意で結婚する。
    女の仕事はイタリア語の翻訳
    ついでに夫のステキな恋人とも意気投合して仲良くなる。

    ムカつくほど行き遅れた女の理想が全部並べられてて、8割方の女子が「わたし、こんな感じ好き〜」っていうと思う。

    そうなると、逆に恋愛感情が出てくると酷ですね。
    この酷な部分がこの話の読むべきところよ。

    睦月と笑子の間に生まれた愛情はほんとに信じていいのかな?

    水を抱くようなもの…睦月の父おやに言わせたこのひと言が凄く利いてる。

  • 最近、初めての作家さんに多く手を出しています。今をときめく江國さんも私は初めて。女性に人気のある作家さんですね。
    このくらい登場人物に共感できない作品も少ないですね。こんな妻が居たらたまんないし、夫もウジウジして嫌いです。夫の恋人も何を考えてるのか判んないし、友人たちも嫌いです。そして夫婦の親達も。強いて言えば、妻の友人がまともなくらいですかね。
    そのくせ、最後まで読ませてしまうのですから、なかなかの筆力です。そこを買って星4つ。でも本音は3つ半かな。

  • お互い結婚したくなかったから結婚した、アル中の妻と同性愛者の夫。
    そしてその夫の自由奔放な恋人。

    アル中の妻は小さな子供のようにふるまい、今にも崩れそうな不安定さで生きているが、自分の心に嘘がない。
    同性愛者の夫は医者で、限りなく優しく、そのために鈍感。
    夫の恋人はまた幼く、わが道を行く、風変わりな少年。

    不思議な関係は江國香織によって瑞々しく描かれ、
    そして不可能なはずのハッピーエンドがもたらされる。

    その後、別の本にて続編が描かれ、
    結論としてはこのハッピーエンドを覆すものとなったわけだけれど
    それでもこの本を読み終わった後の何とも言えない幸福感は
    この結末になって本当に良かったと思わせてくれた。

  • 私は、睦月くんと笑子ちゃんがものすごく好き
    江國香織が最後のあとがきで、人はいつも孤独。でも恋をせずにはいられない生き物とか言ってて、その矛盾の観点がものすごく好き
    小説の中でたまに、笑子ちゃんと睦月くんの相性が本当はものすごくいいことが語られることがあるんだけど、そういう関係、けっこう理想

    なんかいでも読みたくなる本

  •  2回読んでみた。最初は流し読みで物語全体の流れを把握して、2回目はゆっくり読んだ。執筆された時期があとがきによると1991年らしいので、ホモ・おとこおんななどLGBT用語が若干古いかなと感じたけど、親族や周囲の人間も含めて、家族(パートナー?)との在り方について一石を投じている内容であった。

     以前youtubeで外国人が日本のゲイ文化を紹介する動画があって、その中に仮面夫婦(ゲイとレズビアンだけど世間体を保つために結婚した人達)のインタビューがあったんだけど、本書の夫婦の形はこれに近いのかなと思った。子持ち既婚者がゲイ活動しているのはTwitterやアプリで見かけたことがあるけど、実際に仮面夫婦の方たちにお会いし話を聞いたことがないので、新鮮に感じた。

     個人的には、こういう夫婦(夫夫)のかたちも在りなのかなと思った。親族や法律的な問題も絡んでくるから現実的には簡単に言う事は難しいであろうけど。

    特に、睦月の母が言った「結婚は本人の問題ですものねぇ。笑子さんは睦月のこと、つまり紺くんとのことを知ってらしてお嫁にいらしたわけでしょう?結局、愛情の問題だよねぇ、そうでしょう?まわりがとやかく言ってもね、二人とも、もう立派な大人ですから」というセリフに感動した。
    親へカミングアウトする時もそうだけど、子どもの意思を尊重してくれることはきっとその人にとって大きな安心感になると思う。

    もう一方の両親サイドの主張も分からなくはないけど、きっと精神が不安定な娘を慮る気持ちもあるだろうと思う、それでも本人が望んでいることであるのだから、身を引いて温かく見守ってあげても良いのではないのかと思った。

    これは、それぞれ自分の弱みについての両親に対するスタンスが違うことも影響もあるのかなと思った。

     こんな感じで、親族や友人・同僚といった周囲の人間も含めて、愛情のかたちについて考えさせられる良い本だった。
    あと、文中に飲料の固有名詞が効果的に用いられ、バーに行きたくなった 笑。


  • 愛する相手に誠実であることは、自分の思いとは裏腹に相手の首を絞めてしまうのかなと感じた

    笑子の無邪気で突拍子のない、純粋であるがゆえに傷つきやすく精神的に波のある性格は、とても感情を揺さぶられたし澄んでいるようにみえた

    睦月が愛した紺と笑子は、ほっておけない、目を離せないところが少し似ているなと思う

    “銀のライオンたち”が大きく深呼吸して安心して眠れるような時間を過ごしていてほしいと願ってしまう

  • 江國さんの本の中でも何故か印象に残る作品。特別な設定てのもあるけど、なんか色とか匂いが見える感じ。江國さんの文体ってどれも思うけど、漢字と平仮名と片仮名の違いがうまく出てるなぁって感じる。こういうの翻訳して読まれたりしてもちゃんと伝わるのかな。全体通しては何も起こらないとか、結局何が言いたいの?とか、そういうの無視してこの感じを味わってほしい。

  • 「結婚して、子どもを生んで、幸せな家庭を築く。それが自然で、それが当たり前。」

    「自然」という言葉の定義は人それぞれ違う。ただ、世間一般でいう「自然」こそ誰もがなぞるべきものだと杓子定規の考え方を突きつけてくる「ふつう」の人々の言葉が痛い。
    アル中の妻と、男の恋人がいるホモの夫。世間でいう「自然」とはかけ離れた結婚だ。

    人工授精をしてでも形式上のふたりの子どもを、と勧める夫の母。
    子どもがほしいならば養子縁組という手段だってあるのに、血縁に拘るその所以は、やはり世間の目なのだろうか。

    ごっこみたいに楽しくて、気ままで都合のいい結婚の代償として、水を抱く。
    「このままでこんなに自然なのに」と言いながら、代償ということばを口にする主人公の笑子が健気で苦しい。結婚せずパートナーとして3人で共存していく方法もあったろうに、それを選ばなかった。同性愛者の結婚が認められた今だとまた少し選択肢が広がるが、世間のこの「ふつう」という息苦しいしばりがある限り、生きづらさは変わらないだろう。「自然」とは一体なんなのだろう…

    そう考えこんでいるところに、「ごく基本的な恋愛小説を書こうと思いました」という作者あとがき。はっ、そんな小難しいことでなく、人を好きになるってこういうことだよ、ということを伝えたかったのか。おもしろかった。

  • 15年ぶりくらいの再読です。アル中で鬱病の妻とホモの夫とその恋人。文字にするとすごい組み合わせなんだけど、とても透明感のある作品ですね。おかげで時代を感じさせない。
    周りにアル中の人間もいなければ鬱病の人間もいないので、ただただ笑子のそう鬱状態に圧倒されました。めんどくさいね、あたしだったらソッコー縁切ってる(笑)天使過ぎるアイドルなんかより天使な睦月です。
    何かの本で、ホモの男性が素敵に見えるのは彼らが女性を性的な目で見ないからだ、というのを読んだことあります。睦月を見てるとそれが分かるような気がします。だから性的なものを超えて人間としての魅力が見えてくるのかも。睦月に紺という恋人がいたから笑子は睦月が好きになったのかもしれないですね。3人ならこれからもわりと良い関係が築けそうです。
    ただ、睦月と笑子は結婚してるわけで、当然お互いの家族が絡んでくるんですね。誰でも自分の子供が一番可愛いに決まってます。あの親族会議のシーンだけ妙にリアルでした。

著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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