つめたいよるに (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 9677
レビュー : 987
  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339139

感想・レビュー・書評

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  • 人を恋するということはえらいことですわなぁ。
    江國さんの描く様々な恋と、ちょっぴり摩訶不思議な仕掛けのある21編の短編集。
    好きなタイプの話が多く、優しい、懐かしい、切ない等様々な気持ちが次々に生まれる。
    『桃子』『草之丞の話』『鬼ばばあ』『晴れた空の下で』『ねぎを刻む』が印象的。

    一番心に残ったのは『デューク』。
    「それだけ言いにきたんだ」
    あの時あなたは優しくそう言った。
    けれど私にとっては「それだけ」なんかじゃない。
    あなたが私にくれたものは一言では言い尽くせない程の深い愛情。
    ほんの数頁の短編なのに物語の余韻がずっと頭から離れない。
    以前大学センター試験に出題され、涙をこらえられなかった受験生が続出したという『デューク』。
    こんな心を揺さぶる作品を出題するなんて、出題者なかなかやるじゃん。
    受験生と試験官泣かせの作品。
    読めて良かった。
    この先何度でも読み返していきたい一冊。

  • 「デューク」や「草之丞の話」など私の好きな作品が収められている江国さん初めての作品集です。読むと温かい気持ちになれる、癒しの一冊です。(4.5)

  • 江國さんの短編集の中で、一番好き。
    21篇のどれも5~10分足らずで読めてしまうのに、どの話も描かれてる物語に引き込まれてしまうのが単純にすごい。

    中でも特にデューク、草之丞の話、スイート・ラバーズ、藤島さんの来る日、子供たちの晩餐、さくらんぼパイ、とくべつな早朝がお気に入り。

    そして夢か現かの不思議な世界観が多い中で、ねぎを刻むの生々しさが本当に目立つ。
    もう何年も手元に置いてある本だけど、これだけは軽い気持ちで読み返せない。
    何ていうか覚悟が要る、良い意味で。
    だから寂しいって怖い。

  • 久しぶりに読み返しました。

    「デューク」…犬派にはたまらない。たまご料理と梨と落語が好きで、キスのうまい犬。「君はペット」の松潤みたいな?しかしこれ、犬種がパグやコーギーなら成立しない気もしますね。

    コーギーのおしりと笑ってるみたいな口元がたまらなく好きな私ですけども。

  • 2012/11/30読了

    教授オススメの短編「デューク」を収録。
    21の短編があり、ひとつひとつがスッキリと読めるショートショート。
    心に響くものも、流れるようにおわる物語もある。
    書けるだけ感想をば。

    ・デューク
    涙と、甘い愛のやわらかな物語。
    あの教授をうならせただけあります。素敵な、ジェームス・ディーン
    ・夏の少し前
    不思議な感覚になった。人生はきっとこういうものなのかな
    ・僕はジャングルに住みたい
    小学生男子ってきっとこんなの
    ・桃子
    恋は、人を、狂わせる。
    ・草之丞の話
    お気に入りその1。
    注目すべきは、母の彼に対する愛情。
    ・鬼ばばあ
    幼いときは、こういうことが大きく感じるのよね
    ・夜の子どもたち
    お気に入りその2。やんちゃな大人好きだ
    オチが秀逸。
    ・いつか、ずっと昔
    輪廻転生。もしかしたら私も、いつかずっと昔には…。
    いつでも愛してくれる誰かが側にいてほしい。
    ・スイート・ラバーズ
    お気に入りその3
    死は全て悲しみに繋がるのではない。
    チャーミングなおじいさん、そしておばあさん
    ・朱塗りの三段重
    今の世の中ってこうなんでしょうね、愛が変なの。
    ・ラプンツェルたち
    だって女ってワガママよ
    ・子どもたちの晩餐
    幼心に分かるあの気持ち、毒って甘いの
    ・晴れた空の下で
    春の穏やかな日々と、隣にいるのはいつも愛する妻。
    ・さくらんぼパイ
    何せ大人は自分の都合で動く生き物だから
    ・藤島さんの来る日
    ネコよ、主を大事に
    ・緑色のギンガムクロス
    なんだかなー
    ・南が原団地A号棟
    先生の評価が知りたい。
    ・ねぎを刻む
    痛いくらいに気持ちが分かる
    ・コスモスの咲く庭
    おとんよ強くあれ
    ・冬の日、防衛庁にて
    強い人にはかなわない
    ・とくべつな早朝
    お気に入りその4、最後に相応しい一篇。
    この二人が可愛すぎる!!!!!

  • 大学生の頃に読んだんだが「デューークゥゥゥ」となった記憶がある。10年経ったらまた違うんだろーなぁとか思いつつ先ほど読んでみたら「デューーーーーーーーーークゥゥゥゥゥ」となった。犬を飼い始めたのもまずかった。

  • 短編集。ほんとに短いお話しばかり。

    優しくふんわり不思議な印象で、はじめは絵本を読んでいるような感覚でした。
    だけどこの短いストーリーの中に内容がギュッと詰まっていて、読んでいく毎にぐいぐい引き込まれてしまいました。

    女性向けですね、ロマンチックなものが多かったです。

  • 「親力」を咀嚼して考えをまとめたくて本を持たないで家を出たら、帰りにモーレツに本を読みたくなり会社の積読から1冊つかむ。
    ちょうど花冷えのような今日にピッタリの本。
    そういえば、なんて微笑みながら語らうようなお話がぎゅっと詰まっている。
    道ですれ違った見知らぬ人の記憶の断片を垣間見たような。
    とても好きだった。
    江國作品で一番好きな「間宮兄弟」を超えたかも。
    意地悪だなとかひんやりしたお話しはあるけれど、読み終わって体に溜まった嫌なものがシュウウっと抜けていった。
    解説で江國さんの作品には「好きなもの」が沢山登場するとあり、心がほっこり温かくなるのはそれか。
    苦手なもの、シコリのように気鬱になるものを包み込むような「好きなもの」。

    「誰かに叱られたら改心できるだろうか。私は改心したいのだろうか。なにを、どんなふうに。」

  • 「つめたいよるに」と「温かなお皿」の2部に分かれた短編集。前半はファンタジックな話、後半は食べ物が象徴的に登場する話が収められている。

    私にとって何度も読んだ本であり、一番好きな話は「デューク」だ。可愛がっていた犬のデュークが死んだ翌日、悲しみにくれる「私」は電車で出会った見知らぬ男の子と1日を過ごす。別れ際、「私」はその男の子が死んだデュークだったのだと気付く。出会ったばかりの男の子とプールや美術館へ行ったり落語を聴いたりする、日常生活からちょっと離れた過ごしかたが楽しい。でもその全てが生前のデュークを思い起こすものであることに気付き、1日の終わりには再び悲しみが押し寄せる。物語には男の子=デュークであるとは明言されていないが、さりげなくそう気付かせてくれる。「僕もとても、愛していたよ」という一言がやさしく心に響いて、悲しいはずなのに温かな気持ちで満たされる物語である。

    • yamatamiさん
      はらめさん

      はじめまして、こんばんは!
      yamatamiと申します。フォローしていただいてありがとうございます!とても嬉しかったです...
      はらめさん

      はじめまして、こんばんは!
      yamatamiと申します。フォローしていただいてありがとうございます!とても嬉しかったです。

      私も「デューク」が大好きです。はらめさんのレビューを拝見して、思わず泣きそうになりました。切ないけどとてもあたたかい気持ちになるお話ですよね。
      久々に読み返したくなりました。

      はらめさんの本棚はおいしい食べ物が出てきそうな作品やあたたかい雰囲気の作品がたくさんでとても素敵です。参考にさせてくださいね。
      どうぞよろしくお願い致します。
      2014/03/04
    • はらめさん
      yamatamiさん

      はじめまして。
      こちらこそコメントありがとうございます!
      他のレビューも丁寧に読んでくださっていて、とてもう...
      yamatamiさん

      はじめまして。
      こちらこそコメントありがとうございます!
      他のレビューも丁寧に読んでくださっていて、とてもうれしいです。

      私自身、料理をすること、食べることが大好きなので、
      手に取る本も食べ物に関係する本がなぜか多くなってしまいます。

      私もyamatamiさんの本棚を参考にしたいです。
      よろしくお願い致します。
      2014/03/05
  • ああ、やはりショートショートは苦手だ。盛り上がりに欠ける。なのに不思議と心はあたたかい。静かに心に積もる一冊。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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