神様のボート (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 1219
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339191

作品紹介・あらすじ

昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。"私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子"。必ず戻るといって消えたパパを待ってママとあたしは引越しを繰り返す。"私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの""神様のボートにのってしまったから"-恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の遙かな旅の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 成長と共に変わっていってしまう子・草子と、ずっと変わることができない母・葉子の物語。
    読んでいてずっと、なんだか悲しかった。変わってしまうことも、変われないことも、どちらも悲しいんだと思った。

  • 狂気といえるほどに愛を信じ続ける母親、葉子。そしてそんな母親に対する嫌悪感と愛情の間で悩み、やがてはそんな母のもとから脱皮して現実を生きだした娘、草子。
    いずれにおいてもこの親子は似ていて、 痛々しいほど自分をごまかせない人たちだと思った。
    母と娘のきっても切れない関係性がひしひしと伝わる読み応えある作品。

  • 江國さんは恋愛小説と言葉選びの名手だが、これは、狂気にも似た恋に落ちた大人の女性とその娘という二つの視点が面白かった。岸辺というゴールに辿り着けない神様のボート。でも、岸辺って、何だろう。江國さんの描く恋愛は、狂気でもあり、虚無でもあり、温度なら冷たいはずなのに、触れたら火傷しそうな激しさがある。

  • "希望というのは未来にある何かではなくて、いまここにある何かなのだ。たぶん。"
    私たちは今を生きている。
    思い出の中で生きている葉子。
    だんだんと、葉子の思い出から飛び出して現実を生きる草子。
    過去でも、未来でもなく、自分は今を生きているんだと、改めて確認した。

  • 全体の透明な雰囲気がとても好き。読んでいる時間が幸せだった。甘くてキレイで、どこか危険な物語。

  • この親子はフィクションらしいなあと思いながらも、どこかにいそうとも思える。
    不快なことはなく、静かに流れていく映画みたいだ。

  • ちゃんと、もっている本を全て読み返して、積読されてる分も読もうと思いたち、それならば簡単な感想や評価をつけていったほうがあとあと楽しそうだから記録を始める。すきなときにできたらいい。

    昔読んだことがあると思っていた。江國香織はほとんど読んだと思っていたけれど読んでいなかった。伊豆でのシーン、最後になるにつれて娘のも母のも気持ちがわかって、草子が小さいころと対比してしまって辛くて涙が出そうになった。

    最後のシーンは死んでしまっているようにも見えるし、本当に再開したように見える。安心したけれどちょっとずるい、その終わり方は、という気持ちになってしまった。
    どちらとも読み取れるから、どうなったんだろうという気持ちが宙ぶらりんのまま
    でもなんども読みたいし、だいすきな作品の1つになりました。

  • 江國さんの言葉が大好き♡
    静かな狂気的な話なのにこの作品を受け入れてしまう。
    江國さんの作品を読むとチョコレートが食べたくなる♡
    リンツ、ノイハウス買お!
    フレアスカート履こ!

  • とても昔に読んだ本ですが印象的な本で。何が印象的だったかというと、自分はこの本を読んで、江國さんの、これは狂気の物語ですというのをとても感じ、そこが好きで、感動して知り合いに貸したら、全く違う感想がかえってきたところです。知り合いは、ママ、パパとまた会えてよかったね、と言ってましたが、マジかよ全然ちがーう!ってなりました。
    江國さんの本でこの本が一番好きです。娘は健全に現実世界をたくましく成長していく。ママはもう現実を生きているのかもわからない…もしかして…もう狂気の世界にしかいないのかもしれない?コントラストが見事です。

  • 秀逸なラスト!
    結局会えたのか、なんども、何年も、考えるけれどわからない。どちらだといいのかもわからない。わたしだったら会って数日一緒に過ごしてまた別れたい、かな。ボートに乗るということは、そういうことではないかな。




    理由は違うけれど、葉子たちのように引っ越しばかりしている。明日はあそこに行こうと思った場所が昔住んでいたところのことだったり、ふと浮かんだ風景がいつのことかわからなかったり、記憶は時々混乱を起こす。私のホームはどこだろうと前は悩んだりもしたけれど、最近はすっかり慣れて、今いる場所がわたしの居場所だと思っている。結局どこにいても同じなのだ。葉子たちは今どこにいるのかなと同志のようにときどき考える。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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