こうばしい日々 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339122

感想・レビュー・書評

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  • 表題作もよかったけれど、「綿菓子」がすごい。
    大人になってから感じていない、けれども昔感じていただろう気持ちが蘇ってきた。こんな気持ちになること、なかなかありません。
    何度でも読みたいです。気持ちのいい場所でゆっくり読みたいお話。小さな星のような、消えそうで儚くてそして甘いお話。って書いてみると、まさに「綿菓子」のようです。

    「綿菓子」で起きた出来事、大人になってからその出来事を考えてみると、ちょっと哀しいものなんだよね。大人からみたら刹那的だし、色んな意味で複雑だけど、みのりは多分、そこまでは考えないんじゃないかな。でもその瞬間のみのりの幸せは本物だと思う。

    読み終わって、呆然としてしまいました。
    そしてこの感動を忘れないうちに書きたいと思って感想を書いてます。
    江國さんの本を読んだ後は、生活のなかの小さな出来事にも色や音を感じられる気がします。

  • あったかい気持ちになれる少年少女恋愛小説

  • 少年と少女。アメリカと日本。性別や環境に差は有るものの姉の居る子供の話と纏めることもできる。表題作より数頁の短編からなる「綿菓子」が印象に残った。姉の恋人だった男を好きになるみのり。男達は姉は妹が一番に好きだと笑う。「きんのしずく」は「手紙」に出てきた『源氏物語』に重なって何処か悲しい。誰もが誰かを懐かしむために人を好きになるのではという淋しい仮説を立てたくなる。

  • 元々、『こうばしい日々』、『綿菓子』と別々に発表されていたものを、文庫化の際に一冊にまとめたものです。

    『こうばしい日々』では男の子、『綿菓子』では女の子、それぞれの視点を通して語られる十代前半の日常と、それらにまつわる様々な想いが瑞々しい感性で描かれています。

    個別に読んでいた時は気づかずにいたけれど、一冊にまとめられると意外に相似点が多いものですね。
    似通った設定だけに、少年と少女の感覚の相違が、より強調されているような気がしました。

    他作品にも見られますが、食事やお菓子の描写が多く、それらが両作品に彩りを添えています。

  • 「綿菓子」江國さんが20歳の時の作品なんだ。すごい。

  • 喧嘩をした時「もうこのまま絶縁かも」と思える子供心を忘れてしまった事に、寂しさを感じる。
    どこかに置いてきたものを、思い出させてくるのが江國香織さんだ。

    水曜日が特別になる。
    私も特別な曜日をつくろう。
    ご褒美ではなく、決まりごとの方がいいね。

    女は哀しいけれど、恋をした人はもれなく全員哀しい。

  • 2023.11.21

  • 綿菓子みたいなキスシーンに憧れてたなあ

  • 抽象的だなあ

  • ピンクハウス

  • 記録

  • 『こうばしい日々』と『綿菓子』という中編2作が入っている。
    綿菓子のp123におばあちゃんがお姉ちゃんのお見合い結婚を反対するみのりちゃんに、「お姉ちゃんは幸せを選んだのよ。」というシーンがあって、みのりちゃんはお姉ちゃんのことが好きだからお姉ちゃんの幸せも願いたいけど、それと同じくらい次郎くんのことも好きで次郎くんの幸せも願いたい。お姉ちゃんの幸せが叶ったら、それは次郎くんの幸せが叶わないことになるし、次郎くんの幸せが叶ったらそれはみのりちゃんの幸せが叶わなくなる(みのりちゃんは次郎くんが好き)ことになるから、恋は全然うまく行きっこないことと私は思って、終わらないループになっちゃうから結婚してる人たちはすごいと改めて思った。途中でみのりちゃんが「女は哀しいね。」というところが二回あって、最後の最後には「男も哀しい。」という結論に落ち着くのだけど、そこの感じがいまいち入り込めなくてわからなかったからもう一度タイミング変えて読み直してみようと思った。また読むタイミングを変えたら違う風に響くかも!

  • 人から見た自分と自分が感じている自分。人種や性、年齢など様々なカテゴライズのなかでの葛藤や人の多面性。
    自分がどう見られているのか意識すると同時に、自分が人をどう判断しているか思い返す。

    パーネルさんや絹子さんのような人になりたい

  • 金色の液体

  • ずいぶん昔友達に勧められて初めて読んだ江國香織の本。「こうばしい日々」のミズ・カークブライトがダイに話すタイミングの話に心を掴まれ、一番好きな作家に。
    何度読んでも、どんな時に読んでも、その時々の心に響く言葉。
    2021.09

  • 2021.2.23.読了。

    とっても爽やか。心がシュワシュワする感じ。
    三時間ちょいでサクッと読めました。

  • 綿菓子、ドキ

  • 一つのことを、はじめから知っている人もいるし、途中で気がつく人もいる。最後までわからない人もいるのよ

  • 綿菓子の次郎にどきり。

  • .

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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