つめたいよるに (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 9847
レビュー : 992
  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339139

感想・レビュー・書評

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  • ねぎを刻む話が確かあったなぁと、ふと思い出して手に取った。
    もう何度も読んだ短編集。

    お目当ての一編はタイトルはそのまま、一人暮らしのOLがねぎを刻むお話。

    今の自分と重なる。孤独でいるのを好んでそうしているのは自分なのに、どうしたって我慢ならない時がある。

    最近、なんとはなしに涙が出てきてびっくりしたことがあった。
    仕事が忙しくてストレスが溜まってた訳でもないし、泣ける映画を見てたわけでもない。
    自分で作ったカレーを食べながら、涙がこぼれたのだ。

    カレーが美味しくて、美味しいと思うのはそれが母の味に似てるからで、ふと実家が恋しくなって、涙が出た。

    それ以来、またそんな風に泣いてしまうのが怖くて、なにかと忙しいフリをする。

    前は、退屈なくらい時間を持て余して1人でいるのも平気だったのに。一生1人で生きていきたいとさえ思っていたのに。

    今度涙が出そうになったらねぎを刻んでみようかな。

  • 人を恋するということはえらいことですわなぁ。
    江國さんの描く様々な恋と、ちょっぴり摩訶不思議な仕掛けのある21編の短編集。
    好きなタイプの話が多く、優しい、懐かしい、切ない等様々な気持ちが次々に生まれる。
    『桃子』『草之丞の話』『鬼ばばあ』『晴れた空の下で』『ねぎを刻む』が印象的。

    一番心に残ったのは『デューク』。
    「それだけ言いにきたんだ」
    あの時あなたは優しくそう言った。
    けれど私にとっては「それだけ」なんかじゃない。
    あなたが私にくれたものは一言では言い尽くせない程の深い愛情。
    ほんの数頁の短編なのに物語の余韻がずっと頭から離れない。
    以前大学センター試験に出題され、涙をこらえられなかった受験生が続出したという『デューク』。
    こんな心を揺さぶる作品を出題するなんて、出題者なかなかやるじゃん。
    受験生と試験官泣かせの作品。
    読めて良かった。
    この先何度でも読み返していきたい一冊。

  • 「デューク」や「草之丞の話」など私の好きな作品が収められている江国さん初めての作品集です。読むと温かい気持ちになれる、癒しの一冊です。(4.5)

  • 江國さんの短編集の中で、一番好き。
    21篇のどれも5~10分足らずで読めてしまうのに、どの話も描かれてる物語に引き込まれてしまうのが単純にすごい。

    中でも特にデューク、草之丞の話、スイート・ラバーズ、藤島さんの来る日、子供たちの晩餐、さくらんぼパイ、とくべつな早朝がお気に入り。

    そして夢か現かの不思議な世界観が多い中で、ねぎを刻むの生々しさが本当に目立つ。
    もう何年も手元に置いてある本だけど、これだけは軽い気持ちで読み返せない。
    何ていうか覚悟が要る、良い意味で。
    だから寂しいって怖い。

  • 大学生の頃に読んだんだが「デューークゥゥゥ」となった記憶がある。10年経ったらまた違うんだろーなぁとか思いつつ先ほど読んでみたら「デューーーーーーーーーークゥゥゥゥゥ」となった。犬を飼い始めたのもまずかった。

  • 久しぶりに読み返しました。

    「デューク」…犬派にはたまらない。たまご料理と梨と落語が好きで、キスのうまい犬。「君はペット」の松潤みたいな?しかしこれ、犬種がパグやコーギーなら成立しない気もしますね。

    コーギーのおしりと笑ってるみたいな口元がたまらなく好きな私ですけども。

  • 【心に】

    沁みます。
    江國香織さんの好きなものの詰め合わせ。

    「感激する」「影響を受ける」っていうほどではないけど、
    静かに心のなかに染み込んでいく感じ。
    好きです。

  •  ぽんと物語だけを差し出して、あとは読者にまかせる。そのあっさりとした書き方が、なんとも言えない味わいを出していると思いました。短い文章の中に漂うせつなさがとても優しく、温かい小説でした。短編小説が21編、収録されています。

    • kuroayameさん
      短編小説が21編とのことで、とても読みやすい本という雰囲気がレビューから伝わってきました♪。
      いつも素敵な本のご紹介をいただきありがとうご...
      短編小説が21編とのことで、とても読みやすい本という雰囲気がレビューから伝わってきました♪。
      いつも素敵な本のご紹介をいただきありがとうございます♥。
      2012/12/20
  • 2012/11/30読了

    教授オススメの短編「デューク」を収録。
    21の短編があり、ひとつひとつがスッキリと読めるショートショート。
    心に響くものも、流れるようにおわる物語もある。
    書けるだけ感想をば。

    ・デューク
    涙と、甘い愛のやわらかな物語。
    あの教授をうならせただけあります。素敵な、ジェームス・ディーン
    ・夏の少し前
    不思議な感覚になった。人生はきっとこういうものなのかな
    ・僕はジャングルに住みたい
    小学生男子ってきっとこんなの
    ・桃子
    恋は、人を、狂わせる。
    ・草之丞の話
    お気に入りその1。
    注目すべきは、母の彼に対する愛情。
    ・鬼ばばあ
    幼いときは、こういうことが大きく感じるのよね
    ・夜の子どもたち
    お気に入りその2。やんちゃな大人好きだ
    オチが秀逸。
    ・いつか、ずっと昔
    輪廻転生。もしかしたら私も、いつかずっと昔には…。
    いつでも愛してくれる誰かが側にいてほしい。
    ・スイート・ラバーズ
    お気に入りその3
    死は全て悲しみに繋がるのではない。
    チャーミングなおじいさん、そしておばあさん
    ・朱塗りの三段重
    今の世の中ってこうなんでしょうね、愛が変なの。
    ・ラプンツェルたち
    だって女ってワガママよ
    ・子どもたちの晩餐
    幼心に分かるあの気持ち、毒って甘いの
    ・晴れた空の下で
    春の穏やかな日々と、隣にいるのはいつも愛する妻。
    ・さくらんぼパイ
    何せ大人は自分の都合で動く生き物だから
    ・藤島さんの来る日
    ネコよ、主を大事に
    ・緑色のギンガムクロス
    なんだかなー
    ・南が原団地A号棟
    先生の評価が知りたい。
    ・ねぎを刻む
    痛いくらいに気持ちが分かる
    ・コスモスの咲く庭
    おとんよ強くあれ
    ・冬の日、防衛庁にて
    強い人にはかなわない
    ・とくべつな早朝
    お気に入りその4、最後に相応しい一篇。
    この二人が可愛すぎる!!!!!

  • 日記のページをめくるように次々と差し出される21の短編集。しっとりとした夜の冷気が肌に触れる。境界線が曖昧で、善悪が不透明で、どこまでも希薄で、言葉にするのが難しいのだけれど、冷たいのに心地よい。非日常的なのにすんなり受け入れてしまう感じに似ている。「デューク」「桃子」「ねぎを刻む」が好み。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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