東京タワー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.31
  • (266)
  • (524)
  • (1249)
  • (222)
  • (57)
本棚登録 : 5760
レビュー : 616
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339214

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 色んな恋愛の形があるんだなぁと思った。
    みんな、それぞれ好きなように生きながらも、その人その人の悩みにもがき苦しみながら生きているんだなぁと。
    言葉が繊細で、引き込まれた。

  • 2014.7.19読了。

  • なんだかひどく評判がよろしくないようで。
    私はそう思わなかったです。確かにゆるく、ちょっと気怠い雰囲気の話ですが、透の詩史に対する一途な思いはなんだかどんな年齢の人でも同じなんだなと思いました。それを詩史は裏切っているんだかいないんだか、不思議な思いになったりもしましたが。きっと既に夫がいるからなのでしょう。

    恋愛の形つていろいろあると思います。
    この本はそれを伝えているようにも感じました。

  • ぼーっと読んでたら終わってしまった。

    ただ、日常生活において
    この本の影響だな〜っていう瞬間がぽちぽち。
    感情を文字で表すのって難しいけど
    大切だなって感じました!

  • 江國香織作品が、やっと読める自分になったのだなあ。
    昔、全然読めなかったので。子供だったのだろうな(笑)

    由利ちゃんはとてもいい子だと思う。由利ちゃんみたいになりたい。耕二みたいな彼氏はほしくないけど。

    終わり方もやっとしてて気になる。

    決していい話だとは思わないけど、うーん。

    以下引用
    -----------------------------------------------

    「人と人はね、たぶん空気で惹かれあうんだと思う」
     いつか詩史がそう言っていた。
    「性格とか容姿とかの前にね、まず空気があるの。その人がまわりに放っている空気。そういう動物的なものをね、私は信じているの」
     詩史さんは動物的だ。透は考える。自分にない強さや生気を感じ、ほとんど困惑させられる。

    -----------------------------------------------

     詩史といるといるもそうだ。
     たとえばイタリア料理を食べる。透は頭のてっぺんから足の先まで、イタリア料理でいっぱいになってしまう。髪の毛一本一本まで。量の問題ではなく純度の問題だった。
     たとえば音楽を聴く。透は身体じゅう音楽で満ちてしまい、他のことは何一つ考えられなくなる。

    -----------------------------------------------

     透には、どこか危ないところがある、と、耕二は思う。ああいう大人びた奴に限って、いつまでも子供なのだ、と。

    -----------------------------------------------

     まったく理屈に合わないことなのだが、喜美子の痛々しい見幕は、ときとして耕二を揺さぶる。うんざりしていい場面だと頭では思うのに、腕が喜美子を抱きしめたがるのだ。

    -----------------------------------------------

    (略)由利の言うことは、いつも無害だが、何の役にも立たない。そう思いながら、耕二は煙草に火をつけた。

    -----------------------------------------------

     孤独ぶりたがりのティーンエイジャーとは違うから、私はもう一人ではいたくないの。
     詩史の言葉が頭から離れない。
     透はあのとき、一人で生きろと言ったわけではない。一緒に暮らそう、と、言ったのだった。詩史にとって、自分はつまり数えるに足らない存在なのだ。そう思うと気が狂いそうに腹が立った。しかも奇妙なことに、詩史ではなく自分に、腹が立つのだった。

    -----------------------------------------------

    「あしたの夕方なら」
     詩史は言った。
    「一時間くらいしかないけど」
     その一時間のために、透はここでまた電話を待っている。時間は、しかし問題ではなかった。たとえば三時間、たとえば五時間、たとえば十時間といわれたところで、十分とは感じられないのだから。帰らなければならない時間がくる。問題なのはそのことなのだ。

    -----------------------------------------------

    (略)いずれにしても、耕二の女関係について、相談にのるつもりはなかった。半分はばかげていると思うからだし、半分は、耕二なら一人で切り抜けると思うからだった。それはつまり、半分の軽視と半分の敬意だ。透は耕二に対し、高校時代からずっとそういう感情を抱いている。

    -----------------------------------------------

     そうこたえるよりなかった。暑い日に、そこに耕二がいるわけでもないのに、耕二の歩いた道だのパンだのを買ったパン屋だの見るだけで目を輝かせていた由利が思いだされた。もうすこしで、耕二に誠意は期待しない方がいい、と言いそうになった。悪いやつじゃないけど、本気で誰かに恋をしたことなんてないんだから、と。
    「そんなに心配?」
     透が訊くと、由利は一瞬の躊躇もなく、
    「心配」
     と、即答した。あまりにもきっぱりした言い方だったので、透はつい微笑んでしまったのだった。かわいい子だなと思った。そして、そのかわいらしさがしかし自分にとってはまるで魅力に思えないことが、強烈に誇らしくもあった。
     かわいらしいというだけで恋におちるなんて、みんななんて謙虚なのだろう。

    -----------------------------------------------
    引用終わり

  • オトナの女性と若い男性の恋のお話。
    という事だけ 映画の宣伝で知っていて、岡田君かぁ・・・いいなぁ とだけ思っていた。

    文庫本を手に入れた。

    あのね~、最後の方にすすむに連れて どんな終り方するんだろう…とドキドキしてたのだけれど ちょっと拍子抜け。
    でも、あの終り方でよかったかなっとも思う。
    その後 彼らがどんな風になるのかは わからないけれど。あんな感じの終り方でよかったかな と今は思う。
    映画の方は、ちょっと違うみたいだけど。
    詩史は、とてもいい暮らしだなぁって思う。
    羨ましいょ~。
    話を読んでてもそりゃイメージ、黒木瞳さんだわ って思う。
    ただ、詩史の気持ちがよくわからなかった。
    透側から書かれているから透の気持ちはわかるけれど。
    二人が惹かれあったのも、ちょっとわかりにくいかなぁ。
    耕二達の方が、とてもわかりやすかった。
    これ読んで思った事は私も努力して、できる限り綺麗にいられるようにしよう!って事(笑)
    年齢を重ねても、年のせいにしないで努力していこう。そう思った。

    女性が年上で男性の方が年下の恋愛って、なんかこう・・不安。
    男性の年のとり方と、女性の年のとり方は違うから…
    逆だと(男性が年上)それほどでもないのに。
    私が女性だから余計に感じるのかな。

    透の今後が気にかかる。

  • たぶんこれは漫然とかつ何度も読むことが必要。流されるように読む方が良い。
    現実を切り取っているかのような物語なのにどうしてこんなに夢のようなのか不思議。ふだん目の当たりにする「生」とかけはなれていてこれってみんな死んでるんじゃないかとおもいたくなるような幻想感。
    個人的には耕二によりそって読みたいかなぁ。

  • 永遠みたいに感じること自体がすでに刹那的な、恋をしたがる傾向にある年齢。まったく同じは無理でも、近しい気持ちになれますように。

  • 都会のど真ん中にある真っ赤な電波塔をタイトルにとっている割に、随分地味に続く恋愛小説。人妻と大学生が、ゆったりゆったり激しく。
    「まだわからない」のか、あるいは「もうわからない」のか。
    すんでのところで琴線に触れず、私はただ、ほう、という感じだった。

  • じわじわと染みてくる恋愛小説。「恋はするものではなく落ちるもの」よりも「一緒に暮らすこととに生きることは必ずしも同じしゃない」「一緒に生きたい人と生きる」にひどく共感。詩史にはなれないと思うのに「どんどん度を失っていくのて、自分で自分が怖い」とうい感情は近しく思う。それぞれの登場人物の描写が繊細出で秀逸。読んでいて恋愛をしたくなった。

全616件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

江國香織の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする