流しのしたの骨 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 6734
レビュー : 734
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339153

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。
    とても個性的な家族なのですが、ふわふわと進んでいくので読んでいてとても心地好いです。
    そよちゃん、しま子ちゃん、こと子、律の姉弟もそれぞれ好きです。そよちゃんが一番好き。
    深町直人も良いです。
    家族の生活を覗く、ってドキドキするのですが、起こる事件は現実的でも、流れていく生活の一部でしかないのだな、と思いました。
    この一家はとても強い気がしました。

  • 読んでいる時は「この家族変!」とずっと思いながらイライラしてたが、読後しばらくして思い返すと、どこの家族も他人様には知りえない不可解で変な日常があるのかもしれなと考えるようになった。というか、こういう変な人々を許容できる人こそ幸福なのかもしれない。自分を省みていろんな事を考えた。ほっこりする、とかの類いではなかったけど不思議ちゃんにはお勧め、かな?

  • この本は、実家に帰る電車の中で読んでいた。

    家族と自分がどう関わるか、両親の人生と自分の人生をどう考えるか。答えのないことでもやもや。

    そんな中で読んでいて、家族とはおかしなこと、うまくいかないこと、どうにもならないことを乗せ、それでも走っていくバスなんだと、思った。

    ここに出ている家族は、毎日同じ朝ごはんをたべる。近所で小さな縁日があれば楽しみにして出かける。ささやかな喜びしかないように見える。しかし、どこかがへんてこりん。

    ちょっとずつ、歯車がずれている。それは家族の当たり前、文化。違和感なく、サラサラと日々は流れる。

    自分の両親と向きあっていて、
    なんでこうなっちゃうんだろう?と、思うけど、家族とはおかしさを含むものだと、思ったら、気が楽になった。

  • ひさびさ江國さんでどんぴしゃりだった!


    律くんが一番好き。


    ゆるやかでどこかが違う(間違ってはない)日常が素敵。


    さいきん日常、日常しか言ってない気がします...

  • かわいい。穏やか。
    コーヒーをいれて飲むくらいの、余裕をもって生活したいと思う。

  • 家族のゆるやかな連帯感に癒された。
    窓の外をみる場面が繰り返されるとこが好き。

  • 父と母、そよちゃんとしま子ちゃん、私、律の6人家族の日常を切り取った物語。常人が変な家族を見て驚く物語ではなく、自身が普通とちょっと違う主人公が、本人にとっての当たり前である日常を当たり前に語る物語なので、あらゆることに常識的な説明はされないし、ちょっとした事件もそれほど大きく騒ぎ立てられることなくゆるやかに通り過ぎていく。深町直人と律の二人の男性陣がとても魅力的。そしてそよちゃんの、離婚を「半殺しにされたままの状態で旅に出るような気持ち」「私たち、お互いに本当に半分殺しあったのよ」という表現が心に残った。

  • 家族のそれぞれが、自分の世界や価値観をたいせつにし、相手の感性も尊重している感じ。
    ベタつかず、おだやかでとても居心地よさそうである。読んでるこちらも心地いい。
    そこへ紛れ込んでいるのが「半殺し」だの「流しのしたの骨」だのの言葉、そして「律の人形」をはじめとするエピソード。
    拾ったガラスのかけらのようで危ないんだか危なくないんだか。
    この家族のもつ空気感との入り混じり方がサラッとしていて、なんともニクイ!
    私にはそこがまた魅力的だった。

    「繊細だけど強い糸」―そんな絆を感じる家族だった。

  • 父母、娘3末息子1の少し変わった家族の生活を切り取ったお話
    何回目かの再読

    これは江國香織の書く家族話の原型みたいなものじゃないか?
    「思いわずらうことなく愉しく生きよ」「抱擁、あるいはライスには塩を」につながっていくのね
    ただ、視点が各登場人物に切り替わることなく、基本的にことちゃん目線で描かれているというのも初期作品っぽい

    律のキャラクターが好き
    家族のマスコット的存在なのかね
    行動のイメージ的には小中学生くらいなんだよなぁ
    ってか、読んでて気づいたんだけど、律と同い年だった(笑)
    そっかー、律ももうおっさんかー
    他の家族はどうしてるのかなー?なんて妄想が膨らむ
    そんな妄想が膨らむのは、この作品が完結してる感がないからだね
    家族のワンシーンを切り取ったものなので、当然その後というのも存在すると自然に感じてしまっている

    そう言えば、前に娘(小学校中学年くらい?)に低い声で「流しの下の骨を見ろ!」みたいなセリフを言ったら「怖いからやめて」って言われたなぁ

    私の実家にしても、今の家庭にしても世間の一般的とイメージする家庭とは少し変わったところがあって
    でも、他の家庭の事をよく知らないだけで、他の家庭もどこか変わったところがあるのかもなぁと思うと少し救われる気がする

  • 江國さんの描く変な家族が好きだ。
    特に末っ子の律のフィギュア事件の際の、外の社会と宮坂家の対応のズレがこの家族のおかしさ(&可笑しさ)を際立たせていると思う。
    「思いわずらうことなく愉しく生きよ」は同じように風変わりな一家を描きながらも、DV問題にハラハラさせられて複雑な読後感だったけれど、こちらはひたすらのんびりと読めて楽しい。

  • こういう静かな本が好きよね

  • 個人的に神様のボートの次に好きだった。変哲のありすぎる家族の日常が仔細に描かれているのだが、姉弟4人と両親含めた登場人物それぞれ面白いほどキャラが立っていて最後の方なんか「あーこのあとそよちゃん離婚するだろ」とかこの人ならこうしそうみたいなことまで浮かぶようになった。場面の変化に大きいものがない分ある意味安定しているので、こういうのってふと読み返したくなるやーつ。

  • ほっこりする6人家族の物語。まったりと進んでいくストーリーの中にも突如家族の問題が出てくる。
    だけど、みんな受け入れてくれる優しい家族たちで、心に余裕を持ちたい時に読むと染みる。

  • 読んでいると頭がふわふわしてくる。お話しに急展開はなくて小波みたいな本。

  • 何年かぶりに再読。
    私の家にはこれほど行事もエピソードもないけれど、忘れていた幼い頃の家族との思い出を思い出しました。
    自分でもよくわからない好みやクセはこの家で育まれたのかな。

  • P108「ボーイフレンドって素敵よね。いるあいだはたのしいし、いなくなると気持ちいい」
    P110「もう一度食べたら?」
    P171ちゃんとあたたかい格好をして、やあひさしぶりって言う言い方が自然で、ポケットから硬くて甘い袋菓子をだしてくれる男のひと。
    P285話ながら、私はもう淋しくなくなっていた。片手を深町直人の胯間にのせ、ほんの少しおわん形に指をまげて包むようにすると、「すーん」は不思議なほどすっとおさまる。大発見だった。

    よそのうちの独自的で閉鎖的なルールたち。それを盗み見るような小説。

  • 一癖ある一人一人が、暖かい一つの家族を形作っています。
    語り手(?)であること子は、愛すべき両親、姉達、弟、そして自らを赤裸々に描き出します。
    個人の偏向もまた良し、と思わせてくれる一冊です!

  • 江國さんの、家族の話がすきだ。
    そしてこの本は私が子供だった頃に母が読んでいた、きっとまだ実家のどこかにあるんだろう。

    主人公的な存在の女の子と、弟が一際仲が良いのは江國さんの書く物語の特徴なのか
    仲が良いのか途中までわからなかった家族は読みすすめるうちにお互いを理解しあっている家族だとわかった

    毎月の贈り物、姉の作るお菓子、母の季節を取り入れた食卓、夜の散歩、泣き腫らした姉、ハムスターのウィリアム、健康な恋愛、照明の多いダイニング、あたたかな家庭

  • 【本の内容】
    いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな‘小さな弟’律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族想いの父、の六人家族。

    ちょっと変だけれど幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた、不思議で心地よくいとおしい物語。

    [ 目次 ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • ひとつの家族の風景を切り取った物語。語り部は、三女のこと子。
    お嫁に行った長女のそよちゃん、少し病んでる次女のしま子ちゃん、しっかり者の中学生の弟の律。そして両親。ボーイフレンドの深町直人。
    家族には小さな決まりごとがいくつかあって(誰か家族の誕生日には全員集まる、成人するまでは仕事をしなくてもいい等)、その秩序をおのおの守りながら暮らしている。
    大きな事件は何も起こらない一冊なのだけど(そよちゃんの離婚騒動や、律の停学騒動はあるけれど、みんなどこか冷めていて事件に見えない)江國香織独特のふんわりとした文章に乗せられて、こちらも淡々と読み進められます。
    個人的には弟の律とボーイフレンドの深町直人のキャラクターが好き。ちょっと変わり者の律と、とても健全で爽やかな深町直人。
    この先もこの家族は、たびたび起こる事件を淡々と受け止めながら温かに暮らしてゆくのだろうな、ということを想像してしまう。そんな穏やかな一冊です。

著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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