流しのしたの骨 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 734
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339153

作品紹介・あらすじ

いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな`小さな弟'律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族想いの父、の六人家族。ちょっと変だけれど幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた、不思議で心地よくいとおしい物語。

感想・レビュー・書評

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  • この小説好きだなあ。
    お嫁に行ってしまって、戻ってきたそよちゃんを含めた家族の日々がすてきで、
    季節を大切にするお母さんがすてきで、
    日々がゆっくり流れるような、そんな気配がある話。
    洋服や食事の描写もすき。冬の日の缶のミルクティーとか、いろんなシュウマイとか。

  • 家族のゆるやかな連帯感に癒された。
    窓の外をみる場面が繰り返されるとこが好き。

  • 父と母、そよちゃんとしま子ちゃん、私、律の6人家族の日常を切り取った物語。常人が変な家族を見て驚く物語ではなく、自身が普通とちょっと違う主人公が、本人にとっての当たり前である日常を当たり前に語る物語なので、あらゆることに常識的な説明はされないし、ちょっとした事件もそれほど大きく騒ぎ立てられることなくゆるやかに通り過ぎていく。深町直人と律の二人の男性陣がとても魅力的。そしてそよちゃんの、離婚を「半殺しにされたままの状態で旅に出るような気持ち」「私たち、お互いに本当に半分殺しあったのよ」という表現が心に残った。

  • 性格の違いや考え方の違う姉弟の話。
    ゆったりと流れる時間に癒しも含まれている。
    姉の離婚、風変わりな性格の姉、フィギュアを作るのが好きな弟、そして高校を卒業後成人まで親に養ってもらう家訓に甘えてぷらぷらしている主人公、
    全て批判せずにお互いを尊重、仲の良いのが伝わり
    他人の悪口や批判、どろどろした話じゃないので読んだあとほっこりするんだなぁ

  • 家族のそれぞれが、自分の世界や価値観をたいせつにし、相手の感性も尊重している感じ。
    ベタつかず、おだやかでとても居心地よさそうである。読んでるこちらも心地いい。
    そこへ紛れ込んでいるのが「半殺し」だの「流しのしたの骨」だのの言葉、そして「律の人形」をはじめとするエピソード。
    拾ったガラスのかけらのようで危ないんだか危なくないんだか。
    この家族のもつ空気感との入り混じり方がサラッとしていて、なんともニクイ!
    私にはそこがまた魅力的だった。

    「繊細だけど強い糸」―そんな絆を感じる家族だった。

  • 父母、娘3末息子1の少し変わった家族の生活を切り取ったお話
    何回目かの再読

    これは江國香織の書く家族話の原型みたいなものじゃないか?
    「思いわずらうことなく愉しく生きよ」「抱擁、あるいはライスには塩を」につながっていくのね
    ただ、視点が各登場人物に切り替わることなく、基本的にことちゃん目線で描かれているというのも初期作品っぽい

    律のキャラクターが好き
    家族のマスコット的存在なのかね
    行動のイメージ的には小中学生くらいなんだよなぁ
    ってか、読んでて気づいたんだけど、律と同い年だった(笑)
    そっかー、律ももうおっさんかー
    他の家族はどうしてるのかなー?なんて妄想が膨らむ
    そんな妄想が膨らむのは、この作品が完結してる感がないからだね
    家族のワンシーンを切り取ったものなので、当然その後というのも存在すると自然に感じてしまっている

    そう言えば、前に娘(小学校中学年くらい?)に低い声で「流しの下の骨を見ろ!」みたいなセリフを言ったら「怖いからやめて」って言われたなぁ

    私の実家にしても、今の家庭にしても世間の一般的とイメージする家庭とは少し変わったところがあって
    でも、他の家庭の事をよく知らないだけで、他の家庭もどこか変わったところがあるのかもなぁと思うと少し救われる気がする

  • 匂いや息遣いまで伝わってきそうな繊細な文体で描かれた、とある家族の話です。家族間のルールやしきたりは家族それぞれである意味閉鎖的なところがありますが、この家族も一見変わった風習があり(人々も実際個性的な人ばかり)、まるで人の家の窓を覗き見しているような不思議な気持ちになります。

  • 面白かったです。
    とても個性的な家族なのですが、ふわふわと進んでいくので読んでいてとても心地好いです。
    そよちゃん、しま子ちゃん、こと子、律の姉弟もそれぞれ好きです。そよちゃんが一番好き。
    深町直人も良いです。
    家族の生活を覗く、ってドキドキするのですが、起こる事件は現実的でも、流れていく生活の一部でしかないのだな、と思いました。
    この一家はとても強い気がしました。

  • 日常の淡々とした生活
    江國 香織さんのご家族に似てるのかも、とふっと思いながら読ませていただきました。

  • 一風変わった愛すべき家族の物語。
    この風変わりさが、心地良くて、不思議とあんしんします。
    日常の些細な描写が、わくわくと胸ときめきます。読んでいて、満たされていくよう。
    わたしにとって、宝物みたいな一冊です。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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