ホリー・ガーデン (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.50
  • (564)
  • (509)
  • (1728)
  • (118)
  • (25)
本棚登録 : 6314
レビュー : 617
  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339146

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 江國さんの小説に出てくる、ちょっとこまったちゃんな女性がとてもすき。
    だから、果歩はとても魅力的だと思った。

    過去に果歩の不倫を責めて、でも現在自分は不倫の恋を真実だと思って幸せに浸っている静枝。わたしは果歩がすきなぶん、静枝をすきになることはできなかった。
    美術室で珈琲を飲むのは、いいなあ。笑

    親友なのに、会うとぴりぴりした雰囲気になるふたり、この関係はよくわからないなぁと思った。

    それよりも中野くん…!
    女性同様、江國さんの小説に出てくる男性にもとてもときめく。
    中野くんに、はやくお嫁にもらってあげないと、と思われたい!笑

  • この本を読んだあと、ベートーベンを聴きながら、紅茶を飲みたくなりました。
    江國さんの小説に出てくる固有名詞は、何か特別魅力的なものに思えて、雑誌をパラパラめくっているような心地よさを感じます。

  • 時々無性に読みたくなる本。
    多分、私も果歩のように食器を割りたい気持ちだったから急に読みたくなったのだと思う。
    代わりに割ってもらった。
    綺麗じゃない世界が美しく見える、江國さんの文章が好き。
    全てが柔らかくて綺麗な世界に見える素敵なフィルター。
    ずっと思っていたのですが、これ他の作品と少しだけ繋がってますよね。

  • ジムでプールの帰りにふと、そういえば江國さんのプールに行く女の人の小説があったな、と唐突に思い出し再読。実はプールにいくという描写そのものは、そこまで強調されているわけではないのに、例えば果歩が料理が上手だとか、数人の男性と刹那的な関係にあるとか、昔の男のエピソードだとか、は忘れていたのに、初読から記憶している部分が、それ、というのは我ながら興味深いと思った。

    2018.7.28

  • 江國さんの描く、こまごまとした生活の描写がことさら好ましい小説。
    いつもと同じ朝食。カフェオレボウルで飲むミルクティー。身支度の最後に選ばれる眼鏡。
    眼鏡をかけると見とれるくらい色っぽくなるというのに、「眼鏡屋の店員だから眼鏡をかけた方がいいと思って」かけているだけという果歩の投げやりなスタンスに惹かれて、江國作品の中では果歩はかなりお気に入り。ただ、変な男に失恋した傷がずっと癒えない女性という印象もあって、失恋相手にはあまり魅力を感じられなかった。
    失恋の傷がゆっくりと癒えていく様子に、ヒリヒリもするけれど、癒された。

  •  かきあげ前髪にパンツルックでビシッと決めてる静枝が甘ったれで、ゆるふわショートボブでビーズアクセが似合ってしまう果歩が実は大人というのが対照的でおもしろかったです。
     静枝・芹沢という終始ろくでもない2人――ブーメラン発言女(不倫、保健室)と愛人コントロール男――を当て馬に果歩・中野の関係が描かれているってことは、やっぱり江國さんは性愛がなくとも成立する関係性が理想だと考えているのかな? もちろん、それは現実に即さない、ロマンチックに過ぎる考えかただと断じる人はいるのだろうけど、個人的にはとても共感できる気がします。というか好きです。
     ときおりポンと出てくる江國さんの毒気で、静枝がどんどんこきおろされてゆくのは読んでいて痛快ではありました。でも、自らの未熟さや至らなさを言葉を使って正当化してしまうのは楽だし、気持ちの良いこと。やっぱ他人事じゃない。我がふりも直さなくてはなーという気持ちになりました。
     あと中野が報われてホントよかった!

  • 高校生の時に初めて読んで、「よく分からないな」と思い、定期的に読み返していたけれどもそれでもやっぱりよく分からなかった『ホリー・ガーデン』。25歳になって、やっとすとんと心に落ちてきて、好きだなと思えるようになりました。

    中野くんがいい。すごくいい。特に合鍵を返すあたり、そのあとおどけて話すあたり。とても素敵な人物です。中野くんみたいな人が身近にひとりいるだけで、とてもとても救われるんだろうなと思う。悪い考えかもしれないけれど。

  • 初めて読んだのは高校生の頃。その時は起伏のない平坦な物語に感じ「えっ、これで終わり⁈」と物足りなさがあったが、今読んでみると狭い世界の緩やかな時間の中にも事件があり進展があり、読み応えがあった。賛否両論ありそうな作風だと思う。

    まだ携帯電話もない時代だからこそ、中野くんが突然家に来ることができる。
    中野くん好き。

  • やはり江國作品は好きだ。

    奇をてらったストーリー展開はないが、日常のなんでもない情景(といっても不倫なのだが)、そのときの心の微妙なヒダがゆったりと丁寧に何層にも描かれている。
    静枝のキャラクターは一貫して静枝だが、果歩はときたま果歩ってこんなことするんだという意外性がこの小説のリズムを作っているのかもしれない。

    何はともあれ、この小説の空気感がたまなく好きだ。

  • きれいな文章って感じ。

  • 2回目

    江國香織の作品で一番すきだと思う

  • 髪何回かきあげんるんじゃ。
    江國香織の文章の美しさめっちゃいいんだけど、
    なんかこの作品はこうトレンディドラマ感が、ある。
    しずえはワンレンロングなんだろーか。
    津久井はただのだめなやつだけど芹沢はキモいおっさんにしか見えんかった。
    江國香織のほかの作品では不倫もなんとも思わないけど、この作品ではしずえに「そのオッサンまじでやめといたほういいよ絶対」と言いたくなった。
    時代のせいなのか、江國香織でも全てが普遍的ではないということなんだろうか。

  • 細かく区切られていることもあってか、淡々とさらさらと読み終えてしまった。きれいな水に浸ったような、瑞々しさのようなものを感じた。何となくばかりで具体的な部分は上手く受け取れなかったけれど、叔母のかほちゃんの伊達眼鏡に憧れて目が悪くなったふりをした姪っ子幼稚園児のエピソードは可愛かった。

  • 彼女が復讐しているとしたら、それは彼ではなく、自分自身なのかもしれない。
    でも復讐というのはなんか違う気がしますよね。
    多分もがいているのだと思う。自分を確かめるためというか。
    何が正しいとか、何に意味があるとか、それを他人が決めることはできないのよね。
    でも、他人だから見えることもある。
    そしてそれを言えるのは親しい間柄だからこそ。
    しかし、近いものにそれを言われるのは、どうしてもイライラするものなのですよね…。

  • "ホープレスにあの人が好きなのよ。私の知らない土地に生まれて、私の知らない人たちと生きて、私の知らない人たちを愛している芹沢さんが好きなの。いまのあの人じゃないあの人なんて想像できないし、いまの私たちじゃない私たちなんて考えられない。"

  • なぜだか心があたたかくなる作品
    読んだときはよくわからなかったけど今ならちょっとわかる

  • 大人になってしまった女同士には友情は成立しないと思っている。主人公二人の間にあるのはもっと別の感情なのではないだろうか。触れてはいけない問題が多すぎて、いつの間にか不可侵条約が出来ている。でもどうでもいいわけじゃない。
    女と言う生き物の不可思議、哀しみ、おかしさ。
    本当に幸せな女なんて世の中にはいないのじゃないか、でもそれは別にひどい事では無くて、非常に自由な事なのかもしれない。

  • タイプの違う果歩と静枝、
    どちらの女性も、自分にも似た部分があって
    イヤな女だなと思うw

    そしてどちらの女性にも共感よりも、
    心配してつっこみたくなってしまいます。

    静枝が、果歩の過去の男・津久井について
    さんざん、どうしてあんな男と付き合っていたのかと
    不満に思っていた描写が多いけれども、
    静枝の不倫相手芹沢に会った果歩が、
    気障な古い笑顔だと思うところが面白かった。
    (そうそう、女友達のカレって、
    恋愛の渦中にある本人は素敵だと思ってても
    友達から見ればあんまり大したことないものだもん。)

    私は、津久井なんかよりも
    芹沢のほうがずるくて卑劣な人だと思う。

    芹沢と付き合うことで、
    どんどん自分を向上させて
    どれだけ変わったかを楽しむ静枝は
    前向きだと思うけれど、
    向上させ続ける恋愛なんて、
    無理して言い聞かせてるようで、
    恋愛感情がなくても寝てしまう果歩よりも、
    静枝のほうが痛々しく感じました。

    静枝は、果歩の中野を保健室呼ばわりするけれど
    静枝の元カレの祥之介の存在も同じようなものだから、
    果歩がいう、「精神的なお友達はいやらしい」は尤もだと思うし、
    芹沢同様、静枝もずるさを持っている。

    今は静枝も20代で若いけれど、
    30代、40代になったときにも関係は続いているのだろうか。
    芹沢は静枝と同じように
    結婚はしなくても別荘で人生のパートナーとして
    過ごすつもりはあるのだろうか。

    芹沢にはおそらくないだろうな、
    なんて、余計な心配をしてしまうのは
    自分がもう(家庭に入って子どもがいて)恋愛現役世代じゃなく、
    恋が遠ざかってしまってるせいかも。
    既におばちゃん目線だな。

    中野くんも、果歩のワガママを全て受け入れてくれそうだけれど、
    果歩はこども好きだと思ってたり、
    本質を全くみえてないところが心配だ。
    象足のほうがよっぽど果歩を理解しているのかもしれない。

    二人ともこれからまたどうなるのかは分からない
    渦中を描いた小説ですが、

    ラスト、
    (さんざん静枝は果歩の心配をして
    おせっかいをしようとしてきたけれど)
    果歩自らが秘蔵のティーカップを出して
    津久井との過去を乗り越えたのは、
    とてもよかったと思えました。

  • ちょうど人間的に一番荒んでた時期に読んだ一作。
    この人の影響を一番受けてるのではなかろうか。
    そのくらいに読み返して、いまやカバーは破れてしまっている。

    夢の中で生きている果歩も、現実に足をつけつつ逃避した生活を送っている静枝も、自分の中にいる。

    結局は、その無駄さえも糧なのよってことなんだろうけど。

  • 自分の生活とかけ離れた小説を読むことが多いので、
    日常生活を書いているこの小説は新鮮だった。

    一つ一つの心情や状況についての表現が豊富。

全617件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

ホリー・ガーデン (新潮文庫)のその他の作品

ホリー・ガーデン 単行本 ホリー・ガーデン 江國香織

江國香織の作品

ホリー・ガーデン (新潮文庫)に関連する談話室の質問

ホリー・ガーデン (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする